最新薬剤情報 & 使い分け
3年前
Candida属は消化管や皮膚、 粘膜に常在する真菌の一種です. 口腔カンジダの原因となる菌種は様々ですが大部分はCandida albicansによるものです. 乳児、 高齢者、 局所・全身の免疫不全患者に好発しますが、 ドライマウス (口腔内乾燥) や抗生物質の連用、 吸入ステロイドの使用も発症の原因となります.
治療には抗真菌薬が用いられますが、 軽症では 「局所療法」 が推奨されています.
日本医真菌学会の『侵襲性カンジダ症に対するマネジメントのための臨床実践ガイドライン』(2021) では、 MCZゲル、 MCZ付着錠、 クロトリマゾールトローチ、 AMPH-Bシロップによる局所療法が推奨されています.
局所療法では、 抗真菌薬の濃度、 量、 接触時間の影響を考慮して投与を行うことが重要です.
MCZについては併用禁忌が存在するため注意が必要ですが、 これらが問題なければ MCZゲル/付着錠が第一選択とされています.
通常、 成人にはMCZとして1日200~400mg (MCZ ゲル10~20g) を4回に分け、 口腔内に満遍なく塗布. 病巣が広範囲に存在する場合、 口腔内にできるだけ長く含んだ後、 嚥下する.
通常、 成人には1回1錠 (MCZとして50mg) を1日1回、 上顎歯肉 (犬歯窩) に付着し用いる.
通常、 小児には1回0.5~1mL (AMPH-Bとして50~100mg) を1日2~4回食後経口投与する (舌で患部に広くゆきわたらせ、 できるだけ長く含んだ後、 嚥下させること) .
通常、 成人には1回1錠 (クロトリマゾールとして10mg) を1日5回口腔内投与する (起床から就寝までの間に、 3~4時間ごとに使用する). 本剤は口腔内で唾液により徐々に溶解しながら用いるもので、 噛み砕いたり、 呑み込んだり、 強くしゃぶったりせずに、 完全に溶解するまで口腔内に留めて使用すること.
深在性や表在性でも再発を繰り返す難治例については、 局所療法ではなく内服による全身投与が適応となります. その場合の第一選択はイトラコナゾール内用液とされています.
イトラコナゾール (イトリゾール®内用液) 、 MCZ (フロリードゲル経口用、 オラビ®錠口腔用) については以下にまとめるように併用禁忌が多く存在するため、 処方の際には注意が必要となります.
最終更新:2022年6月10日
執筆:ぺんぎん薬剤師 @penguin_pharm
監修:聖路加国際病院救急部 清水真人
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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