【NEJM】再発・難治性のCLL/SLLの治療、ザヌブルチニブがイブルチニブに比し優越性を示す
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【NEJM】再発・難治性のCLL/SLLの治療、ザヌブルチニブがイブルチニブに比し優越性を示す

【NEJM】再発・難治性のCLL/SLLの治療、ザヌブルチニブがイブルチニブに比し優越性を示す
Brownらは、 再発・難治性の慢性リンパ性白血病 (CLL) または小リンパ球性リンパ腫 (SLL) 患者を対象に、 ザヌブルチニブとイブルチニブの有効性を比較する第Ⅲ相試験を実施 (ALPINE)。 その結果、 ザヌブルチニブ投与群の方がイブルチニブ投与群よりも無増悪生存期間 (PFS) が有意に長く、 心臓の有害事象の発生が少なかった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Zanubrutinib or Ibrutinib in Relapsed or Refractory Chronic Lymphocytic Leukemia. N Engl J Med. 2022 Dec 13. doi: 10.1056/NEJMoa2211582.PMID: 36511784

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究は、 事前に計画された中間解析結果がJ Clin Oncol誌に報告され、 最終解析報告がNEJMに掲載されています。 今後血液以外の領域でも、 このスケール感を目標にやっていく必要があります。

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背景

再発・難治性のCLLまたはSLLに対する治療として、 ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) 阻害剤であるイブルチニブと、 より特異性の高いBTK阻害剤であるザヌブルチニブが第Ⅲ相試験で比較検討された。 中間解析では、 ザヌブルチニブはイブルチニブに対して、 全奏功 (主要評価項目) に関して優れていた。

研究デザイン

対象

過去に少なくとも1コースの治療歴のある再発・難治性のCLLまたはSLL患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け。

  • ザヌブルチニブ群
  • イブルチニブ群
病勢進行または許容できない毒性作用の発生まで投与。

評価

最終解析では、 ザヌブルチニブがイブルチニブに対して非劣性であるかどうかを判断するために、 階層的検定戦略を用いてPFS (重要な副次評価項目) を評価した。

研究結果

追跡期間中央値29.6カ月の時点で、 652名の患者において、 ザヌブルチニブはイブルチニブよりもPFSに関して優れていることがわかった (P=0.002)。

病勢進行または死亡のHR 0.65、 95%CI 0.49-0.86

治験責任医師が評価したPFS

24カ月の時点のPFS

ザヌブルチニブ群:78.4%

イブルチニブ群:65.9%

17p欠失、 TP53変異との関連

17p欠失、 TP53変異、 またはその両方を有する患者において、 ザヌブルチニブ投与群はイブルチニブ投与群よりもPFSが長かった。

疾患進行または死亡のHR 0.53、 95%CI 0.31-0.88

主要サブグループにおけるPFS

他の主要サブグループにおけるPFSは一貫してザヌブルチニブが優勢であった。

全奏功率

全奏功率は、 イブルチニブ群よりザヌブルチニブ群の方が高かった。

安全性プロファイル

ザヌブルチニブの安全性プロファイルはイブルチニブより優れており、 治療中止に至る有害事象が少なく、 治療中止または死亡に至る心事故も少なかった。

結論

再発・難治性のCLLまたはSLL患者において、 ザヌブルチニブ投与群の方がイブルチニブ投与群よりも無増悪生存期間が有意に長く、 ザヌブルチニブは心臓の有害事象の発生が少なかった。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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