海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
Harrisonらは、 肝線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) 患者を対象に、 甲状腺ホルモン受容体β作動薬resmetiromの有効性を第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験MAESTRO-NASHで検討した。 その結果、 resmetiromの80mgと100mgの投与はプラセボと比較し、 NASH消失と肝線維化進展度の1以上の改善に関して優れていることが示された。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
長期アウトカムが不明である点と臨床的な転帰が不明である点がlimitationと言えますが、 圧倒的にpositive impactの方が強い結果です。
NASHは進行性の肝疾患であり、 現在承認された治療薬は存在しない。 Resmetiromは、 肝指向性の経口選択的甲状腺ホルモン受容体β作動薬であり、 肝線維化を伴うNASHの治療薬として開発中である。
肝生検でNASHと診断され、 肝線維化進展度がF1B、 F2、 F3の成人患者
患者を以下の群に1 : 1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
52週時点の肝線維化の進展を伴わないNASH消失、 NAFLD活動性スコアの悪化を伴わない肝線維化進展度の1以上の改善
肝線維化の進展を伴わないNASH消失
プラセボ群と比較した両resmetirom群のp<0.001
肝線維化進展度の1以上の改善
プラセボ群と比較した両resmetirom群のp<0.001
LDLコレステロール値のベースラインから24週までの変化量
プラセボ群と比較した両resmetirom群のp<0.001
下痢・悪心の頻度
Resmetirom群のほうがプラセボ群よりも高かった。
重篤な有害事象の発現率
3群間で同程度であった。
Resmetiromの80mgおよび100mg投与は、 プラセボと比較してNASH消失および肝線維化進展度の1以上の改善に関して優れていることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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