【NEJM】肝線維化を伴うNASHに対しresmetiromが有望
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海外ジャーナルクラブ

9ヶ月前

【NEJM】肝線維化を伴うNASHに対しresmetiromが有望

【NEJM】肝線維化を伴うNASHに対しresmetiromが有望
Harrisonらは、 肝線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) 患者を対象に、 甲状腺ホルモン受容体β作動薬resmetiromの有効性を第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験MAESTRO-NASHで検討した。 その結果、 resmetiromの80mgと100mgの投与はプラセボと比較し、 NASH消失と肝線維化進展度の1以上の改善に関して優れていることが示された。 本研究は、 NEJM誌において発表された。

📘原著論文

A Phase 3, Randomized, Controlled Trial of Resmetirom in NASH with Liver Fibrosis. N Engl J Med. 2024 Feb 8;390(6):497-509. PMID: 38324483

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

長期アウトカムが不明である点と臨床的な転帰が不明である点がlimitationと言えますが、 圧倒的にpositive impactの方が強い結果です。

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FIB-4 index

肝線維化のリスク評価

NAFLD線維化スコア (NFS)

非アルコール性脂肪性肝疾患の肝線維化リスク

背景

NASHは進行性の肝疾患であり、 現在承認された治療薬は存在しない。 Resmetiromは、 肝指向性の経口選択的甲状腺ホルモン受容体β作動薬であり、 肝線維化を伴うNASHの治療薬として開発中である。

研究デザイン

対象

肝生検でNASHと診断され、 肝線維化進展度がF1B、 F2、 F3の成人患者

介入

患者を以下の群に1 : 1 : 1の割合で無作為に割り付けた。

  • Resmetirom 80mg群 : 322例
Resmetirom 80mgを1日1回投与
  • Resmetirom 100mg群 : 323例
Resmetirom 100mgを1日1回投与
  • プラセボ群 : 321例

主要評価項目

52週時点の肝線維化の進展を伴わないNASH消失、 NAFLD活動性スコアの悪化を伴わない肝線維化進展度の1以上の改善

研究結果

有効性評価

肝線維化の進展を伴わないNASH消失

  • Resmetirom 80mg群 : 25.9%
  • Resmetirom 100mg群 : 29.9%
  • プラセボ群 : 9.7%
プラセボ群と比較した両resmetirom群のp<0.001

肝線維化進展度の1以上の改善

  • Resmetirom 80mg群 : 24.2%
  • Resmetirom 100mg群 : 25.9%
  • プラセボ群 : 14.2%
プラセボ群と比較した両resmetirom群のp<0.001

LDLコレステロール値のベースラインから24週までの変化量

  • Resmetirom 80mg群 : -13.6%
  • Resmetirom 100mg群 : -16.3%
  • プラセボ群 : +0.1%
プラセボ群と比較した両resmetirom群のp<0.001

安全性評価

下痢・悪心の頻度

Resmetirom群のほうがプラセボ群よりも高かった。

重篤な有害事象の発現率

3群間で同程度であった。

  • Resmetirom 80mg群: 10.9%
  • Resmetirom 100mg群 : 12.7%
  • プラセボ群 : 11.5%

結論

Resmetiromの80mgおよび100mg投与は、 プラセボと比較してNASH消失および肝線維化進展度の1以上の改善に関して優れていることが示された。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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