海外ジャーナルクラブ
2年前
Gareenらは、 低線量CT (LDCT) を受けた患者を対象に、 報告された重要な偶発的所見 (SIF) について後ろ向き症例集積研究で検討。 その結果、 SIFは広く確認され、 その大部分が臨床医への届出対象で、 追跡が必要あることが明らかとなった。 本研究はJAMA Intern Med誌において発表された。
SIF群が約3割と今回の研究で分かったので、 今後はやはり臨床転帰が知りたいところです。 その中でより臨床的に重要なものとそうでないものを層別化していく必要が現実的にはありそうです。
LDCTによる肺検診は、 肺癌死亡率を低下させることが示されている。 LDCTを受けた患者では、 SIFが広く報告されているが、 これらのSIF所見の正確な性質については、 これまで説明されていない。
National Lung Screening Trialに参加し、 LDCTを用いたスクリーニングを少なくとも1回受けた者:2万6,455例
2万6,455例のうち33.8% (8,954例) でSIFが報告された。
SIFが検出されたLDCT検診のうち、 臨床医への届出対象と考えられるSIFは89.1% (1万2,228例) で、 肺癌診断陽性群 (94.1%) のほうが、 陰性群 (81.8%) と比べて届出対象SIFの割合が高くなっていた。
腫瘤には、 腎臓 (3.2%)、 肝臓 (2.1%)、 副腎 (1.3%) および乳房 (0.8%) の異常が含まれていた。
分類は自由記述のコメントに基づいて行われ、 1万3,299件のコメントのうち16.6%(2,205件) は分類することができなかった。
National Lung Screening Trialにおける最終診断の階層的な報告は、 肺癌のスクリーニング結果が陽性であった参加者における重度の肺気腫の過大評価と関連していた可能性がある。
National Lung Screening TrialのLDCT群ではSIFがよく報告され、 これらのSIFの多くは臨床医の届出対象で、 追跡が必要であると考えられることがわかった。 今後のスクリーニング試験では、 SIFの報告を標準化すべきである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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