海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

昭和医科大学外科学講座乳腺外科学部門の増田紘子氏らの研究グループは、 日本において、 ホルモン受容体陽性/HER2陰性 (HR+/HER2-) 進行乳癌を有する高齢患者に対する1次治療および2次治療としてパルボシクリブ (PAL) +内分泌療法 (ET) の実臨床における有効性を後ろ向き多施設共同観察試験P-BRIDGEの年齢層別サブグループ解析で評価した。 その結果、 高齢患者において他の年齢層と同等の有効性が示された一方で、 綿密なモニタリングおよび個別化された治療戦略の必要性が示唆された。 本研究はBreast Cancer誌において発表された。
病勢進行がRECISTではなく担当医の判断に基づいて評価されています。 加えて、 75歳以上の症例数が少なく日本の限られた施設でのデータであるため、 結果の一般化には注意が必要です。
📖高齢・PS 2–3患者でもパルボシクリブ+ETは有用 : 日本の単施設後ろ向き研究
PAL+ETはHR+/HER2-進行乳癌の1次治療として推奨されている。 実臨床において広く使用されているにもかかわらず、 日本の高齢患者において有効性を評価した研究はほとんどない。
後ろ向き多施設共同観察試験P-BRIDGEでは、 日本国内で2017~20年にPAL+ETを1次治療または2次治療として開始したHR+/HER2-進行乳癌患者693例を対象として、 治療転帰および治療パターンを年齢層別 (65歳未満、 65歳以上75歳未満、 75歳以上) 別に評価した。
1次治療としてPAL+ETを投与された患者426例のうち、 65歳未満が266例、 65歳以上75歳未満が118例、 75歳以上が42例であった。
PALを125mg/日で開始した患者の割合は、 65歳未満 (95.5%) および65歳以上75歳未満 (88.1%) の患者と比べて、 75歳以上の患者 (64.3%) で低かった。
75歳以上の患者では、 他の年齢層と比べて有害事象 (AE) によるPAL投与中止率が高かった。
無増悪生存期間 (PFS) 中央値は、 65歳未満群が24.5ヵ月 (95%CI 18.2-30.4ヵ月)、 65歳以上75歳未満群が25.7ヵ月 (同6.8-36.7ヵ月)、 75歳以上群が45.4ヵ月 (同20.4-52.4ヵ月) であった。
全生存期間 (OS) 中央値は、 それぞれ68.2ヵ月 (95%CI 65.0ヵ月-NR)、 未到達 (同56.3ヵ月-NR)、 68.0ヵ月 (同45.8ヵ月-NR) であった。
著者らは 「日本の実臨床において、 高齢患者に対するPAL+ETの有効性は他の年齢層と同等であることが示された。 これらの知見は、 高齢患者を含むすべてのHR+/HER2-進行乳癌患者に対する有効な治療選択肢としてPAL+ETを支持する一方で、 特に高齢患者では、 綿密なモニタリングおよび個別化された治療戦略の必要性を示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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