海外ジャーナルクラブ
97日前
van Dyckらは、 50~90歳の早期アルツハイマー病患者を対象に、 レカネマブの有効性と安全性を検討する多施設共同二重盲検第Ⅲ相試験を実施。 その結果、 レカネマブは初期アルツハイマー病におけるアミロイドのマーカーを減少させ、 18カ月後の認知機能および機能の低下をプラセボよりも抑制したが、 有害事象と関連していた。 本研究はNEJM誌において発表された。
アルツハイマー病に対する治療薬の待望のpositiveな結果です。 Natureにも取り上げられていますが、 やはりその臨床効果が弱く、 安全性にも懸念があります。 年明けのFDAの発表に注目しましょう。
可溶性および不溶性のアミロイドベータ (Aβ) の蓄積は、 アルツハイマー病の病理学的プロセスを開始または促進する可能性がある。 レカネマブは、 Aβ可溶性プロトフィブリルに高親和性で結合するヒト化IgG1モノクローナル抗体であり、 初期アルツハイマー病患者を対象に試験が行われている。
PETまたは脳脊髄液検査でアミロイドが検出された50~90歳の早期アルツハイマー病患者を対象に、以下の2群に1:1の割合で無作為に割り付け。
CDR-SBスコアの試験開始時点から18カ月時点までの変化。
PETによるアミロイド負荷の変化、 ADAS-cog14、 ADCOMS、 ADCS-MCI-ADLの得点。
試験開始時のCDR-SBスコアの平均は両群とも約3.2であった。
18ヵ月後の調整最小二乗平均
698名の参加者を含むサブスタディでは、 プラセボと比較してレカネマブでより大きな脳内アミロイド負荷の減少が認められた。
ADAS-cog14、 ADCOMS、 ADCS-MCI-ADLの両群間の平均差は、 レカネマブが有利となった。
レカネマブ投与により、 以下の有害事象が認められた。
レカネマブは、 初期アルツハイマー病におけるアミロイドのマーカーを減少させ、 18カ月後の認知機能および機能の低下をプラセボよりも抑制したが、 有害事象と関連していた。 早期アルツハイマー病におけるレカネマブの有効性と安全性を明らかにするため、 より長期の臨床試験が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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