海外ジャーナルクラブ
21日前

Xuらは、 IgA腎症患者を対象に、 ステロイド反応性に関連する遺伝的因子をゲノムワイド薬理ゲノム解析で評価した。 その結果、 シチジンデアミナーゼ (CDA) 近傍の遺伝的バリアントrs477155がステロイド反応性と関連することが示唆され、 その機序として、 NR3C1により制御されるCDA経路が関与する可能性が示された。 本研究はJ Am Soc Nephrol誌において発表された。
TESTING試験コホートのサンプルサイズが比較的小規模 (n=260) であったため、 偽陽性や効果量の過大評価 (winner’s curse : 小規模で検出力の低い集団において偶然の変動によって関連が過大に見積もられ、 真の遺伝的効果よりも大きく評価される現象) のリスクがあります。
ステロイド療法は高リスクIgA腎症の予後を改善するものの、 有効性や有害事象にはばらつきがあり、 遺伝的因子が関与している可能性がある。
そこで本研究では、 ステロイド反応性に関連する遺伝的因子について評価した。
中国のTESTING試験コホートに登録され、 生検でIgA腎症と確認された患者を対象に、 ゲノムワイド薬理ゲノム解析を実施した。
260例が以下の2群に分類された。
遺伝子型と治療の交互作用モデルを用いて、 6ヵ月時の24時間尿蛋白減少率を評価した。 さらに、 ステロイド単剤療法を受けた高リスクIgA腎症患者211例からなる独立した検証コホートで再現性を検証した。 また、 機能アノテーション、 eQTLマッピング、 制御領域解析、 デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイにより、 候補座位の生物学的意義を検討した。
ゲノムワイド解析により、 遺伝子型と治療の交互作用が示唆される3つの座位が同定された (p<5.00×10⁻⁶)。 このうち、 第1染色体上のCDAイントロン内に位置するrs477155は、 TESTING試験コホートで同定され (p=2.70×10⁻⁶)、 検証コホートでも再現された (p=0.01)。
TESTING試験コホートでは、 rs477155 GG遺伝子型を有する患者において、 6ヵ月時の完全蛋白尿寛解率 (OR 2.5 [95%CI 1.3-4.9]、 p=5.00×10⁻³) および複合臨床寛解率 (OR 2.8 [95%CI 1.6-4.9]、 p=3.13×10⁻⁴) が有意に高かった。
機能解析では、 rs477155は血液および免疫細胞においてCDAのcis-eQTLとして作用し、 H3K4Me1/H3K27Acで標識され、 グルココルチコイド受容体 (NR3C1によりコード) 結合部位を含むエンハンサー領域に位置していた。
バイオインフォマティクス解析、 デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイ、 RNA-seq解析により、 NR3C1がCDA発現を直接制御する可能性が示され、 デキサメタゾン刺激後に血中CDA発現量の急速な上昇が認められた (刺激前 9.84±0.52 vs 刺激後 10.50±0.55、 p=7.41×10⁻²³)。
フェノームワイド関連解析では、 rs477155およびCDAが、 急性尿細管間質性腎炎 (p=7.4×10⁻¹¹)、 腎炎症候群 (p=2.7×10⁻⁸)、 喘息 (p=2.5×10⁻²¹)、 関節リウマチ (p=2.1×10⁻¹²) など免疫および腎に関連する幅広い臨床表現型と関連することも示された。
著者らは、 「本研究では、 rs477155がIgA腎症におけるステロイド反応性と関連することが示唆され、 その機序として、 NR3C1により制御されるCDA経路が関与する可能性が示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。