海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前

Gillmoreらは、 遺伝性トランスサイレチン型アミロイドポリニューロパチー (ATTRv-PN) 患者を対象に、 新規遺伝子治療薬nexiguran ziclumeran (nex-z) の第Ⅰ相試験を実施した。 その結果、 nex-zの単回投与が、 血清トランスサイレチン (TTR) 濃度を迅速かつ持続的に低下させることが明らかとなった。 本研究はNEJM誌において発表された。
TTR抑制の長期影響は完全には解明されていないため、 現在、 治療後少なくとも15年間追跡予定の長期フォローアップ試験でnex-z投与患者の経過観察が継続中とのことです。
ATTRv-PNは、 希少かつ多臓器性、 進行性、 消耗性、 致死性の疾患であり、 ミスフォールドしたTTRが末梢神経に組織沈着することを特徴とする。 nex-zは、 CRISPR-Cas9技術を利用して肝細胞内のTTR遺伝子を一度の投与で恒久的に不活化し、 根治的な治療を目指す初のin vivo遺伝子編集治療として期待されている。
対象はATTRv-PN患者であり、 nex-zを1回投与した。 主要評価項目は、 nex-zの安全性および薬力学の評価だった。 副次評価項目は、 家族性アミロイドポリニューロパチー (FAP) ステージ変化、 多発ニューロパチー障害スコア、 修正BMI (体重/身長²×アルブミン値)、 血清ニューロフィラメント軽鎖 (NfL) 濃度、 修正版Neuropathy Impairment Score+7 (mNIS+7) だった。
36例がnex-zの投与を受け、 平均追跡期間は27ヵ月だった。 投与28日後の血清TTR値のベースラインからの平均変化率は-90%であり、 その効果は24ヵ月 (-92%) まで持続した。
治療関連の有害事象 (AE) は、 インフュージョンリアクション (21例)、 TSH上昇・臨床的甲状腺機能低下を伴わないサイロキシン値の低下 (8例)、 および頭痛 (4例) などだった。 重篤な有害事象は11例に発生し、 うち1例が心アミロイドーシスにより死亡、 1例が運動機能悪化により中止した。
24か月時点で家族性アミロイドポリニューロパチー (FAP) ステージは29例で安定、 2例で改善、 2例で悪化し、 多発ニューロパチー障害スコアも27例で安定、 5例で改善、 2例で悪化した。
血清NfL値の平均変化量は-9.0 pg/mL、 修正BMIは+24.7だった。 また、 神経障害の重症度を示すmNIS+7スコアは平均で-8.5点変化し、 症状の改善が示唆された。
著者らは、 「ATTRv-PN患者におけるnex-zの単回投与は、 血清TTR値の迅速、 強力、 かつ持続的な低下と関連していた。 本試験の結果は、 ATTRv-PNを治療するためのnex-zのさらなる研究を支持するものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。