日本癌治療学会
9日前
医師のキャリアが多様化するなか、 オンコロジストとしての道をなぜ選んだのか――。 浜松医科大外科学第二講座・診療助教の羽田綾馬先生 (専門領域・上部消化管外科) に話を聞きました。
――医師を志したきっかけを教えて下さい。
「3歳の頃にペルテス病という整形外科の病気を患ったことがきっかけです。 珍しい疾患のため地元・浜松市内で診てくれる病院が遠方しかなく、 両親と車で通ったことを覚えています。 無事に完治した際、 両親が医師に何度も感謝している姿が強く印象に残っており、 自分も困っている人の助けになれる存在になりたいと思いました」
――消化器外科を選択した理由を教えて下さい。
「浜松医科大学に進学し、 実習で病院を回るうちに、 患者さんの診断・治療まで一貫して関わるような診療にとても面白さを感じました。 『将来は全身を診られる医師になりたい』という思いが芽生えました」
「その思いは初期研修でより強くなりました。 最初に回ったのが救急科で、 ICUの重症患者を診る中で、 呼吸や代謝、 電解質、 感染管理など、 とにかく全身を診ることにのめり込みました。 手を動かすことも好きなので、 心臓血管外科も迷いましたが、 最終的に消化器外科を選んだのは、 がんや急性疾患もあり、 手術だけでなく化学療法もある。 さまざまな治療を通じて『患者さんの人生に1から10まで関われる』という実感がありました」
――オンコロジーと研究に力を入れている理由を教えて下さい。
「初期研修後は浜松医科大学外科学第二講座の関連病院で3年間、 (現在の専門領域である) 上部消化管はもちろん、 下部消化管、 肝胆膵、 乳腺、 小児、 外傷など幅広い外科疾患を網羅的に経験しました。 ある程度自分の型ができてきたタイミング、 卒後6年目で大学に戻った際、 第二講座の教授である竹内裕也先生が『面白いことを考え、 実行していく』ことを掲げ、 同講座の先輩が日々の診療に疑問を持ち、 改善や発展を生み出す姿勢に感銘を受けたんです」
「上部消化管グループで研鑽を積む中、 日々診療している疾患、 特に食道癌は未だ予後不良であり、 オンコロジストが直面している課題は多く、 自分たちが新たな治療を作っていける伸び代とそれに対するやりがいを感じました」
「同時に、 研究や学会、 全国規模の臨床試験にも触れる機会を得ました。 日本臨床腫瘍グループ(JCOG)をはじめとする臨床研究に参加する一方、 大学内で基礎研究も進めており、 医工連携などで医学以外の分野とも係わっている先輩の姿に圧倒されました。 それまで目の前の臨床一辺倒でしたが、 広く医療の発展に貢献できる研究の道があると知り、 大学院に進みました」
――今後の目標を教えて下さい。
「臨床と研究のバランスを取りながら、 学術的な発信力を高めていきたいです。 そのためには学会活動は有意義だと思います」
「他施設の先生方の治療方針や手技を知ることができ、 同世代の外科医が活躍している姿を見るのもとても刺激になります。 日本全体の医療がどんな方向に向かっているのかを肌で感じ、 自分の価値観や世界観を広げられますね」
日本癌治療学会に入会を希望される方は、下記より入会手順をご確認ください。
以下のような学会入会特典がございます。
①学術集会での研究発表
本学会学術集会に演題の応募ができ研究成果を発表することができます。
②学術集会への参加
会員は学術集会へは会員価格で参加することができます。
③機関誌の無料閲覧
IJCOおよびICCJの全文を無料で閲覧可能です。
④会員限定の情報提供
会員専用ページ 「myがんち」に登録したメールアドレスにお送りするメルマガを通じてがん治療についての最新情報が得られます。 また、 会員専用ページ 「myがんち」にてオンライン版会員名簿サービスで会員の検索ができます。
⑤学会提携クレジットカードの発行
このカードを利用することにより、 本学会年会費をカード決済口座から、 手数料無料で引き落とすことができます。
⑥ネットワークの構築
国内外の専門家との交流を深め、 臨床や研究の発展につなげる機会を提供いたします。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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