海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Hoffmannらは、 術前療法後に浸潤性病変が残存したHER2陽性早期乳癌患者を対象に、 トラスツズマブ エムタンシン (T-DM1) の有効性・安全性をトラスツズマブ (Tmab) 単独を対照に検討した第Ⅲ相試験KATHERINEの最終解析およびOSの2回目の中間解析の結果を報告。主解析で報告されていた無浸潤生存期間 (IDFS) の改善を7年時も維持していたのに加えて、全生存期間 (OS) の有意な改善を認めたことを示した。 本研究はNEJM誌にて発表された。
ビジュアルアブストラクトのpatientsには何気なく6人の患者像のシェーマが描かれており、 多様性に配慮した印象をもちます。
既報の第Ⅲ相試験KATHERINEの主解析の結果から、 T-DM1術後補助療法は、 Tmab単独療法に比べ、 浸潤性乳癌または死亡のリスクが50%低いことが示された。
今回は、 無浸潤生存期間の最終解析と全生存期間の2回目の中間解析が報告された。
タキサン系化学療法およびTmabを用いた術前療法後に、 乳房または腋窩に浸潤性病変が残存したHER2陽性早期乳癌患者を対象とし、 T-DM1投与群とTmab投与群 (いずれも14サイクル投与) に無作為に割り付けた。
主要評価項目は無浸潤生存期間 (IDFS)、 副次評価項目は全生存期間 (OS) や有害事象発生率とした。
追跡期間中央値は8.4年であった。 IDFS、 OSを以下に示す。
IDFS
T-DM1投与群はTmab投与群に比べ、 浸潤性疾患または死亡リスクを有意に改善した (HR 0.54、 95%CI 0.44-0.66)。 7年IDFS率は、 T-DM1投与群で80.8%、 Tmab投与群で67.1%であった。
OS
T-DM1投与群は死亡リスクを有意に低下させた (HR 0.66、 95%CI 0.51-0.87、 p=0.003)。 7年OS率は、 T-DM1投与群で89.1%、 Tmab投与群で84.4%であった。
グレード3以上の有害事象はT-DM1投与群で26.1%、 Tmab投与群で15.7%であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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