海外ジャーナルクラブ
1年前
Xuanらは、 FLT3-ITD変異陽性急性骨髄性白血病 (AML) の患者を対象に、 同種造血幹細胞移植 (allo-HSCT) 後のソラフェニブ維持療法の有効性を、 非盲検多施設無作為化第Ⅲ相試験の5年間の追跡データに関する事後解析で検討。 その結果、 ソラフェニブ維持療法を行うことで、 長期にわたり再発率が低下し、 生存率を改善することが明らかとなった。 本研究は、 Lancet Haematol誌において発表された。
5年間にわたる長期アウトカムの研究結果です。 ソラフェニブ維持療法の有効性を科学的に証明しています。
FLT3-ITD変異陽性AML患者で、 同種造血幹細胞移植後にソラフェニブ維持療法を行うと、 全生存期間が改善し、 再発率が低下することが知られている。
中国の7施設においてallo-HSCTを受ける18~60歳のFLT3-ITD変異陽性のAML患者
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け。
intention-to-treat集団における全生存期間 (OS)、 再発累積発生率、 非再発死亡率、 無白血病生存期間、 移植片対宿主病無再発生存期間 (GRFS)、 慢性GVHD累積発生率、 晩期障害
追跡期間中央値は60.4ヵ月 (IQR 16.7-73.3ヵ月) 。
追跡期間の延長により、 ソラフェニブ維持療法群は、 対照群と比較してOS、 無白血病生存期間、 GRFSが改善した。
OS
HR 0.55 (95%CI 0.34-0.88、 P=0.011)
無白血病生存期間
HR 0.47 (95%CI 0.30-0.73、 P=0.0007)
GRFS
HR 0.56 (95%CI 0.38-0.83、 P=0.0030)
再発の累積発生率は低く、 非再発死亡率は増加しなかった。
再発の累積発生率
HR 0-33 (95%CI 0.18-0.60、 P=0.0003)
非再発死亡率
HR 0.79 (95%CI 0.39-1.62、 P=0.98)
HR 0.82 (95%CI 0.56-1.19、 P=0.73)
晩期障害にも両群間に実質的な差は認められなかった。
治療に関連した死亡例はなかった。
移植後のソラフェニブ維持療法は、 非維持療法と比較して生存率の改善および再発率の低下と関連し、 FLT3-ITD変異陽性AML患者における移植後標準治療としての重要性がさらに確認された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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