【NEJM】GIP/GLP-1共受容体作動薬 チルゼパチドの週1回投与で大幅な体重減少
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2年前

【NEJM】GIP/GLP-1共受容体作動薬 チルゼパチドの週1回投与で大幅な体重減少

【NEJM】GIP/GLP-1共受容体作動薬 チルゼパチドの週1回投与で大幅な体重減少
Jastreboff AMらは、 BMI 30以上、 または糖尿病を除く体重関連の合併症を持つBMI 27以上の成人患者を対象に、 GIP/GLP-1共受容体作動薬チルゼパチドの肥満症に対する有効性を検討する第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験を実施 (SURMOUNT-1試験). 結果、 週1回のチルゼパチド投与により、 体重を大幅かつ持続的に減少させることが明らかになった. 本研究はNEJM誌において発表された.

背景

肥満症に対するGIP/GLP-1共受容体作動薬チルゼパチドの有効性および安全性は不明である.

研究デザイン

  • 対象は、 BMI 30以上、 または糖尿病を除く体重関連の合併症が少なくとも一つあるBMI 27以上の成人患者2,539名とした.
  • チルゼパチド群 (週1回皮下投与 : 5mg、10mg、15mg) とプラセボ群に割り付けた.
  • 20週の用量漸増期間を含め72週間投与した.
  • 評価項目は、 ベースラインからの体重変化率および5%以上の体重減少とした.

研究結果

ベースライン時平均体重は104.8kg、 平均BMIは38.0で、 参加者の94.5%がBMI30以上であった.

有効性評価

72週目の体重の平均変化率

  • 週5mg投与群:-15.0% (95%CI -15.9~-14.2)
  • 週10mg投与群:-19.5% (-20.4~-18.5)
  • 週15mg投与群:-20.9% (-21.8~-19.9)
  • プラセボ群:-3.1% (-4.3~-1.9)
  • (プラセボとの比較はすべてP<0.001)

体重が 5%以上減少した患者の割合

  • 週5 mg投与群:85% (82~89)
  • 週10 mg投与群:89% (86~92)
  • 週15 mg投与群:91% (88~94)
  • プラセボ群:35% (30~39)
  • (プラセボとの比較はすべてP<0.001)

体重が 20%以上減少した患者割合

  • 週5 mg投与群:35% (30~39)
  • 週10mg投与群:50% (46~54)
  • 週15mg投与群:57% (53~61)
  • プラセボ群:3% (1~5)
  • (プラセボとの比較はすべてP<0.001)

また、 事前に規定したすべての心代謝系指標の改善が、 チルゼパチドにより認められた.

有害性評価

  • 消化器系で軽度から中等度の有害事象が確認され、 用量漸増時に発生した.
  • 有害事象による治療中止
  • 週5mg投与群:4.3%
  • 週10mg投与群:7.1%
  • 週15mg投与群:6.2%、
  • プラセボ群:2.6%

結論

週1回投与のチルゼパチド5mg、 10mg、 15mgは、 体重を大幅にかつ持続的に減少させることができた.

原著

Jastreboff AM, et al, Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. N Engl J Med. 2022 Jun 4. doi: 10.1056/NEJMoa2206038. PMID: 35658024

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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