海外ジャーナルクラブ
2年前
Longらは、 完全切除後のステージⅡBまたはⅡC期の悪性黒色腫の患者を対象に、 術後補助療法としてのペムブロリズマブの有効性と安全性を検討する多施設共同二重盲検無作為化第Ⅲ相試験を実施 (KEYNOTE-716試験)。 その結果、 ペムブロリズマブはプラセボと比較し、 無遠隔転移生存期間 (DMFS) が有意に改善し、 再発リスクを減少させることが示された。 本研究は、 Lancet Oncol誌において発表された。
本研究結果で”到達せず”が散見されますが、 これは生存曲線が0.5まで下がっておらず、 中央値が計算できないので論文では「未到達」と表現されたりします。
ⅡB期またはⅡC期の悪性黒色腫で手術のみを受けた患者は、 再発リスク高いとされる。 KEYNOTE-716試験の第1次中間解析では、 ステージⅡBまたはⅡC悪性黒色腫において、 ペムブロリズマブによる術後補助療法がプラセボに比し無再発生存期間 (RFS) を有意に改善させた。
組織学的にステージⅡB (T3bまたはT4a) またはⅡC (T4b) の悪性黒色腫と診断され、 完全切除された、 センチネルリンパ節生検陰性、 🔢ECOG PS 0-1の12歳以上の患者。
患者を以下の2群に1:1の割り合いで無作為に割り付け。
再発患者のうち適格者は、 パート2のクロスオーバーまたは再チャレンジの段階で、 ペムブロリズマブによるさらなる治療を受けることができた。
無再発生存期間 (RFS) および無遠隔転移生存期間 (DMFS)
追跡期間中央値27.4カ月 (IQR23.1-31.7) において、 DMFS中央値はいずれの群でも未到達であった。
ペムブロリズマブはプラセボに対してDMFSを有意に改善させた (P=0.0029) 。
RFS中央値
ペムブロリズマブ群がプラセボ群に対して低かった。
高血圧
下痢
発疹
自己免疫性肝炎
リパーゼ増加
治療関連死亡は報告されなかった。
ペムブロリズマブによる術後補助療法は、 完全切除されたステージⅡBおよびⅡC悪性黒色腫に対する有効な治療オプションであり、 プラセボに比べてDMFSを有意に改善させた。 また、 ペムブロリズマブの過去の研究と一致した有害事象プロファイルで再発リスクを継続的に減少させることが示された。 ペムブロリズマブの術後補助療法における総合的なベネフィット・リスクが引き続き良好であることが確認された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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