ソラフェニブ投与歴のあるAFP≧400ng/mLの進行肝細胞癌患者において、 ラムシルマブの効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験REACH-2の結果より、 全生存期間 (OS) における有効性が示された。
原著論文
▼解析結果
Ramucirumab after sorafenib in patients with advanced hepatocellular carcinoma and increased α-fetoprotein concentrations (REACH-2): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2019 Feb;20(2):282-296. PMID: 30665869
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REACH-2試験の概要
対象
- ソラフェニブ不応・不耐の進行肝細胞癌患者
- Child-Pugh分類A、 AFP≧400ng/mL
方法
292例を以下の2群に2:1で割り付けた
ラムシルマブ8mg/kgを14日毎に投与
プラセボを14日毎に投与
評価項目
- 主要評価項目:OS
- 副次評価項目:無増悪生存期間 (PFS) 、 奏効率 (ORR) 、 無増悪期間 (TTP) 、 患者報告アウトカム*、 安全性
*Functional Assessment of Cancer Therapy Hepatobiliary Symptom Index 8 (FHSI-8) を用いて評価
REACH-2試験の結果
患者背景
- 両群間で同様であった。
- 年齢中央値は64歳、 男性は78~83%、 アジア人は47~52%、 AFP値 (中央値) は2741~3920ng/mL、 前治療のソラフェニブ投与期間 (中央値) は4.1ヵ月
追跡期間中央値
7.6ヵ月
OS中央値
(95%CI 7.0-10.6ヵ月)
(95%CI 5.4-9.1ヵ月)
HR 0.710 (95%CI 0.531-0.949)、 p=0.0199
PFS中央値
(95%CI 2.8-4.1ヵ月)
(95%CI 1.5-2.7ヵ月)
HR 0.452 (95%CI 0.339-0.603)、 p<0.0001
TTP中央値
(95%CI 2.8-4.2ヵ月)
(95%CI 1.5-2.7ヵ月)
HR 0.427 (95%CI 0.313-0.582)、 p<0.0001
ORR
(95%CI 1.7-7.5%)
(95%CI 0.0-3.1%)
p=0.1697
病勢コントロール率
(95%CI 53.1-66.7%)
(95%CI 29.1-48.8%)
p=0.0006
患者報告アウトカム (FHSI-8スコア悪化までの期間中央値)
(95%CI 2.8-4.4ヵ月)
(95%CI 1.6-2.9ヵ月)
HR 0.799 (95%CI 0.545-1.171)、 p=0.238
有害事象 (AE)
- 治療期間中央値はラムシルマブ群で12週間、 プラセボ群で8週間であった。
- AEによる治療中止 (18%vs11%) または治療関連AEによる治療中止 (11% vs 3%) は、 プラセボ群よりもラムシルマブ群で多く見られた。
- グレードを問わない治療関連AEは、 ラムシルマブ群11%、 プラセボ群5%に認められた。
著者らの結論
ソラフェニブ投与歴のあるAFP≧400ng/mLの進行肝細胞癌患者において、 ラムシルマブ投与はプラセボと比較し、 OSを有意に延長させることが示された。