海外ジャーナルクラブ
2年前
Brownらは、 再発・難治性の慢性リンパ性白血病 (CLL) または小リンパ球性リンパ腫 (SLL) 患者を対象に、 ザヌブルチニブとイブルチニブの有効性を比較する第Ⅲ相試験を実施 (ALPINE)。 その結果、 ザヌブルチニブ投与群の方がイブルチニブ投与群よりも無増悪生存期間 (PFS) が有意に長く、 心臓の有害事象の発生が少なかった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
本研究は、 事前に計画された中間解析結果がJ Clin Oncol誌に報告され、 最終解析報告がNEJMに掲載されています。 今後血液以外の領域でも、 このスケール感を目標にやっていく必要があります。
再発・難治性のCLLまたはSLLに対する治療として、 ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) 阻害剤であるイブルチニブと、 より特異性の高いBTK阻害剤であるザヌブルチニブが第Ⅲ相試験で比較検討された。 中間解析では、 ザヌブルチニブはイブルチニブに対して、 全奏功 (主要評価項目) に関して優れていた。
過去に少なくとも1コースの治療歴のある再発・難治性のCLLまたはSLL患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け。
最終解析では、 ザヌブルチニブがイブルチニブに対して非劣性であるかどうかを判断するために、 階層的検定戦略を用いてPFS (重要な副次評価項目) を評価した。
追跡期間中央値29.6カ月の時点で、 652名の患者において、 ザヌブルチニブはイブルチニブよりもPFSに関して優れていることがわかった (P=0.002)。
24カ月の時点のPFS
ザヌブルチニブ群:78.4%
イブルチニブ群:65.9%
17p欠失、 TP53変異、 またはその両方を有する患者において、 ザヌブルチニブ投与群はイブルチニブ投与群よりもPFSが長かった。
他の主要サブグループにおけるPFSは一貫してザヌブルチニブが優勢であった。
全奏功率は、 イブルチニブ群よりザヌブルチニブ群の方が高かった。
ザヌブルチニブの安全性プロファイルはイブルチニブより優れており、 治療中止に至る有害事象が少なく、 治療中止または死亡に至る心事故も少なかった。
再発・難治性のCLLまたはSLL患者において、 ザヌブルチニブ投与群の方がイブルチニブ投与群よりも無増悪生存期間が有意に長く、 ザヌブルチニブは心臓の有害事象の発生が少なかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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