薬効分類 | 口腔乾燥治療薬 |
一般名 | ピロカルピン塩酸塩顆粒 |
薬価 | 69.6円 |
メーカー | キッセイ薬品 |
最終更新 | 2023年05月改訂(第1版) |
通常、成人にはピロカルピン塩酸塩として1回5mgを1日3回、食後に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤の投与は空腹時を避け、食後30分以内とすること。
1). 頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善。
2). シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 間質性肺炎(0.1%):異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。
11.1.2. 失神・意識喪失(0.2%):一過性意識喪失等があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(5%以上)頭痛、(1〜5%未満)めまい、傾眠、不眠、しびれ、(0.1〜1%未満)振戦、うつ病、意識低下、舌麻痺、手指のこわばり。
2). 消化器:(5%以上)下痢、嘔気、(1〜5%未満)口内炎、唾液腺痛、嘔吐、胃痛、胃不快感、消化不良、腹痛、下腹部痛、腹部膨満、便秘、食欲不振、(0.1〜1%未満)口角炎、口唇炎、口唇腫脹、口内乾燥、歯肉炎、歯肉腫脹、歯痛、舌炎、唾液分泌過多、唾液腺炎、唾液腺腫大、食道炎、心窩部痛、胃炎、胃重感、腹鳴、腹部不快感、鼓腸放屁、腸炎、メレナ、排便回数増加、肛門周囲炎。
3). 循環器:(1〜5%未満)心悸亢進、高血圧、(0.1〜1%未満)上室性期外収縮、頻脈、不整脈、ST低下、低血圧。
4). 呼吸器:(5%以上)鼻炎、(1〜5%未満)咳、咽頭痛、かぜ症候群、(0.1〜1%未満)副鼻腔炎、鼻出血、喀痰増加、咽頭異和感、咽頭炎、嗄声、呼吸困難、肺炎、喀血。
5). 血液:(1〜5%未満)赤血球数減少、血色素量減少、ヘマトクリット減少、白血球数減少、(0.1〜1%未満)白血球数増多、好酸球増多、好中球増多、好中球減少、単球増多、リンパ球減少、血小板数減少。
6). 泌尿器:(5%以上)頻尿、(0.1〜1%未満)膀胱炎、尿路感染、残尿感、排尿障害、排尿痛、排尿困難、夜間頻尿、尿失禁、尿量増加。
7). 皮膚:(5%以上)多汗、(1〜5%未満)皮膚そう痒感、発疹、(0.1〜1%未満)帯状疱疹、単純疱疹、湿疹、蕁麻疹、汗疹、発赤、皮膚炎、脂漏。
8). 筋骨格系:(1〜5%未満)関節痛、(0.1〜1%未満)頸部硬直、頸部痛、頸肩痛、肩こり、背部痛、腰痛、腰椎部椎間板病変、下肢痛、筋肉痛。
9). 眼:(1〜5%未満)視力異常、(0.1〜1%未満)眼瞼腫脹、眼瞼炎、流涙、眼球乾燥、眼痛。
10). 耳:(1〜5%未満)耳鳴、(0.1〜1%未満)耳痛、中耳炎、難聴。
11). 肝臓:(1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、Al−P上昇、(0.1〜1%未満)肝機能異常、総ビリルビン上昇。
12). 腎臓:(1〜5%未満)BUN上昇、尿潜血陽性、(0.1〜1%未満)クレアチニン上昇、尿蛋白陽性、尿糖陽性。
13). 生殖器:(0.1〜1%未満)前立腺肥大、月経異常。
14). その他:(5%以上)ほてり、トリグリセリド上昇、(1〜5%未満)悪寒、発熱、倦怠感、胸痛、総コレステロール上昇、(0.1〜1%未満)脱力感、疲労、顔面浮腫、浮腫、末梢性浮腫、味覚異常、冷感、四肢冷感、しゃっくり、疼痛、アルブミン減少、アミラーゼ上昇、アミラーゼ低下、総蛋白上昇、総蛋白減少、総コレステロール低下、尿酸上昇、ナトリウム上昇、ナトリウム低下、カリウム上昇、カリウム低下、クロライド上昇、尿ウロビリノゲン陽性。
2.1. 重篤な虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症等)の患者[冠状動脈硬化に伴う狭窄所見を冠状動脈攣縮により増強し、虚血性心疾患の病態を悪化させるおそれがある]。
2.2. 気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患の患者[気道抵抗や気管支平滑筋の緊張増大及び気管支粘液分泌亢進のため、症状を悪化させるおそれがある]。
2.3. 消化管閉塞及び膀胱頸部閉塞のある患者[消化管又は膀胱筋を収縮又は緊張させ、症状を悪化させるおそれがある]。
2.4. てんかんのある患者[てんかん発作をおこすおそれがある]。
2.5. パーキンソニズム又はパーキンソン病の患者[パーキンソニズム又はパーキンソン病の症状を悪化させるおそれがある]。
2.6. 虹彩炎の患者[縮瞳が症状を悪化させるおそれがある]。
2.7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 縮瞳を起こすおそれがあるので、投与中の患者には夜間の自動車の運転及び暗所での危険を伴う機械の操作に注意させること。
8.2. 本剤投与中、過度に発汗し十分な水分補給が出来ない場合には脱水症状を引き起こす可能性があるので、このような状況が考えられる患者には担当医師に相談させること。
8.3. 本剤を12週間投与して効果が認められない場合には、その後の経過を十分に観察し、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 高度唾液腺腫脹及び高度唾液腺疼痛を有する患者:症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2. 間質性肺炎の患者:間質性肺炎を増悪する可能性がある。
9.1.3. 膵炎の患者:膵液の分泌が亢進し、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.4. 過敏性腸疾患の患者:腸管運動が亢進し、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5. 消化性潰瘍の患者:消化液の分泌が亢進し、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6. 胆のう障害又は胆石のある患者:胆管を収縮させ、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.7. 尿路結石又は腎結石のある患者:尿管及び尿道を収縮させ、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.8. 前立腺肥大に伴う排尿障害のある患者:膀胱筋を収縮又は緊張させ、排尿障害を悪化させるおそれがある。
9.1.9. 甲状腺機能亢進症の患者:心血管系に作用し、不整脈又は心房細動を起こすおそれがある。
9.1.10. 全身性進行性硬化症の患者:心血管系、消化器系に作用し、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.11. 迷走神経緊張症のある患者:迷走神経の緊張を増強させるおそれがある。
9.1.12. 認識力障害又は精神障害のある患者:一般にコリン作動薬は、用量依存的に中枢神経系に作用する可能性がある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 中等度肝機能低下又は高度肝機能低下患者:高い血中濃度が持続し、副作用の発現率が高まるおそれがある〔16.6.2参照〕。
本剤の主代謝経路は、血漿中のエステラーゼによる加水分解と、チトクロームP450 2A6(CYP2A6)による酸化である〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:
1). コリン作動薬(アセチルコリン塩化物、ベタネコール塩化物等)、コリンエステラーゼ阻害薬(ネオスチグミン、アンベノニウム塩化物等)、アセチルコリン放出促進作用を有する薬剤(モサプリド等)[本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されることがある(ムスカリン様作用が増強される)]。
2). 抗コリン作動薬(アトロピン硫酸塩水和物、スコポラミン臭化水素酸塩水和物等)[本剤又はこれらの薬剤の作用が減弱されることがある(本剤の作用に拮抗する)]。
3). 抗コリン作用を有する薬剤(フェノチアジン系抗精神病薬(クロルプロマジン等)、三環系抗うつ薬(アミトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩等))[本剤の作用が減弱されることがある(本剤の作用に拮抗する)]。
4). CYP2A6で主に代謝されて活性化する薬剤(テガフール製剤)[テガフールの活性本体である5−FUの作用が減弱される可能性がある(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2A6を競合的に阻害することにより、テガフールの活性本体である5−FUの生成が減少し、5−FUの血中濃度が低下するおそれがある)]。
5). CYP2A6で主に代謝される薬剤(レトロゾール等)[これらの薬剤の作用が増強される可能性がある(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2A6を競合的に阻害することにより、レトロゾールなどの血中濃度が上昇するおそれがある)]。
6). CYP2A6阻害剤(メトキサレン等)[本剤の作用が増強される可能性がある(メトキサレンなどが薬物代謝酵素CYP2A6を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
7). 潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤(アントラサイクリン系薬剤等)[これらの薬剤を併用する場合は、本剤の循環器系への作用がこれらの薬剤が有する心筋障害を誘発するおそれがあるので、慎重に投与すること(心筋に対する蓄積毒性が誘発されるおそれがある)]。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)において死産頻度増加、新生仔生存率低下、新生仔平均体重減少及び新生仔骨化遅延の発生頻度の増加が認められており、また、動物実験(ラット)で、受胎率低下が認められている)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
13.1. 処置
過量投与時、呼吸及び体循環を維持するためにアトロピン投与(皮下或いは静注)等の適切な処置を行うこと。また、過量投与時、重篤な心機能低下或いは重篤な気管支収縮がみられた場合には、アドレナリン投与(皮下或いは筋肉内)を考慮すること。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. ラットに104週間経口投与したがん原性試験において、18mg/kg/日群(AUCで換算して臨床曝露量の約50倍以上)の雌雄で副腎髄質良性褐色細胞腫の発現が有意に増加した。また、同群の雌では、試験実施施設における自然発生発現率の背景値の範囲内ではあるが、肝細胞腺腫の発現が有意に増加した。
15.2.2. ラットの生殖発生毒性試験において、18mg/kg/日以上(体重換算で臨床用量の約60倍以上)で受胎率低下、精子運動率低下及び異常精子率増加からなる生殖機能への影響が認められた。また、イヌの26週間反復経口投与試験において、3mg/kg/日群(体重換算で臨床用量の約10倍)で精子形成に対する影響が認められた。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 口腔乾燥治療薬 |
一般名 | ピロカルピン塩酸塩顆粒 |
薬価 | 69.6円 |
メーカー | キッセイ薬品 |
最終更新 | 2023年05月改訂(第1版) |
通常、成人にはピロカルピン塩酸塩として1回5mgを1日3回、食後に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤の投与は空腹時を避け、食後30分以内とすること。
1). 頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善。
2). シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 間質性肺炎(0.1%):異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。
11.1.2. 失神・意識喪失(0.2%):一過性意識喪失等があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(5%以上)頭痛、(1〜5%未満)めまい、傾眠、不眠、しびれ、(0.1〜1%未満)振戦、うつ病、意識低下、舌麻痺、手指のこわばり。
2). 消化器:(5%以上)下痢、嘔気、(1〜5%未満)口内炎、唾液腺痛、嘔吐、胃痛、胃不快感、消化不良、腹痛、下腹部痛、腹部膨満、便秘、食欲不振、(0.1〜1%未満)口角炎、口唇炎、口唇腫脹、口内乾燥、歯肉炎、歯肉腫脹、歯痛、舌炎、唾液分泌過多、唾液腺炎、唾液腺腫大、食道炎、心窩部痛、胃炎、胃重感、腹鳴、腹部不快感、鼓腸放屁、腸炎、メレナ、排便回数増加、肛門周囲炎。
3). 循環器:(1〜5%未満)心悸亢進、高血圧、(0.1〜1%未満)上室性期外収縮、頻脈、不整脈、ST低下、低血圧。
4). 呼吸器:(5%以上)鼻炎、(1〜5%未満)咳、咽頭痛、かぜ症候群、(0.1〜1%未満)副鼻腔炎、鼻出血、喀痰増加、咽頭異和感、咽頭炎、嗄声、呼吸困難、肺炎、喀血。
5). 血液:(1〜5%未満)赤血球数減少、血色素量減少、ヘマトクリット減少、白血球数減少、(0.1〜1%未満)白血球数増多、好酸球増多、好中球増多、好中球減少、単球増多、リンパ球減少、血小板数減少。
6). 泌尿器:(5%以上)頻尿、(0.1〜1%未満)膀胱炎、尿路感染、残尿感、排尿障害、排尿痛、排尿困難、夜間頻尿、尿失禁、尿量増加。
7). 皮膚:(5%以上)多汗、(1〜5%未満)皮膚そう痒感、発疹、(0.1〜1%未満)帯状疱疹、単純疱疹、湿疹、蕁麻疹、汗疹、発赤、皮膚炎、脂漏。
8). 筋骨格系:(1〜5%未満)関節痛、(0.1〜1%未満)頸部硬直、頸部痛、頸肩痛、肩こり、背部痛、腰痛、腰椎部椎間板病変、下肢痛、筋肉痛。
9). 眼:(1〜5%未満)視力異常、(0.1〜1%未満)眼瞼腫脹、眼瞼炎、流涙、眼球乾燥、眼痛。
10). 耳:(1〜5%未満)耳鳴、(0.1〜1%未満)耳痛、中耳炎、難聴。
11). 肝臓:(1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、Al−P上昇、(0.1〜1%未満)肝機能異常、総ビリルビン上昇。
12). 腎臓:(1〜5%未満)BUN上昇、尿潜血陽性、(0.1〜1%未満)クレアチニン上昇、尿蛋白陽性、尿糖陽性。
13). 生殖器:(0.1〜1%未満)前立腺肥大、月経異常。
14). その他:(5%以上)ほてり、トリグリセリド上昇、(1〜5%未満)悪寒、発熱、倦怠感、胸痛、総コレステロール上昇、(0.1〜1%未満)脱力感、疲労、顔面浮腫、浮腫、末梢性浮腫、味覚異常、冷感、四肢冷感、しゃっくり、疼痛、アルブミン減少、アミラーゼ上昇、アミラーゼ低下、総蛋白上昇、総蛋白減少、総コレステロール低下、尿酸上昇、ナトリウム上昇、ナトリウム低下、カリウム上昇、カリウム低下、クロライド上昇、尿ウロビリノゲン陽性。
2.1. 重篤な虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症等)の患者[冠状動脈硬化に伴う狭窄所見を冠状動脈攣縮により増強し、虚血性心疾患の病態を悪化させるおそれがある]。
2.2. 気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患の患者[気道抵抗や気管支平滑筋の緊張増大及び気管支粘液分泌亢進のため、症状を悪化させるおそれがある]。
2.3. 消化管閉塞及び膀胱頸部閉塞のある患者[消化管又は膀胱筋を収縮又は緊張させ、症状を悪化させるおそれがある]。
2.4. てんかんのある患者[てんかん発作をおこすおそれがある]。
2.5. パーキンソニズム又はパーキンソン病の患者[パーキンソニズム又はパーキンソン病の症状を悪化させるおそれがある]。
2.6. 虹彩炎の患者[縮瞳が症状を悪化させるおそれがある]。
2.7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 縮瞳を起こすおそれがあるので、投与中の患者には夜間の自動車の運転及び暗所での危険を伴う機械の操作に注意させること。
8.2. 本剤投与中、過度に発汗し十分な水分補給が出来ない場合には脱水症状を引き起こす可能性があるので、このような状況が考えられる患者には担当医師に相談させること。
8.3. 本剤を12週間投与して効果が認められない場合には、その後の経過を十分に観察し、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 高度唾液腺腫脹及び高度唾液腺疼痛を有する患者:症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2. 間質性肺炎の患者:間質性肺炎を増悪する可能性がある。
9.1.3. 膵炎の患者:膵液の分泌が亢進し、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.4. 過敏性腸疾患の患者:腸管運動が亢進し、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5. 消化性潰瘍の患者:消化液の分泌が亢進し、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6. 胆のう障害又は胆石のある患者:胆管を収縮させ、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.7. 尿路結石又は腎結石のある患者:尿管及び尿道を収縮させ、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.8. 前立腺肥大に伴う排尿障害のある患者:膀胱筋を収縮又は緊張させ、排尿障害を悪化させるおそれがある。
9.1.9. 甲状腺機能亢進症の患者:心血管系に作用し、不整脈又は心房細動を起こすおそれがある。
9.1.10. 全身性進行性硬化症の患者:心血管系、消化器系に作用し、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.11. 迷走神経緊張症のある患者:迷走神経の緊張を増強させるおそれがある。
9.1.12. 認識力障害又は精神障害のある患者:一般にコリン作動薬は、用量依存的に中枢神経系に作用する可能性がある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 中等度肝機能低下又は高度肝機能低下患者:高い血中濃度が持続し、副作用の発現率が高まるおそれがある〔16.6.2参照〕。
本剤の主代謝経路は、血漿中のエステラーゼによる加水分解と、チトクロームP450 2A6(CYP2A6)による酸化である〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:
1). コリン作動薬(アセチルコリン塩化物、ベタネコール塩化物等)、コリンエステラーゼ阻害薬(ネオスチグミン、アンベノニウム塩化物等)、アセチルコリン放出促進作用を有する薬剤(モサプリド等)[本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されることがある(ムスカリン様作用が増強される)]。
2). 抗コリン作動薬(アトロピン硫酸塩水和物、スコポラミン臭化水素酸塩水和物等)[本剤又はこれらの薬剤の作用が減弱されることがある(本剤の作用に拮抗する)]。
3). 抗コリン作用を有する薬剤(フェノチアジン系抗精神病薬(クロルプロマジン等)、三環系抗うつ薬(アミトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩等))[本剤の作用が減弱されることがある(本剤の作用に拮抗する)]。
4). CYP2A6で主に代謝されて活性化する薬剤(テガフール製剤)[テガフールの活性本体である5−FUの作用が減弱される可能性がある(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2A6を競合的に阻害することにより、テガフールの活性本体である5−FUの生成が減少し、5−FUの血中濃度が低下するおそれがある)]。
5). CYP2A6で主に代謝される薬剤(レトロゾール等)[これらの薬剤の作用が増強される可能性がある(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2A6を競合的に阻害することにより、レトロゾールなどの血中濃度が上昇するおそれがある)]。
6). CYP2A6阻害剤(メトキサレン等)[本剤の作用が増強される可能性がある(メトキサレンなどが薬物代謝酵素CYP2A6を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
7). 潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤(アントラサイクリン系薬剤等)[これらの薬剤を併用する場合は、本剤の循環器系への作用がこれらの薬剤が有する心筋障害を誘発するおそれがあるので、慎重に投与すること(心筋に対する蓄積毒性が誘発されるおそれがある)]。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)において死産頻度増加、新生仔生存率低下、新生仔平均体重減少及び新生仔骨化遅延の発生頻度の増加が認められており、また、動物実験(ラット)で、受胎率低下が認められている)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
13.1. 処置
過量投与時、呼吸及び体循環を維持するためにアトロピン投与(皮下或いは静注)等の適切な処置を行うこと。また、過量投与時、重篤な心機能低下或いは重篤な気管支収縮がみられた場合には、アドレナリン投与(皮下或いは筋肉内)を考慮すること。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. ラットに104週間経口投与したがん原性試験において、18mg/kg/日群(AUCで換算して臨床曝露量の約50倍以上)の雌雄で副腎髄質良性褐色細胞腫の発現が有意に増加した。また、同群の雌では、試験実施施設における自然発生発現率の背景値の範囲内ではあるが、肝細胞腺腫の発現が有意に増加した。
15.2.2. ラットの生殖発生毒性試験において、18mg/kg/日以上(体重換算で臨床用量の約60倍以上)で受胎率低下、精子運動率低下及び異常精子率増加からなる生殖機能への影響が認められた。また、イヌの26週間反復経口投与試験において、3mg/kg/日群(体重換算で臨床用量の約10倍)で精子形成に対する影響が認められた。
(保管上の注意)
室温保存。
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