MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公
10ヶ月前


まずは2セットの血液培養を採取する。 細菌性髄膜炎では血液培養が陽性となることがあり、 起因菌の同定に役立つ。
次に示す髄液検査は髄膜炎のための精査で基本となるが、 万が一髄液が採取できなかった場合でも、 血液培養が重要な手がかりとなることがある。

腰椎穿刺を急ぐことが原則だが、 頭蓋内圧が亢進している場合は、 腰椎穿刺により脳ヘルニアを引き起こす可能性があるため注意が必要である。
以下の6項目に該当する場合はCTを先行する。 この頭部CTの適応は "PUNISH"と覚える。

逆にこれらがない場合にはCTを待たず、 速やかに腰椎穿刺へ進むことも検討する。 しかし、 頭部CTが正常でも、 明らかな乳頭浮腫や不規則な呼吸など脳幹兆候がある場合は、 腰椎穿刺は避けるようにする。

髄液検査を実施する際には、 外観、 初圧を確認し、 細胞数、 蛋白、 髄液糖、 グラム染色、 培養を提出する。
必要に応じて、 ウイルスPCR (特にHSV) やクリプトコッカス抗原検査も併せて提出する。 血糖を同時に採血し、 CSF/血糖比を評価できるようにするのも忘れずに行う。

腰椎穿刺やCTを待っているうちに抗菌薬の投与が遅れることは避けるべきである。
手技的に腰椎穿刺が難しい状況では、抗菌薬を先に投与する判断も必要である。 基本は、 穿刺後すぐに広域抗菌薬 (セフトリアキソン+バンコマイシンなど) を投与する。

肺炎球菌などが想定される細菌性髄膜炎では、 抗菌薬投与前にデキサメタゾンを投与することで、 死亡率、 後遺症のリスクを減らすとされる。 グラム染色や尿中肺炎球菌抗原も参考にする。


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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