寄稿ライター
1年前
英語のプレゼンテーションは国内の学会でも一般的になり、 その重要度は増している。 メッセージを効果的に伝えるためにどうしたらいいのか。 近畿大特任教授の光冨徹哉先生に極意を聞いた。 連載最終回のテーマは 「日本人は皆苦手?Q&Aを乗り切るスキル」 。
皆さんが一番不安に感じるのは、 発表後のQ&A、 discussionではないでしょうか。 発表のスピーチがうまくいっても、 ここでつまずいてしまっては台無しになってしまいます。
Q&Aの対応力を向上させるには、 身も蓋もないですが、 練習に練習を重ねるしかありません。 効果的な練習の一つは想定問答です。 皆さんやられていると思いますが、 想定される質問をあらかじめ自分で、 もしくは同僚に頼んで用意しておき、 答えられる回答を用意してもくものです。
発表当日は 「沈黙したら負け」 と心得ましょう。 答えに窮して固まってしまい、 座長はともかく共同演者から助け舟を出してもらうという事態は避けたいたいところです。
とはいえ、 想定外の質問が飛んできたり、 英語が聞き取れなかったりすることもあります。 そういった非常事態を切り抜ける策をご紹介します。 例えば、
などが挙げられます。 自分の回答に自信がない場合、 「Did I answer your question?」とフォローをいれたり、 「Let’s discuss it on the floor after the session」 とその場をおさめたりして、乗り切りましょう。
ただ、 質問の意味がわからないのは、 質問者に問題があることもあります。 「聞き取れずどうしよう」 と卑屈になる必要はなく、 質問者に 「違う聞き方をしてくれないか」 などと聞き返す精神的余裕も持ちたいところです。
大きな会場では音響が悪くて聞き取りにくいということもあります。 質問が聞き取れないのはあなただけの責任ではないのです。
最後に質問によっては発表者が知る由もなく、 答えられない質問もあります。 シンプルに 「I don’t know」 と質問を断ち切り、 質問と直接関係がないかもしれない take home messageを語るという手もありでしょう。
海外のエキスパートの先生でも、 質問に対する答えは10秒で終わっているのに、 その後3分くらい話し続けるような場面を見たことがあるのではないでしょうか。
万が一の事態でも堂々とした態度で臨めば、 案外切り抜けられるものです。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。