海外ジャーナルクラブ
2年前
Menon BKらは, 脳梗塞で血栓溶解療法の適応となる患者1,600名を対象に, テネクテプラーゼの効果を検討する多施設共同非盲検並行群間無作為化比較試験 (AcT試験) を実施. その結果, テネクテプラーゼによる治療がアルテプラーゼを用いた標準治療に比べ非劣性であることが明らかとなった. 本研究はLancet誌において発表された.
脳梗塞に対する血栓溶解療法として, アルテプラーゼのボーラス投与とその後の持続点滴が世界的に標準治療となっている.
登録患者の内, 1577人がITT集団に含まれた (テネクテプラーゼ群:806例, アルテプラーゼ群:771例). 年齢中央値は74歳, 女性 47.9% (755例), 男性:52.1% (822例) であった.
テネクテプラーゼ群:802例中296例 (36.9%) , アルテプラーゼ群:765例中266例 (34.8%) が主要評価項目を達成し, 事前に定めた非劣性基準値を満たしていた (未調整リスク差 2.1%, 95%CI -2.6~6.9) .
24時間以内の症候性脳出血
治療開始後90日以内の死亡
テネクテプラーゼ (0.25 mg/kg) の静注は, 血栓溶解療法の標準的な基準を満たす全ての脳梗塞患者において, アルテプラーゼの代替薬として妥当である.
👨⚕️ HOKUTO監修医コメント
投与方法の簡便さ、またその効果からテネクテプラーゼが注目されています. 国内でも脳梗塞患者を対象としたアルテプラーゼとの無作為化比較試験(T-FLAVOR試験) が開始されています.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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