海外ジャーナルクラブ
1年前
Ren氏は、 妊娠中の女性を対象に、 猛暑が早産 (PTB) のリスクに及ぼす影響をコホート研究で検討。 その結果、 猛暑イベントにさらされることでPTBリスクが増加し、 早期警告システムにより猛暑イベントを回避できれば15~17%のPTBを回避できたことが示唆された。 本研究はLancet Reg Health West Pac誌において発表された。
こういう気候と健康の関連の最大のlimitationは個人の暴露、 つまり生活様式、 エアコンの使用の有無などは全く調整できずにマクロとして捉えざるを得ない、 ということです。
猛暑イベントはPTBのリスクを増加させ、 その閾値を特定することは妊婦の早期警告システム開発と公衆衛生上の対応に貢献する。 しかし、 これまでにリスクを引き起こすイベントの閾値は特定されていない。
2014~18年に中国の8省で出生した21万798例の単胎生児
一連のカットオフ気温強度 (50~97.5パーセンタイル、 または18~35℃) と持続時間 (少なくとも1日、 2日、 3日、 4日、 または5日連続) を用いて、 暑熱イベントを定義した。 Cox回帰モデルを用いて、 全妊娠期間中のさまざまな妊娠週におけるPTBに対する暑熱イベントの影響を推定し、 集団帰属分率を計算してイベントの閾値を決定した。
PTBに対する猛暑イベント曝露のHRは1.07 (95%CI 1.00-1.13) から1.43 (95%CI 1.15-1.77) の範囲であった。
猛暑イベント曝露の悪影響は、 妊娠週数1~4週、 21~32週、 分娩前4週で顕著に検出された。
猛暑イベントの閾値は、 1日の最高気温が分布の90パーセンタイルまたは30℃が少なくとも1日続くこととした。
妊婦がこれらの閾値によって作動する早期警告システムにより猛暑イベントを避けることができたならば、 PTB総症例数の約15~17%が回避できたと推測される。
猛暑イベントへの曝露は、 特定の強度と持続時間の閾値を超えた場合、 特に妊娠初期と中期から出産直前の間にPTBリスクを増加させる可能性がある。 本研究は妊婦のための早期警告システムの開発を支持する十分な根拠を提供する。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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