海外ジャーナルクラブ
3日前

Ferruaらは、 Wiskott-Aldrich症候群患者を対象に、 レンチウイルスベクターを用いた自家造血幹細胞遺伝子治療etuvetidigene autotemcel (etu-cel) の有効性および安全性について、 非盲検の第Ⅰ/Ⅱ相試験・第Ⅲ相試験と拡大アクセスプログラムの統合解析で検討した。 その結果、 1年・5年全生存率はいずれも96%であり、 重症感染の発生率は治療前1年の2.00件/人年から治療後6~18ヵ月で0.15件/人年に、 中等度以上の出血の発生率は治療前1年の2.00件/人年から治療後1年で0.80件/人年に減少した。 挿入変異による腫瘍化を示す所見は認められなかった。 研究結果はNEJM誌に発表された。
対照群がなく、 現在の標準治療である造血幹細胞移植 (HSCT) との直接比較ができません。
Wiskott-Aldrich症候群は、 WAS遺伝子のバリアントによる希少なX連鎖性の先天性免疫異常症で、 血小板異常を伴い生命を脅かす。 etuvetidigene autotemcel (etu-cel) は、 患者自身の造血幹・前駆細胞に体外でレンチウイルスベクターを用いてWAS相補的DNAを導入した遺伝子治療である。
非盲検の前向き臨床試験2件と拡大アクセスプログラムのデータを統合し、 etu-celの有効性と安全性を評価した。 内訳は以下の通りである。
患者は、 リツキシマブ投与と強度減弱前処置後、 etu-celを単回静脈内投与された。
主要有効性評価項目は、 全生存率、 治療後6~18ヵ月の重症感染、 治療後12ヵ月間の中等度および重度の出血イベントとした。 重症感染と出血は1人年あたりの発生件数 (発生率) で示し、 治療前1年間と比較した。
生存例の追跡期間中央値は5.7年 (範囲2.3~13.3年)、 遺伝子治療時の年齢中央値は2.6歳 (範囲1.0~35.1歳) であった。
全生存率は1年時点、 5年時点ともに96%で、 死亡は1例であった。
重症感染の発生率および、 中等度または重度の出血イベントの発生率も減少した。
重症感染の発生率
中等度または重度の出血イベントの発生率
Grade 3以上の有害事象で最も多かったのは中心静脈カテーテル関連感染であった。 挿入変異による腫瘍化を示す所見は認められなかった。
著者らは、 「Wiskott-Aldrich症候群においてetu-celが持続的な臨床的有益性をもたらすことが示された」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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