海外ジャーナルクラブ
2年前
Thieblemontらは、 再発または難治性のCD20⁺大細胞型B細胞リンパ腫患者 (LBCL) を対象に、 CD3xCD20二重特異性T細胞誘導二重特異性抗体epcoritamabの有効性を用量拡大第I/II相試験で検討。 その結果、 epcoritamabは、 高度難治性LBCL患者において、 深く持続的奏効と管理可能な安全性を示した。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
Nature reviewsに本研究に対するコメントが掲載されていますが、 今後の長期フォローアップデータに期待が寄せられています。
Epcoritamab は、 CD3xCD20 T 細胞を活性化する二重特異性抗体で、 皮下投与により T 細胞を活性化し、 悪性 CD20⁺B 細胞の殺傷を誘導する。 Epcoritamabの単剤投与により、 B細胞性非ホジキンリンパ腫のサブタイプにおいて、 用量漸増で強力な抗腫瘍活性が確認された。
再発または難治性で2回以上の治療歴を持つCD20⁺LBCLの成人患者
28日周期でepcoritamab皮下投与:第1サイクル第1~3週は週1回のステップアップ用量、 第3サイクルまでは週1回のフル用量、 第4~9サイクルは2週ごと、 10サイクル以降4週ごと
独立審査委員会による全奏効率
追跡調査期間中央値10.7カ月で、 全奏効率は63.1% (95%CI 55.0-70.6%)、 完全奏効率は38.9% (同31.2-46.9%) であった。
奏効期間中央値は12.0カ月であり、 完全奏効群では未到達であった。
全奏効率および完全奏効率は、 事前に規定された主要なサブグループ間で同様であった。
サイトカイン放出症候群:49.7%
発熱:23.6%
疲労:22.9%
免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群は、 患者の6.4%に発生し、 1例が死亡した。
Epcoritamabの皮下投与により、 CAR-T細胞への曝露経験がある患者を含む高度難治性LBCL患者において、 高い奏効と持続的な奏効、 管理可能な安全性が得られた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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