海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Drilonらは、 ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 ROS1チロシンキナーゼ阻害薬 (ROS1阻害薬) レポトレクチニブの有効性と安全性を第Ⅰ/Ⅱ相試験TRIDENT-1で検討した。 その結果、 レポトレクチニブは、 ROS1阻害薬による治療歴の有無にかかわらず、 持続的な臨床活性を示した。 本研究はNEJM誌において発表された。
本研究結果から、 中枢神経活性型の次世代ROS1 TKIに注目が集まります。
初期世代のROS1阻害薬は、 抗腫瘍活性を持つが耐性腫瘍が発現し、 頭蓋内での活性は十分ではない。 レポトレクチニブは次世代のROS1
阻害薬であり、 ROS1 G2032Rのような耐性変異陽性癌を含むROS1融合陽性癌に対する活性が前臨床試験において確認されている。
ROS1融合遺伝子陽性NSCLCを含む進行固形癌患者
レポトレクチニブの投与
客観的奏効
奏効期間 (DOR)、 無増悪生存期間 (PFS)、 安全性
ROS1阻害薬による治療歴のないROS1融合遺伝子陽性NSCLC患者
ROS1阻害薬による治療歴があり、 化学療法歴のないROS1融合遺伝子陽性NSCLC患者
ROS1 G2032R変異陽性患者
発現頻度の高かった治療関連有害事象
有害事象に伴うレポトレクチニブの中止
3%の患者においてレポトレクチニブによる治療が中止された。
レポトレクチニブは、 ROS1阻害薬の治療歴の有無にかかわらず、 ROS1融合遺伝子陽性のNSCLC患者において持続的な臨床活性を示した。 有害事象は低グレードのものが主で、 管理しながらの長期投与に耐え得るものであった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。