海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前

Ngらは、 前立腺癌診断における造影剤不要のバイパラメトリックMRI (bpMRI) について、 マルチパラメトリックMRI (mpMRI) に対する非劣性を、 前立腺癌が疑われる男性を対象に検証した。 その結果、 臨床的意義のある前立腺癌の検出率はbpMRIで29.2%、 mpMRIで29.6%であり、 両群間に差はなく非劣性が検証された。 また、 臨床的意義のない前立腺癌の検出においても差はなかった。 試験結果はJAMA誌に発表された。
本研究は事前最適化されたMRI品質や熟練した読影医に依存しており、 広範な実装には教育・訓練の標準化と品質管理が不可欠です。 また、 費用対効果評価やAI支援の活用が今後の課題となります。
マルチパラメトリックMRI (mpMRI) は、 前立腺生検の有無にかかわらず、 臨床的意義のある前立腺癌の診断手法であり標準的手法となっているが、 医療資源の制約のため普及には限界がある。
ガドリニウム造影を省略したバイパラメトリックMRI (bpMRI) は、 より短時間かつ低コストで実施可能な代替手法として期待されている。 そこで、 前立腺癌診断におけるbpMRIのmpMRIに対する非劣性を評価した。
本研究は、 22施設 (12ヵ国) における前向きな非劣性試験である。 PSA高値および/または直腸診異常により前立腺癌が疑われる生検未経験の男性を対象とした。 登録期間は2022年4月~23年9月だった。
患者は、 T2強調画像、 拡散強調画像、 動的造影 (DCE) 画像を含むmpMRIを受けた。
放射線科医はまずT2強調画像と拡散強調画像のみからなるbpMRIを先に読影し、 その後DCE画像も開示されmpMRIとして再読影した。 いずれかで臨床的意義のある前立腺癌が疑われた場合、 生検を実施した。
主要評価項目は、 臨床的意義のある前立腺癌の割合とし、 副次評価項目は、 臨床的意義のない癌の割合とした。 非劣性マージンは5%と設定した。
555例が登録され、 年齢中央値は65歳、 PSA中央値は5.6ng/mLであった。 直腸診異常所見を有する割合は12.7%であった。
bpMRIのmpMRIに対する非劣性が検証された。
臨床的意義のある前立腺癌の検出率
群間差-0.4%㌽ (95%CI -1.2~0.4、 p=0.50)
臨床的意義のない前立腺癌の検出率は、 bpMRIで9.2%、 mpMRIで9.6%であり、 差は-0.4%㌽(95%CI -1.2~0.4) であった。 なお、 中央読影による品質管理では、 99%の画像が診断に十分な品質であると評価された。
著者らは、 「前立腺癌が疑われる男性において、 画像品質が十分であれば、 bpMRIは前立腺癌診断の新たな標準となり得る。 世界では年間約400万件の前立腺MRIが実施されているが、 bpMRIの導入は、 スキャナーの処理能力を大幅に向上させ、 世界的な医療コストの削減に寄与する可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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