海外ジャーナルクラブ
14日前

聖路加国際病院腎臓内科医長の長浜正彦氏らの研究グループは、 外来患者を対象に腎機能と低ナトリウム (Na) 血症の関連について単一施設の横断研究で検討。 その結果、 低Na血症の有病率は、 推算糸球体濾過量 (eGFR) 70~80mL/min/1.73m²で最も低く、 eGFRがこの範囲を上回る場合と下回る場合のいずれにおいても低Na血症の有病率が高いことが示された。 研究結果はClin Exp Nephrolに発表された。
eGFRと低Na血症を同一時点で評価しているため、 時間的な前後関係が不明であり、 腎機能が低Na血症を引き起こすという因果関係は示せません。
腎機能と低Na血症のリスクの関連、 特に腎機能が良好に保たれている患者における関連については十分に明らかにされていない。 本研究は、 外来患者の集団において腎機能の全域にわたってこの関連を明らかにすることを目的とした。
本研究は、 2010~20年に日本の単一施設を受診した外来患者13万194例を対象とした横断研究である。
多変量ロジスティック回帰によりeGFRと低Na血症 (血清Na135mEq/L以下) の関連を評価し、 人口統計学的、 臨床的、 薬剤関連、 検査値の共変量で調整した*。 また低Na血症を有する患者では、 eGFRと尿濃縮の関係について尿浸透圧/血漿浸透圧比を用いて評価した。
低Na血症の有病率は4.3%であった。 低Na血症を有する患者は高齢で併存疾患が多かった。 低Na血症の有病率はeGFR 70~80mL/min/1.73m²で最も低く、 これより低い場合は低くなるほど、 また高い場合は高くなるほど有病率は上昇した。 この関連は併存疾患と薬剤で調整した後も認められた。
全ての因子を調整したモデルにおいて、eGFR 70~80mL/min/1.73m²と比べた低Na血症のORは、 eGFR 150mL/min/1.73m²以上で4.63 (95%CI 3.73-5.75)、 eGFR 10mL/min/1.73m²未満で1.56 (95%CI 1.02-2.39) であった。
eGFR 70~80mL/min/1.73m²と比較すると、 それよりも低いeGFR領域における関連は、 バソプレシンを介した水調節に関連し得る変数をさらに調整すると著しく減弱した。 一方、 高eGFR領域ではオッズの上昇が調整後も認められた。
また、 低Na血症を有する患者の尿濃縮の程度は、 低eGFR領域よりも高eGFR領域で高かった。
著者らは、 「低いeGFRと高いeGFRのいずれも低Na血症リスクの上昇と関連していた。 共変量調整後に認められたパターンの違いと尿濃縮の程度の差異から、 低eGFR領域と高eGFR領域では基盤にある低Na血症の機序が異なる可能性がある」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。