海外ジャーナルクラブ
1年前
Wainbergらは、 未治療の転移性膵管腺癌 (mPDAC) の患者を対象に、 NALIRIFOXレジメン(ナノリポソーム型イリノテカン+フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン)とnab-パクリタキセル+ゲムシタビン併用療法の有効性と安全性を無作為化非盲検第Ⅲ相試験NAPOLI 3で比較。 その結果、 NALIRIFOXレジメンは、 nab-パクリタキセル+ゲムシタビン併用療法と比較し、 全生存期間 (OS) を有意に改善し、 安全性においても差がないことが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。
主要評価項目の95%信頼区間が 0.70-0.99と最近の癌研究のRCTにしては僅差の印象ですが、 事前の推定OSがNALIRIFOX群が12ヵ月、 併用療法群が9ヵ月とほぼ予想通りの結果が得られたようです。
膵管腺癌は非常に致死率の高い悪性腫瘍の一つであり、 治療選択肢は限られている。
未治療のmPDACで全身状態(ECOG PS)が0または1の患者
患者を以下の群に割り付け
intention-to-treat集団におけるOS
OS中央値
HR 0.83 (95%CI 0.70-0.99、 P=0.036)
グレード3以上の治療関連有害事象の発現
治療関連死亡
mPDACの初回治療として、NALIRIFOXレジメンが有効であることが示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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