HOKUTO編集部
2日前

再発または転移性脱分化型脂肪肉腫 (DDLS) 患者を対象に、 CDK4/6阻害薬アベマシクリブの有効性および安全性を評価した医師主導型第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験SARC041の結果、 アベマシクリブにより無増悪生存期間 (PFS) は有意に改善し、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。 米・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのMark A. Dickson氏が発表した。
DDLSは全身療法の選択肢が限られ、 治療が困難な疾患である。
承認薬のベネフィットは限定的で、 トラベクテジンのPFS中央値は2~4ヵ月、 エリブリンは2ヵ月にとどまる。
DDLSではCDK4遺伝子の増幅がほぼ全例で認められ、 CDK4は合理的な治療標的とされる。 単群第Ⅱ相試験において、 CDK4/6阻害薬によるPFS中央値は、 パルボシクリブが4.2ヵ月、 アベマシクリブが7.7ヵ月であった。
アベマシクリブは、 利用可能なCDK4/6阻害薬の中でCDK4選択性が最も高い薬剤である。
米国の大学病院9施設で実施された医師主導型第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験SARC041において、 登録前6ヵ月以内にRECIST 1.1に基づく病勢進行が認められ、 ECOG PS 0-1で再発または転移性DDLS (純粋な高分化型脂肪肉腫は除外、 前治療歴は問わず) を有する18歳以上の患者108例が、 以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。
プラセボ群で病勢進行が認められた患者は、 非盲検下でアベマシクリブ群へのクロスオーバーが可能とされた。
主要評価項目はPFS、 副次評価項目は客観的奏効率 (ORR)、 クロスオーバー後のPFS、 全生存期間 (OS)、 毒性などであった。
本試験は、 PFSについて、 log-rank検定によりHR 0.6を両側有意水準10%で検出するため、 80%の検出力を有するよう設計された。
PFS中央値は、 アベマシクリブ群が9.7ヵ月であり、 プラセボ群の1.5ヵ月と比べて有意な改善が示された (HR 0.38 [90%CI 0.25–0.59]、 p<0.001)。
6ヵ月PFS率はアベマシクリブ群が60%、 プラセボ群が22%、 12ヵ月PFS率はそれぞれ39%、 13%であった。
ORRはアベマシクリブ群が9%、 プラセボ群が0%であり、 アベマシクリブ群で良好な傾向を示したものの、 両群間で有意差は認められなかった (p=0.057)。
OS中央値はアベマシクリブ群が未到達、 プラセボ群が25.5ヵ月であり、 アベマシクリブ群で良好な傾向を示したものの、 両群間で有意差は認められなかった (HR 0.55 [95%CI 0.28–1.07]、 p=0.07)。
プラセボ群の85% (46例) が病勢進行後にアベマシクリブ群へクロスオーバーした後のPFS中央値は3.4ヵ月、 ORRは4%であった。
前治療歴別の探索的サブグループ解析におけるPFS中央値は、 前治療なしの患者が16.4ヵ月、 前治療1ライン以上の患者が5.3ヵ月であった (p=0.029)。
Grade3以上の有害事象 (AE) 発現率は両群で同等であり (p>0.99)、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。 AEによる用量減量がアベマシクリブ群の39%、 プラセボ群の2%で認められた。
Dickson氏は 「アベマシクリブは、 DDLS患者において、 プラセボと比べてPFSを有意に改善し、 OSについても有望な傾向を示した。 また、 アベマシクリブの忍容性は良好であった。これらの結果は、 アベマシクリブをDDLSに対する新たな治療選択肢として支持するものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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