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30日前

【海外論文】大腸内視鏡検査後の血栓塞栓症リスク、抗血栓薬休薬で増加

Liらは、大腸内視鏡検査後の患者を対象に、 血栓塞栓症リスクと抗血栓薬の中断との関連性を後ろ向きコホート研究で検討した。その結果、2剤以上の抗血栓薬、 クロピドグレル、 ワルファリン、 DOACの中止は、 高リスクの患者において、 大腸内視鏡検査後の血栓塞栓症イベントの発生と関連することが示された。本研究は、Clin Gastroenterol Hepatol誌において発表された。

📘原著論文

IN血栓塞栓症RRUPTION OF ANTI-THROMBOTIC THERAPIES AND RISK OF POST-COLONOSCOPY THROMBOEMBOLIC EVENTS: A REAL-WORLD COHORT STUDY. Clin Gastroenterol Hepatol. 2022 Sep 24;S1542-3565(22)00919-3.PMID: 36167228

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

リアルワールドデータ解析結果から、 高リスク患者において出血と血栓塞栓症のバランスを取ることが重要であると導かれています。つまり、 臨床医に必要な能力の1つはこのバランス感覚を持てるかどうか、 と言えると思います。

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背景

抗血栓薬はポリープ切除後の出血リスクを高める可能性があるが、 抗血栓薬の中断は血栓塞栓症のリスクも高める。

研究デザイン

2016年1月から2021年3月までに大腸内視鏡検査を受けた患者の後ろ向きコホート研究である。異なる患者群における大腸内視鏡検査後の血栓塞栓症イベントの発生率を検討した。評価項目は、 抗血栓薬の服用 (中断あり・なし)、 大腸内視鏡検査の適応、基礎的な血栓塞栓症、出血リスクなど。

研究結果

  • 6,220人の患者の28.2% (1,755名) が抗血栓薬を服用していた。
  • 全患者の0.32% (20名) が血栓塞栓症イベントを発症し、 ポリープ切除術を受けた患者の0.80% (3,134名中25名) が重大な出血エピソードを経験した。
  • 血栓塞栓症イベントに関連した死亡例は0.1% (6名)で、全員が抗血栓薬を服用していた。
  • 血栓塞栓症イベントの発生率が最も高かったのは、抗血小板薬二剤併用療法およびクロピドグレル単剤の治療を受けている患者であった。これに対し、 抗血栓薬を使用していない患者の血栓塞栓症イベントの発生率は0.11%であった。
  • 抗血小板薬二剤併用療法:4.65% (aOR 28.0、95%CI 3.77-142.1)
  • クロピドグレル単剤:2.78% (aOR 12.2、95%CI 2.10-57.0)
  • 2種類以上の抗血栓薬の休止、クロピドグレル、 ワルファリン、直接作用型経口抗凝固薬 (DOAC) の休薬はすべて血栓塞栓症イベントの高いリスクと関連していた。
  • 2種類以上の抗血栓薬の休薬: 4.55% (aOR 22.5, 95%CI 1.09-158.0)
  • クロピドグレルの休薬:3.06% (aOR 15.5, 95%CI 2.86-69.6)
  • ワルファリンの休薬:1. 33% (aOR 6.96, 95%CI 1.14-33.5)
  • DOACの休薬:0.87% (aOR 6.23, 95%CI 1.22-26.8)
  • 血栓塞栓症リスクが高い患者 (aOR 16.8、95%CI 6.33-46.6) は、大腸内視鏡検査後の血栓塞栓症イベント発生率も高いことが示された。

結論

抗血栓薬の一時的な中断、 特に2剤以上の併用療法、 クロピドグレル、 ワルファリン、 DOACの中止は、 高リスク患者において、 大腸内視鏡検査後の血栓塞栓症、 さらには死亡と関連することが示された。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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