日本癌治療学会
6日前

医師のキャリアが多様化するなか、 オンコロジストとしての道をなぜ選んだのか― 。 日本赤十字社松山赤十字病院 外科の筒井由梨子先生に話を聞きました。
──医師を志したきっかけを教えてください
「正直にお話しすると、 小学生の頃に見た医療ドラマ『救命病棟24時』がきっかけです。 俳優の江口洋介さん演じる外科医に憧れ、 『外科医になる』と決意し医学部に進学しました。 大きな病気をしたことがなく、 医療を身近に感じる経験も多くはなかったのですが、 そのドラマが進路を決める原点になりました」
──消化器外科の中でも肝胆膵を選んだ理由は
「大学時代の実習で肝移植を見学した際、 大きな衝撃を受けました。 肝癌や肝硬変で重篤な状態の患者さんが、 ヘリコプターで搬送されてくることもあります。 そうした患者さんが移植という劇的な治療を受け、 歩いて退院される姿を目の当たりにしました。 生体肝移植は、 ご家族が『自分の体を使ってでも助けたい』という覚悟でドナーになることで初めて成り立つ医療です。 その現場に立ち会い、 肝胆膵外科医を志す決意が固まりました」
「腹腔鏡やロボット手術が進歩している現在でも、 肝胆膵外科では10時間を超える高侵襲な手術が少なくありません。 外科医の技術や経験、 知識が予後に大きく影響する分野であり、 その怖さと同時に強いやりがいを感じています」
「膵癌や胆管癌はいまだ予後が厳しく、 大手術を乗り越えても、 短期間で再発してしまうケースが少なくありません。 だからこそ今後の医師キャリアを通して、 この分野の集学的治療を学び、 更なる向上に少しでも寄与できればと思っています」
──現在注力していること、 今後の目標を教えてください
「2025年8月に九州大学消化器総合外科から日本赤十字社松山赤十字病院へ出向しました。 現在は、 癌患者さんの診療と手術に日々向き合っています。 肝胆膵外科は一人前になるまでに時間がかかる分野ですので、 今は『修業期間』として手技を磨くこと、 加えて手術だけでは助けることのできない肝胆膵分野の癌患者の集学的治療を学ぶことに注力しています」
──女性の肝胆膵外科医として課題に感じていることは
「肝胆膵外科領域では、 女性医師は圧倒的に少数です。 若手女性医師からは、 長時間手術による体力面への不安をよく聞きます。 ロボット手術は低侵襲である一方、 手術時間が長くなる傾向があり、 個人の努力だけで解決できる問題ではありません」
「結婚や出産といったライフイベントと両立しながら女性医師が肝胆膵外科の仕事を続けるためには、 術者交代制やチーム制、 シフト制など、 長く働き続けられる医局や病院の仕組みづくりが不可欠だと感じています」
──JSCO参画にどのような意義を感じますか
「日本癌治療学会 (JSCO) は多様な専門分野の医師が集まる領域横断的な学会です。 外科医の視点にとどまらず、 薬物療法に詳しい内科医の考え方や、 最新のガイドラインを学べる貴重な場所だと感じます」
「また、 全国各地の施設で働く同世代の医師と、 現場での悩みや工夫を共有できる"横のつながり”が生まれる点も学会参画の大きな魅力です。 今後もJSCOを通じて積極的に活動していきたいと思っています」

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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