海外ジャーナルクラブ
2年前
Furieらは, 関節炎, 活発な皮膚疾患を有する成人SLE患者を対象に, ヒト化モノクローナル抗体リティフィリマブの有効性と安全性を第II相試験で検討 (LILAC試験) . その結果, リティフィリマブは24週間にわたり, 腫脹・圧痛関節数の減少がプラセボより大きかった. 本研究は, NEJM誌において発表された.
なぜ研究デザインが変更されたのか, 気になりました…当初のデザインは濃度を3倍で3群に振って評価する素晴らしいデザインでした. 対象患者の集まりが悪かったようです.
形質細胞性樹状細胞にのみ発現するBDCA2と抗体との結合は, SLEの病態に関与するI型インターフェロンの産生を抑制することがわかっている. BDCA2に結合するヒト化モノクローナル抗体であるリティフィリマブのSLE患者における皮下投与の安全性と有効性については, これまで広範に検討されていない.
関節炎, 活発な皮膚疾患を有する成人SLE患者を, 以下の群に無作為に割り付けた.
※当初の試験デザインでは, 参加者をリティフィリマブ (50, 150, 450 mg) またはプラセボに無作為に割り付け, 0, 2, 4, 8, 12, 16, 20週目に皮下投与し, 主要評価項目は皮膚ループス活性の評価とされたが, その後試験デザインが変更された.
主要評価項目
24週時点の活動性関節 (腫脹関節と圧痛関節の合計と定義) の総数のベースラインからの変化量.
副次的評価項目
皮膚疾患および全般的な疾患活動性の変化.
主要解析は, 450mgのリティフィリマブまたはプラセボを投与され, 少なくとも4つの圧痛関節と腫脹関節があった102名の参加者を対象に行われた.
試験開始時点の平均 (±SD) 有効関節数
24週時点の総活動性関節数の最小二乗平均
副次的評価項目のほとんどは, 主要評価項目の解析結果を支持しなかった.
リティフィリマブの投与は, 帯状疱疹 2例, 角膜ヘルペス 1例を含む有害事象と関連していた.
SLE患者を対象とした第Ⅱ相試験において, リティフィリマブは, 24週間にわたり, 腫脹・圧痛関節数のベースラインからの減少がプラセボより大きかった. SLEの治療におけるリティフィリマブの安全性と有効性を確認するため, より長期かつ大規模な試験が必要とされる.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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