HOKUTO編集部
1年前
局所進行直腸癌に対する直腸間膜全切除(TME)の術前補助療法において、 FOLFOX療法+選択的CRT併用のCRT単独群に対する非劣性を検証する多施設共同非盲検第Ⅲ相ランダム化比較試験PROSPECTの結果から、 無病生存期間(DFS)における非劣性が示された。
2023年6月2~6日に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2023)において、 米・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのDeborah Schrag氏が発表した。 同試験の詳細は、 NEJM(2023年6月4日オンライン版)に同時掲載された。
局所進行直腸癌(cT2N+、 cT3N-、 cT3N+)患者1,194例(うち1,128例が治療開始)を、 以下の2つの群に1:1でランダムに割り付けた。
FOLFOX(5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン)療法を6サイクル後、以下ならCRT施行
骨盤内照射(5,040cGy)+カペシタビンまたは5-FU併用(5.5週)
追跡期間中央値58カ月
5年DFS率(95%CI)
HR 0.92(90.2%CI 0.74-1.14)、 P=0.005
事前に設定された非劣性マージンは1.29。
※ 年齢およびリンパ節転移の有無を調整後のHR 0.90(90.2%CI 0.73-1.13)
5年無局所再発生存率
HR 1.18、 95%CI 0.44-3.16
5年OS率
HR 1.04、95%CI 0.74-1.44
術前補助療法関連のAE、 また術後補助療法関連のAE(いずれもグレード3以上)の発現率は以下の通り。
TMEが適応となる局所進行直腸癌に対し、 術前のFOLFOX療法+選択的CRTは、 安全かつ有効な治療オプションとなりうる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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