メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
24日前
Risk Factors and Outcomes of Hematogenous Vertebral Osteomyelitis in Patients With Staphylococcus aureus Bacteremia
化膿性椎体炎の症例において黄色ブドウ球菌菌血症を合併する状況は少なくなく、 再発率や合併症をきたすことが多いことから、 臨床的に適切なマネジメントは非常に重要な課題です。
本論文は化膿性椎体炎のうち、 特に黄色ブドウ球菌菌血症の有無で臨床的なリスクファクターや治療アプローチ、 予後に関して調査した重要な論文です。
注目すべきは、 約1/4の患者さんが感染性心内膜炎を有していたことから、 特に持続的菌血症をきたした場合や感染経路が不明な場合には積極的な精査が検討されます。
一般的に化膿性椎体炎に対しては、 米国感染症学会(IDSA)ガイドライン¹⁾では最低6週間の治療、 その後の韓国からの研究²⁾では高リスクの患者 (MRSA、 透析患者、 ドレナージされていない膿瘍) は最低8週間の治療の必要性が提唱されています。 中でも黄色ブドウ球菌菌血症合併の化膿性椎体炎は米国筋骨格系感染症学会 (Musculoskeletal Infection Society; MSIS) でたびたび議論になるテーマであり、 最適な治療方針と期間に関しての根拠に乏しいのが現実です。 患者ごとのリスクや重症度、 フォローアップでの症状や所見に基づき、 個別に慎重に判断する必要があります。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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