医療の最前線から
3ヶ月前

世界の注目レビュー論文を紹介する 「医療の最前線から」 です。 今回は、 2025年3月のLancet誌に掲載された 「結核」 に関する総説を取り上げます。 結核は世界の主要な感染症の一つとして依然として課題が多く、 近年は分子検査や全経口療法など新しいアプローチが注目されています。 この総説では、 結核の病態から治療、 フォローアップに至る包括的な内容がまとめられており、 実臨床の視点からも示唆に富む内容です。 ぜひご一読いただき、 日々の診療にお役立てください。
❶感染症による死因の第1位は「結核症」
❷結核患者の 「3人に1人 (310万人)」 は未診断
❸HIV陽性者の結核発症率は「1.7-2.7%」
❹初回検査の推奨は「迅速分子検査」
❺リファンピシン耐性も「迅速分子検査」で検出可能
❻予防治療の主流は「リファマイシン系短期レジメン」
❼標準治療レジメンは「2HRZE-4HR」
❽非重症・塗抹陰性小児は「4ヵ月」に治療短縮
❾多剤耐性結核には「BPaLM 6ヵ月」が推奨
❿治癒後の標準化死亡比は「3.8」
⓫生存者の59%に「スパイロメトリ異常」
原著論文で詳細を確認する
Tuberculosis. Lancet. 2025 Mar 8;405(10476):850-866.
短期予防治療として、 リファンピシンやrifapentineを用いた短期間レジメンが普及しつつあります。 従来のイソニアジドを長期間服用する治療と比べて、 患者さんの治療完遂率向上につながると報告されています。 治療完遂が難しい方への新たな選択肢として注目されています。

💡 各治療レジメンの詳細な臨床データや有効性・安全性の比較が示されています。
多剤耐性結核に対しては、 ベダキリン、 pretomanid、 リネゾリドを組み合わせた6ヵ月経口レジメンが新たに推奨される傾向にあるようです。 以前のレジメンに比べて治療成功率が高まる一方、 副作用も考慮した用量についても議論されており、 総説ではそれらに対する取り組みや新レジメンの可能性が紹介されています。
💡 論文ではこれら新規レジメンの具体的な使用条件や臨床試験結果が示されています。
結核は治療完了後も、 肺機能障害や社会的・心理的な影響が残る可能性があります。 本総説では、 治療終了直後から継続的なフォローアップを行い、 呼吸リハビリテーションや栄養指導などを組み合わせることで後遺症のリスクを低減する重要性が述べられています。
💡 治療完了後の長期的なサポート体制をどう整備するかの指針を得られます。
【Eur Respir J】多剤耐性結核治療、 リネゾリドの至適用法は?
【解説】日本呼吸器内視鏡学会が公表『喀血診療指針』のポイントは?
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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