【Lancet】転移性膵管腺癌の1次治療でNALIRIFOXレジメンがOS改善
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1年前

【Lancet】転移性膵管腺癌の1次治療でNALIRIFOXレジメンがOS改善

【Lancet】転移性膵管腺癌の1次治療でNALIRIFOXレジメンがOS改善
Wainbergらは、 未治療の転移性膵管腺癌 (mPDAC) の患者を対象に、 NALIRIFOXレジメン(ナノリポソーム型イリノテカン+フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン)とnab-パクリタキセル+ゲムシタビン併用療法の有効性と安全性を無作為化非盲検第Ⅲ相試験NAPOLI 3で比較。 その結果、 NALIRIFOXレジメンは、 nab-パクリタキセル+ゲムシタビン併用療法と比較し、 全生存期間 (OS) を有意に改善し、 安全性においても差がないことが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。

📘原著論文

NALIRIFOX versus nab-paclitaxel and gemcitabine in treatment-naive patients with metastatic pancreatic ductal adenocarcinoma (NAPOLI 3): a randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet. 2023 Sep 11;S0140-6736(23)01366-1. PMID: 37708904

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

主要評価項目の95%信頼区間が 0.70-0.99と最近の癌研究のRCTにしては僅差の印象ですが、 事前の推定OSがNALIRIFOX群が12ヵ月、 併用療法群が9ヵ月とほぼ予想通りの結果が得られたようです。

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GEM+nab-PTX

背景

膵管腺癌は非常に致死率の高い悪性腫瘍の一つであり、 治療選択肢は限られている。

研究デザイン

対象

未治療のmPDACで全身状態(ECOG PS)が0または1の患者

介入

患者を以下の群に割り付け

  • NALIRIFOX群:ナノリポソーム型イリノテカン50mg/m²、 フルオロウラシル2,400mg/m²、ロイコボリン400mg/m²、オキサリプラチン60mg/m²を46時間かけて連続点滴静注 (28日サイクルの1日目と15日目に投与)
  • 併用療法群:nab-パクリタキセル群 125mg/m²とゲムシタビン1000mg/m²を28日サイクルの1日目、 8日目、 15日目に静脈内投与

主要評価項目

intention-to-treat集団におけるOS

研究結果

主要評価項目

OS中央値

  • NALIRIFOX群:11.1ヵ月 (95%CI 10.0-12.1)
  • 併用療法群:9.2ヵ月 (95%CI 8.3-10.6)
HR 0.83 (95%CI 0.70-0.99、 P=0.036) 

安全性評価

グレード3以上の治療関連有害事象の発現

  • NALIRIFOX群:87%
  • 併用療法群:86%

治療関連死亡

  • NALIRIFOX群:2%
  • 併用療法群:2%

結果の解釈

mPDACの初回治療として、NALIRIFOXレジメンが有効であることが示唆された。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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