【JAMA Neurol】関節リウマチの血清反応陽性でパーキンソン病のリスク増加
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Neurol】関節リウマチの血清反応陽性でパーキンソン病のリスク増加

【JAMA Neurol】関節リウマチの血清反応陽性でパーキンソン病のリスク増加
Jihunらは、 関節リウマチ (RA) とその後のパーキンソン病 (PD) リスクとの関連性を後ろ向きコホート研究で検討。  その結果、 RAがPDのリスク増加と関連し、 特に血清反応陽性のRA (SPRA) においてPDリスクが増加した。  本研究はJAMA Neurol誌において発表された。  

📘原著論文

Rheumatoid Arthritis and Risk of Parkinson Disease in Korea. JAMA Neurol. 2023 May 1;e230932. PMID: 37126341

👨‍⚕️監修医師のコメント

観察研究にしてはabstractの結論の語調が強すぎな感があり、 本文の結論も確認しましたが、 同じ記載でした。 これは、 パーキンソン病が根本的な治療薬は今なお存在せず、 早期に専門家への紹介が必要なことも関連していると思います。

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背景

RAによる慢性炎症がPDの発症に寄与すると考えられているが、 これら2つの疾患の関連はまだ明らかになっていない。

研究デザイン

対象

韓国の国民健康保険サービスのデータベースを用いて、 特定した5万4,680例のリウマチ患者

  • SPRA: 3万9,010例
  • 血清反応陰性 (SN) RA:1万5,670例
  • 対照群:27万3,400例 (年齢性別を基に1:5の割合でマッチ)

介入

  • SPRAはM05、 SNRAはM06 (M06.1、 M06.4を除く) のICD10コードで定義される関節リウマチ、 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の処方
  • 韓国の希少難病プログラムへの登録

主要評価項目

新たに診断されたPD

研究結果

PDの発症

分析した32万8,080例から1,093人がPDを発症した。

  • RA群:290例
  • 対照群:803例

RAとPDリスクの関係

RA群のPDリスクは対照群に対して1.74倍高かった。

95%CI 1.52-1.99

PDリスクの増加

PDリスクの増加は、 SPRA患者で認められたが、 SNRA患者では見られなかった。

  • SPRA:aHR 1.95、 95%CI 1.68-2.26
  • SNRA:aHR 1.20、 95%CI 0.91-1.57

SNRA群とSPRA群のPDリスク

SNRA群と比較して、 SPRA群の患者はPDリスクが高かった。

aHR 1.61、 95%CI 1.20-2.16

PDリスクに関する交互作用

PDリスクに関する有意な交互作用を認めた変数はなかった。

結論

RAはPDのリスク増加と関連し、 SPRAはPDのリスクを増大させた。 この結果は、 医師がRA患者におけるPDのリスク増加を認識し、 滑膜炎を伴わないPDの初期運動症状の発現時に速やかに神経科医に患者を紹介すべきことを示唆している。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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