【Lancet Haematol】FLT3-ITD変異陽性AML、allo-HSCT後のソラフェニブ維持療法が有効
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【Lancet Haematol】FLT3-ITD変異陽性AML、allo-HSCT後のソラフェニブ維持療法が有効

【Lancet Haematol】FLT3-ITD変異陽性AML、allo-HSCT後のソラフェニブ維持療法が有効
Xuanらは、 FLT3-ITD変異陽性急性骨髄性白血病 (AML) の患者を対象に、 同種造血幹細胞移植 (allo-HSCT) 後のソラフェニブ維持療法の有効性を、 非盲検多施設無作為化第Ⅲ相試験の5年間の追跡データに関する事後解析で検討。 その結果、 ソラフェニブ維持療法を行うことで、 長期にわたり再発率が低下し、 生存率を改善することが明らかとなった。 本研究は、 Lancet Haematol誌において発表された。 

📘原著論文

Sorafenib maintenance after allogeneic haemopoietic stem-cell transplantation in patients with FLT3-ITD acute myeloid leukaemia: long-term follow-up of an open-label, multicentre, randomised, phase 3 trial. Lancet Haematol. 2023 Aug;10(8):e600-e611. PMID: 37414062

👨‍⚕️監修医師のコメント

5年間にわたる長期アウトカムの研究結果です。 ソラフェニブ維持療法の有効性を科学的に証明しています。

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ソラフェニブ

背景

FLT3-ITD変異陽性AML患者で、 同種造血幹細胞移植後にソラフェニブ維持療法を行うと、 全生存期間が改善し、 再発率が低下することが知られている。

研究デザイン

対象

中国の7施設においてallo-HSCTを受ける18~60歳のFLT3-ITD変異陽性のAML患者

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け。

  • ソラフェニブ維持療法群:100例
移植後30-60日目にソラフェニブ維持療法 (400mgを1日2回経口投与) を実施
  • 非維持療法群:102例

主要評価項目

intention-to-treat集団における全生存期間 (OS)、 再発累積発生率、 非再発死亡率、 無白血病生存期間、 移植片対宿主病無再発生存期間 (GRFS)、 慢性GVHD累積発生率、 晩期障害

研究結果

OS、 無白血病生存期間、 GRFS

追跡期間中央値は60.4ヵ月 (IQR 16.7-73.3ヵ月) 。

追跡期間の延長により、 ソラフェニブ維持療法群は、 対照群と比較してOS、 無白血病生存期間、 GRFSが改善した。

OS

  • ソラフェニブ維持療法群:72.0% (95%CI 62.1-79.7)
  • 非維持療法群:55.9% (95%CI 45.7-64.9)
HR 0.55 (95%CI 0.34-0.88、 P=0.011)

無白血病生存期間

  • ソラフェニブ維持療法群:70.0% (95%CI 60-0-78-0)
  • 非維持療法群:49.0% (95%CI 39.0-58.3)
HR 0.47 (95%CI 0.30-0.73、 P=0.0007)

GRFS

  • ソラフェニブ維持療法群:58.0% (95%CI 47.7-67.0)
  • 非維持療法群:39.2% (95%CI 29.8-48.5)
HR 0.56 (95%CI 0.38-0.83、 P=0.0030)

再発の累積発生率・非再発死亡率

再発の累積発生率は低く、 非再発死亡率は増加しなかった。

再発の累積発生率

  • ソラフェニブ維持療法群:15.0% (95%CI 8.8-22.7%)
  • 非維持療法群:36.3% (95%CI 27.0-45.6%)
HR 0-33 (95%CI 0.18-0.60、 P=0.0003)

非再発死亡率

  • ソラフェニブ維持療法群:15.0% (95%CI 8.8-22.7%)
  • 非維持療法群:14.7% (95%CI 8.6-22.3%)
HR 0.79 (95%CI 0.39-1.62、 P=0.98)

慢性GVHDの5年累積発生率

  • ソラフェニブ維持療法群:54.0% (95%CI 43.7-63.2%)
  • 非維持療法群:51.0% (95%CI 40.8-60.3%)
HR 0.82 (95%CI 0.56-1.19、 P=0.73)

晩期障害

晩期障害にも両群間に実質的な差は認められなかった。

治療に関連した死亡

治療に関連した死亡例はなかった。

結論

移植後のソラフェニブ維持療法は、 非維持療法と比較して生存率の改善および再発率の低下と関連し、 FLT3-ITD変異陽性AML患者における移植後標準治療としての重要性がさらに確認された。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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