【Lancet】前駆症状/予兆期の片頭痛にubrogepantが有効
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海外ジャーナルクラブ

12ヶ月前

【Lancet】前駆症状/予兆期の片頭痛にubrogepantが有効

【Lancet】前駆症状/予兆期の片頭痛にubrogepantが有効
Dodickらは、 中等度~重度の頭痛を伴う片頭痛発作を有する18~75歳の患者を対象に、 カルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP) 受容体アゴニストubrogepantの有効性と安全性を多施設共同二重盲検プラセボ対照クロスオーバー第III相無作為化比較試験PRODROMEで検討した。 その結果、 片頭痛の前駆症状/予兆 (prodrome) 期におけるubrogepantの服用は、  中等度~重度の片頭痛発作を減少させ、 忍容性も良好であった。 本研究は、 Lancet誌において発表された。 

📘原著論文

Ubrogepant for the treatment of migraine attacks during the prodrome: a phase 3, multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, crossover trial in the USA. Lancet. 2023 Nov 15:S0140-6736(23)01683-5. PMID: 37979595

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

通常はプラゼボ効果は10%前後ですので、 プラセボの有効性を約30%が認めていることは片頭痛の疾病特異性を示しています。 逆に言うと片頭痛の患者さんには、 理詰めだけではなく何かしらの治療を提供することで症状緩和が得られる可能性が十分期待できます。

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カルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP) 受容体アゴニストであるubrogepantは、 片頭痛の急性期治療薬として承認されているが、 片頭痛発作の最も早い段階である前駆症状/予兆期における有効性や安全性については不明であった。

研究デザイン

対象

中等度から重度の頭痛を伴う片頭痛発作が月に2~8回ある18~75歳の患者

介入

患者は以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。

  • プラセボ群
前駆症状/予兆の初回出現時にプラセボを、 2回目の出現時にubrogepant 100mgを投与
  • Ubrogepant群
前駆症状/予兆の初回出現時にubrogepant 100mgを投与し、 2回目の出現時にプラセボを投与

主要評価項目

投与後24時間以内に中等度または重度の頭痛が発現しないこと

研究結果

有効性評価

主要評価項目

  • プラセボ群:29% (423例中121例)
  • Ubrogepant群:46% (418例中190例)
OR 2.09 (95%CI 1.63-2.69)、 p<0.0001

安全性評価

服用後48時間以内の有害事象の発現率

  • プラセボ群:12% (462例中55例)
  • Ubrogepant群:17% (456例中77例)

結果の解釈

Ubrogepantは、 片頭痛の前駆症状/予兆期の治療において有効であり、 忍容性も良好であった。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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