海外ジャーナルクラブ
1年前
Pernegerらは、 無作為化臨床試験において統計的に有意でない主要アウトカムの結果の解釈について横断研究で検討。 その結果、 効果ありとする対立仮説 (尤度比<1) が支持されたのは8.9%であったのに対し、 効果なしとする帰無仮説 (尤度比>1) が支持されたのは91.1%であった。 本研究はJAMA誌において発表された。
尤度比は、 これらの仮説に対する支持を定量化するもので、 >1の場合は効果なしとする帰無仮説を、 <1の場合は有効であるという対立仮説を支持します。 たとえば尤度比5はそのデータが対立仮説の5倍の強度で帰無仮説を支持することを意味します。 尤度比10は「強いエビデンス」、 100は「決定的なエビデンス」です。
無作為化臨床試験の多くは、 統計的に有意でない結果をもたらす。 このような結果は、 一般的な統計的枠組みでは解釈が困難である。
2021年に主要医学雑誌6誌に掲載されたランダム化臨床試験
帰無仮説と試験実施計画書に記載された有効性の仮説 (対立仮説) の尤度比
主要アウトカムについて169件の統計的に有意でない結果を報告した130件の論文において、 8.9% (15件) が対立仮説 (尤度比<1) を支持し、 91.1% (154件) が帰無仮説 (尤度比>1) を支持した。
尤度比は、 69.2% (117件) において10を超え、 52.1% (88件) において100を超え、 29.6% (50件) において1,000を超えた。 尤度比はP値と弱い相関しかなかった (Spearman相関係数 r= 0.16、 P=0.045)。
ランダム化臨床試験の有意でない主要アウトカムの結果の大部分は、 効果がないという帰無仮説を強く支持していた。 尤度比を報告することは、 特に主要転帰において観察された差が統計的に有意でない場合に、 臨床試験の解釈を改善する可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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