海外ジャーナルクラブ
8日前

がん研有明病院消化器化学療法科医長の大木 暁氏らの研究グループは、 CLDN18.2陽性の進行胃癌・食道胃接合部癌に対するゾルベツキシマブ+化学療法で生じる低アルブミン血症の臨床的意義を、 単施設後ろ向き研究で検討。 その結果、 全例でアルブミン低下を認め、 重症例は治療早期に発現し、 多くは回復した。 また、 四肢浮腫や腹水の新規出現・増悪を高頻度に伴った。 研究結果はESMO Gastrointest Oncol誌において発表された。
画像評価もあらかじめ規定された間隔で実施されていなかったため、 特にアルブミン値が最低値となる時期前後で腹水評価のタイミングにばらつきがあり、 アルブミン低下と腹水増悪との関連に影響した可能性があります。
【胃癌】ゾルベツキシマブの胃炎・低Alb血症 「どう対応する?」
ゾルベツキシマブはHER2陰性・CLDN18.2陽性の進行胃癌でアウトカムを改善する一方で、 ゾルベツキシマブに関連する低アルブミン血症の臨床的意義は十分に解明されていない。
ゾルベツキシマブ+化学療法を受けた患者70例を対象に、 単施設後ろ向き研究を実施した。
血清アルブミンの経時的推移と、 その臨床的意義 (関連するon-target毒性、 腹水の変化、 抗腫瘍効果) を評価した。
全例で何らかのアルブミン低下が認められた。 観察期間中の最重症グレードは、 Grade0-1が28例 (40%)、 Grade2が27例 (39%)、 Grade3が15例 (21%) であった。 Grade2以上の低アルブミン血症の発現は、 1~3サイクル目にピーク (36~49%) に達し、 その後減少した。
Grade3の低アルブミン血症の発現までの期間中央値は28.0日で、 Grade2以下へ回復するまでの期間中央値は16.5日であった。 Grade3低アルブミン血症は、 高齢、 全身状態 (PS) 不良、 ベースライン時の血清アルブミン低値と関連し、 胃切除の既往がある患者では発現しなかった。
Grade3低アルブミン血症は、 四肢浮腫 (100%)、 食欲不振 (93%)、 内視鏡的胃炎 (47%)、 腹水の新規発現または増悪 (60%) を高頻度に併発した。 ゾルベツキシマブを一時休薬した患者の多くは、 Grade3の低アルブミン血症の再燃なく治療を再開した。
観察期間中の低アルブミン血症の最重症グレードがGrade 3であった患者群と、 Grade 0–2であった患者群との間で、 抗腫瘍効果に有意差は認められなかった。 両群の奏効率 (ORR) はそれぞれ71.4%と51.7%、 全生存期間 (OS) 中央値は未到達 (NR) と18.0ヵ月であった (HR 1.16、 p=0.77)。
著者らは、 「ゾルベツキシマブ関連の低アルブミン血症は、 典型的には早期に発現し、 多くは可逆的であり、 一過性の腹水を伴う」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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