【JAMA Oncol】 抗PD-1抗体camrelizumab併用療法による1次治療が黒色腫で奏効
著者

海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Oncol】 抗PD-1抗体camrelizumab併用療法による1次治療が黒色腫で奏効

【JAMA Oncol】 抗PD-1抗体camrelizumab併用療法による1次治療が黒色腫で奏効
Maoらは、 治療歴のない切除不能なⅢ期またはⅣ期の進行末端黒色腫患者を対象に、 抗PD-1抗体camrelizumab+VEGF-2阻害薬apatinib+テモゾロミド併用療法の活性および安全性を単群単施設第Ⅱ相非無作為化臨床試験で検討。 その結果、 同併用療法は末端黒色腫患者に対する1次治療の選択肢となりうることが示唆された。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。 

📘原著論文

Camrelizumab Plus Apatinib and Temozolomide as First-Line Treatment in Patients With Advanced Acral Melanoma: The CAP 03 Phase 2 Nonrandomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2023 Jun 1;e231363. PMID: 37261804

👨‍⚕️監修医師のコメント

中国単施設、 ほぼ1年間でのsingle armでの研究成果です。 今後もまず中国で短期間にRCTの候補薬を検証し、 その後にRCTで検証する形が増えそうです。

🔢関連コンテンツ

テモゾロミド

テモゾロミド錠100mg「NK」
テモゾロミド錠20mg「NK」
テモダールカプセル100mg
テモダール点滴静注用100mg
テモダールカプセル20mg

背景

末端黒色腫は変異負荷が低く、 免疫療法への反応が乏しい。 そのため、 標準的な治療法はまだ見つかっていない。

研究デザイン

対象

治療歴のない切除不能なⅢ期またはⅣ期の末端黒色腫患者:50例

介入

病勢進行または許容できない毒性作用が発現するまで、 camrelizumab 200mgを2週間ごとに静脈内投与、 apatinib 250mgを1日1回経口投与、 テモゾロミド200mg/m²を1~5日目に1日1回静脈内投与を4週間サイクル実施した。

主要評価項目

客観的奏効率

副次評価項目

無増悪生存期間 (PFS)、 奏効までの期間、 奏効期間、 病勢コントロール率、 全生存期間 (OS)、 安全性

研究結果

主要評価項目

客観的奏効率:64.0% (50例中32例、 95%CI 49.2-77.1%)

副次評価項目

  • 奏効までの期間の中央値:2.7カ月 (IQR、 0.9-2.9ヵ月)
  • 奏効期間:17.5カ月 (95%CI 2.0カ月-未到達)
  • 病勢コントロール率:88.0% (50例中44例、 95%CI 75.7-95.5%)
  • 推定PFS中央値:18.4カ月 (95%CI 10.6カ月-未到達)
  • OS中央値:未到達

安全性評価

最も多かったグレード3または4の治療関連有害事象

  • γ-GTP値の上昇:30% (50例中15例)
  • 好中球数減少:22% (50例中11例)
  • 直接ビリルビン値上昇:20% (50例中10例)
  • AST値上昇:20% (50例中10例)

治療関連死亡

  • 治療に関連した死亡は発生しなかった。

結論

camrelizumabとapatinibおよびテモゾロミドの併用は、 進行末端黒色腫患者に対する1次治療における選択肢となりうる可能性が示唆された。 無作為化臨床試験でのさらなる検証が必要である。

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【JAMA Oncol】 抗PD-1抗体camrelizumab併用療法による1次治療が黒色腫で奏効