海外ジャーナルクラブ
18日前

Bundgaardらは、 臨床的に安定した左心系感染性心内膜炎の成人508例を対象に、 抗菌薬の投与期間を治療反応に応じて短縮する戦略を標準治療と比較する国際共同無作為化比較試験POET IIを実施した。 短縮群では、 抗菌薬治療を受けずに生存した日数が有意に長く、 全死亡・予定外の心臓手術・症候性塞栓イベントの複合評価でも非劣性が示された一方、 菌血症または感染性心内膜炎の再発率は高かった。 試験結果はN Engl J Med誌に掲載され、 2026年8月28~31日に開催された欧州心臓病学会 (ESC 2026) でも報告された。
対象菌はS. aureus、 E. faecalis、 Streptococcus属に限定されており、 稀な起因菌による感染性心内膜炎への一般化には限界があります。 ただし、 これら3菌群で全感染性心内膜炎の約70%を占めます。
左心系の感染性心内膜炎に対する抗菌薬の投与期間を最長6週間とする現行の推奨は、 主に専門家のコンセンサスに基づいたものである。 一方、 治療反応に応じて投与期間を調整する戦略で抗菌薬の投与期間を短縮できるか、 そのような戦略が安全であるかは不明である。
本試験の対象は、 Staphylococcus aureus、 Enterococcus faecalis、 レンサ球菌属を起因菌とする左心系の感染性心内膜炎で、 臨床的に安定した状態にある成人である。 無作為化前に全例が事前に規定された2~4週間以上の抗菌薬治療を受け、 臨床的安定化の基準を満たしていた。以下の2群に無作為に割り付け後、 短縮群では抗菌薬治療を中止し、 標準期間群では標準治療を継続した (総治療期間4~6週間)。
有効性の主要評価項目は、 無作為化後6ヵ月以内に感染性心内膜炎または菌血症に対する抗菌薬治療を受けずに生存した日数とし、 優越性を検証した。 一方、 安全性の主要評価項目は、 無作為化後6ヵ月以内の全死亡、 予定外の心臓手術、 症候性の塞栓イベントの複合とし、 非劣性を検証した (非劣性マージン7.5%㌽)。 主要な副次評価項目は菌血症または感染性心内膜炎の再発とした。
抗菌薬治療を受けずに生存した日数の中央値は、 標準期間群の169日 (四分位範囲 (IQR) 166-171)に比べて、 短縮群では183日 (IQR 181-183) と長かった (Hodges-Lehmann推定差13日, 95% CI 12-13, p<0.001, 優越性検定)。
安全性の主要評価項目は、 短縮群の21例 (8.2%)、 標準期間群の27例 (10.7%) で発生した。 群間差は-2.4%㌽ (95% CI -7.7~2.7) で、 95% CIの上限が事前に規定した非劣性マージンの7.5%㌽を下回ったことから、 短縮群の標準期間群に対する非劣性が示された (非劣性p<0.001)。
菌血症または感染性心内膜炎の再発は、 短縮群で13例 (5.1%)、 標準期間群で4例 (1.6%) に発生し、 再発率は標準期間群と比べて短縮群で高かった (p=0.04)。
著者らは、 「臨床的に安定した左心系の感染性心内膜炎において、 抗菌薬の標準期間治療と比べて治療反応に応じて抗菌薬の投与期間を調整する戦略は、 抗菌薬治療を受けずに生存する期間を延長し、 安全性について非劣性の基準を満たした。 一方、 菌血症または感染性心内膜炎の再発率は高かった」 と結論付けている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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