海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Gupta氏らは50~75歳の中高年を対象に、 食事から摂取する塩分量が血圧に与える影響について、 クロスオーバー試験CARDIA-SSBPで検討した。 その結果、 低塩分食の1週間摂取は高塩分食の1週間摂取と比較して血圧を有意に低下させ、 かつ血圧低下は高血圧症の有無や降圧薬の服用とは無関係であることが示された。 本研究はJAMA誌において発表された。
Effect of Dietary Sodium on Blood Pressure: A Crossover Trial
塩分制限食が通常1日あたり6g未満ですので、 本研究の低塩分食 (1日の塩分0.5g) というのは極端に塩分が少ないです。 純粋にメニューが気になります。
推奨塩分摂取量に関しては、 塩分摂取量に対する血圧反応に個人差があることが議論されている。 さらに、 降圧薬服用患者における塩分摂取の血圧への影響については十分な研究がなされていない。
収縮期血圧が90-160mmHg、 または拡張期血圧が50-100mmHgの50~75歳 (計213例)
対象者を以下の通り2群に割り付け、 両群とも高塩分食と低塩分食を1週間ずつ摂取した。
24時間自由行動下血圧測定 (ABPM) による収縮期/拡張期血圧の平均値、 平均動脈圧の個人内変化、 脈圧
第1週の食事介入終了時の収縮期血圧平均値は、 高塩分食摂取群に比較して低塩分食摂取群で8mmHg有意に減少した。
p<0.001
高塩分食摂取時と低塩分食摂取間における平均動脈圧の個人内変化の中央値は 4mmHgであり、 高血圧の状態による有意差はなかった。
四分位範囲[IQR] 0~8mmHg、 p<0.001
高塩分食と比較して低塩分食摂取中に平均動脈圧が低下した参加者の割合は73.4%で、 高塩分食摂取と低塩分食摂取の間に低下する平均動脈圧は5mmHg以上という一般的に用いられる閾値により、 参加者の46%が食塩感受性ありに分類された。
有害事象は軽度であり、 高塩分食摂取時および低塩食摂取時にそれぞれ9.9% (21例) 、 8.0% (17例) が報告された。
50~75歳の中高年において、 低塩分食は高塩分食と比較して血圧を有意に低下させた。 また、 高塩分食~低塩分食への変更による血圧低下は高血圧の有無や降圧薬の使用とは無関係であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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