【Lancet】PAHへの経口ralinepag、臨床的増悪の複合リスク55%減
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14日前

【Lancet】PAHへの経口ralinepag、臨床的増悪の複合リスク55%減

【Lancet】PAHへの経口ralinepag、臨床的増悪の複合リスク55%減
McLaughlinらは、 肺動脈性肺高血圧症 (PAH) への、 経口1日1回の選択的プロスタサイクリンIP受容体作動薬ralinepagの有効性・安全性をプラセボ対照第Ⅲ相無作為化比較試験 (ADVANCE OUTCOMES) で検討した。 その結果、 複合エンドポイントからなる初回の臨床的増悪イベントは、 ralinepag群で18%であり、 プラセボ群の36%に対して有意に減少した (HR 0.45)。 有害事象による治療中止はralinepag群で19%であり、 プラセボ群の3%に比べ多かった。 試験結果はLancet誌に発表された。

📘原著論文

Ralinepag for the treatment of pulmonary arterial hypertension (ADVANCE OUTCOMES): a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 study. Lancet. 2026 Jul 28:S0140-6736(26)01011-1. Online ahead of print. PMID: 42520828

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

有害事象による治療中止率はralinepag群で19% (65/350例) とプラセボ群の3% (10/337例) より高く、 この偏りにより患者や研究者が割付を推測し主観的評価に影響した可能性があります。

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解説 : 岡山大学循環器内科学 赤木達 氏

背景

経口1日1回のIP受容体作動薬ralinepagはPAH治療選択肢となるか

肺動脈性肺高血圧症 (PAH) は肺血管抵抗の上昇を特徴とする進行性の希少疾患であり、 右心不全や早期死亡に至る可能性がある。 PAHを対象に開発されたralinepagは、 経口1日1回投与の選択的プロスタサイクリンIP受容体作動薬である。 本試験では、 PAH患者におけるralinepagの有効性と安全性を評価した。

研究デザイン

成人PAH患者をralinepag群とプラセボ群に無作為化

イベント駆動型の二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相無作為化比較試験 (ADVANCE OUTCOMES) であり、 対象は2022年の欧州心臓病学会 (ESC)・欧州呼吸器学会 (ERS) ガイドラインに基づきPAHと診断された18歳以上の患者とした。

スクリーニングを受けた1,037例のうち728例が無作為化され、 1回以上の投与を受け、 中国の実施施設の41例を除外*した687例が有効性解析・安全性解析の対象となった。 患者は以下の2群に1:1で無作為化された。 無作為化はベースラインの6分間歩行距離 (6MWD)・PAHの病因・経口治療歴で層別された。

*除外理由: 規制上の問題とデータの完全性に関する懸念
  • ralinepag群 (350例)
50μg 1日1回で開始し、 忍容可能な最大の個別用量に達するまで週1回漸増
  • プラセボ群 (337例)

主要評価項目は、 初回の臨床的増悪イベントまでの時間**とした。

**複合エンドポイントの内訳: 全死因死亡、 PAH増悪または右心不全による入院、 注射または吸入プロスタサイクリン経路治療開始、 疾患進行、 長期臨床反応不良

結果

初回臨床的増悪イベントはralinepag群で有意に減少

ベースラインの平均6MWDは438.9mで、 80%がPAHに対する2剤のベースライン治療を受けていた。 無作為化から臨床的悪化イベント・打ち切り・試験終了までの追跡期間中央値は、 ralinepag群で85.0週、 プラセボ群で78.4週であった。

初回臨床的増悪イベントは、 ralinepag群で有意に少なかった。

初回臨床的増悪イベント

  • ralinepag群 : 18% (64/350例)
  • プラセボ群 : 36% (121/337例)
HR 0.45 (95%CI 0.33-0.62、 p<0.0001)

群間差が大きかったのは疾患進行・プロスタサイクリン治療開始・長期臨床反応不良

複合エンドポイントの構成要素のうち、 群間差が大きかったのは疾患進行、 注射/吸入プロスタサイクリン経路治療の開始、 および長期臨床反応不良であった。

有害事象による治療中止は増加

有害事象により治療中止に至った患者はralinepag群で19% (65/350例)、 プラセボ群で3% (10/337例) であった。

重篤な有害事象はralinepag群で28% (98例)、 プラセボ群で31% (104例)、 死亡に至った有害事象はそれぞれ4% (15例)、 4% (14例) であった。

結論

PAHへの経口1日1回のプロスタサイクリン経路治療の選択肢として有望

著者らは、 「ralinepagは、 有害事象に起因する治療中止を増加させたものの、 初回の臨床的増悪イベントのリスクを有意に低下させたことから、 経口1日1回のプロスタサイクリン経路治療としてPAHの有用な治療選択肢になり得る」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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