【BMJ】GLP-1受容体作動薬とSGLT-2阻害薬はCOPDの重度増悪リスク軽減と関係
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【BMJ】GLP-1受容体作動薬とSGLT-2阻害薬はCOPDの重度増悪リスク軽減と関係

【BMJ】GLP-1受容体作動薬とSGLT-2阻害薬はCOPDの重度増悪リスク軽減と関係
Pradhanらは、 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) および2型糖尿病を合併した患者を対象に、 GLP-1受容体作動薬、 DPP-4阻害薬、 SGLT2阻害薬の使用とCOPD増悪リスク低減の関係を検討するコホート研究を実施。 その結果、 COPDおよび2型糖尿病合併患者において、 GLP-1受容体作動薬およびSGLT-2阻害薬は、 SU薬と比較して重度増悪リスクの減少と関連していた。 本研究は、 BMJ誌において発表された。

📘原著論文

Novel antihyperglycaemic drugs and prevention of chronic obstructive pulmonary disease exacerbations among patients with type 2 diabetes: population based cohort study. BMJ. 2022 Nov 1;379:e071380.PMID: 36318979

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

GLP-1受容体のCOPDに対する直接的なbiological mechanismが明らかにされていないので、 さらなる研究成果を期待します。 GLP-1関連が現時点ではやはりノーベル賞に最も近い印象を受けます。

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研究デザイン

対象

COPDの既往があり、 試験薬 (GLP-1受容体作動薬、 DPP-4阻害薬、 SGLT-2阻害薬) またはSU薬を開始した患者からなる3つのアクティブコンパレータと新規ユーザーコホートを作成。 
  • 第1集団:GLP-1受容体作動薬:1,252名、 SU薬:14,259名
  • 第2集団:DPP-4阻害剤:8,731名、 SU薬:18,204名
  • 第3集団:SGLT2阻害剤:2956名、 SU薬:10,841名

主要評価項目

薬剤ごとのCOPDの重度増悪 (COPDによる入院と定義) のハザード比 (HR)。

各薬剤が中等度増悪 (同日に外来で急性COPD増悪と診断され、 経口コルチコステロイドと抗生物質を同時に処方されることと定義) のリスク低減に関連しているかどうかも評価。

研究結果

GLP-1受容体作動薬

SU薬と比較し、 重度増悪のリスクを30%、 中等度増悪のリスクを37%減少させていた。 
  • 重度増悪:100人年あたり3.5 vs. 5.0イベント、 HR 0.70、 95%CI 0.49-0.99
  • 中等度増悪:HR 0.63、 95%CI 0.43-0.94

DPP-4阻害剤

重度増悪および中等度増悪のリスクを緩やかに減少させた。 
  • 重度増悪: 100人年あたり4.6 vs. 5.1イベント、 HR 0.91、 95%CI 0.82-1.02
  • 中等度増悪: HR 0.93、 95%CI 0.82-1.07

SGLT-2阻害剤

重度増悪のリスクを38%減少させたが、 中等度増悪のリスク減少には関係しなかった。
  • 重度増悪:100人年当たり2.4 vs. 3.9イベント、 HR:0.62、 95%CI 0.48-0.81
  • 中等度増悪:HR:1.02、 95%CI 0.83-1.27

結論

本集団ベース試験において、 COPDおよび2型糖尿病合併患者において、 GLP-1受容体作動薬およびSGLT-2阻害薬は、 スルホニル尿素薬と比較して重度増悪のリスクを減少した。 DPP-4阻害剤は、 COPD増悪のリスクを減少させなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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