海外ジャーナルクラブ
1年前
Ma氏らは、 HER2陽性の転移性乳癌患者の1次治療において、 不可逆的汎HERチロシンキナーゼ阻害薬pyrotinibとトラスツズマブ+ドセタキセルの併用療法の有効性および安全性について、二重盲検プラセボ対照第III相無作為化比較試験PHILAで検討。 その結果、 pyrotinib+トラスツズマブ+ドセタキセル併用療法はプラセボ群と比較して、 無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善した。 本研究はBMJ誌において発表された。
分子標的治療薬の開発によって、 first line treatmentに関するRCTが最近4年間で劇的に増加しています。 本研究成果の臨床効果も十分であるのですが、 最近の傾向として中国でRCTが行われることが多く、 結果をどのように一般化していくのかが今後の課題となります。
低分子チロシンキナーゼ阻害薬と抗HER2ヒト化モノクローナル抗体による二重のHER2阻害が、 HER2陽性転移のある乳癌患者に対する1次治療の選択肢となる可能性が示唆されている。
HER2陽性の再発または転移のある乳癌で、 全身療法を受けていない18~75歳の女性患者
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
担当医判定によるPFS
主要評価項目
pyrotinib群はプラセボ群に対し、 PFSを有意に延長した。
HR : 0.41、 95%CI : 0.32~0.53、 片側p<0.001
12ヵ月時点での推定無増悪生存率
24ヵ月時点での推定無増悪生存率
独立審査委員会判定によるPFS中央値
HR : 0.35、 95%CI : 0.27~0.46、 片側p<0.001
客観的奏効
群間差 : 12.2%ポイント、 95%CI 5.4-18.9%ポイント、 層別片側p<0.001
Grade3以上の治療関連有害事象の発現
未治療のHER2陽性転移性乳癌に対して、 pyrotinib併用療法はプラセボ併用療法と比較してPFSを有意に改善した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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