薬効分類 | 造血薬 > 抗補体 (C5) モノクローナル抗体 |
一般名 | ラブリズマブ (遺伝子組換え) 注射液 |
薬価 | 2419945円 |
メーカー | アレクシオンファーマ |
最終更新 | 2024年09月改訂(第9版) |
〈発作性夜間ヘモグロビン尿症、全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
通常、成人には、ラブリズマブ(遺伝子組換え)として、患者の体重を考慮し、1回2400〜3000mgを開始用量とし、初回投与2週後に1回3000〜3600mg、以降8週ごとに1回3000〜3600mgを点滴静注する。
〈非典型溶血性尿毒症症候群〉
通常、ラブリズマブ(遺伝子組換え)として、患者の体重を考慮し、1回600〜3000mgを開始用量とし、初回投与2週後に1回300〜3600mg、以降4週又は8週ごとに1回300〜3600mgを点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉1回あたりの本剤の投与量は、次を参考にすること。
[1回あたりの本剤の投与量]
1). 体重40kg以上60kg未満:初回投与量2400mg、2回目以降の投与量3000mg。
2). 体重60kg以上100kg未満:初回投与量2700mg、2回目以降の投与量3300mg。
3). 体重100kg以上:初回投与量3000mg、2回目以降の投与量3600mg。
7.2. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉初回投与2週後までに血清中乳酸脱水素酵素<LDH>活性が低下していない場合には、本剤の投与継続の要否を検討すること。
7.3. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉1回あたりの本剤の投与量及び投与間隔は、次を参考にすること。
[1回あたりの本剤の投与量及び投与間隔]
1). 体重5kg以上10kg未満:初回投与量600mg、2回目以降の投与量300mg、2回目以降の投与間隔4週。
2). 体重10kg以上20kg未満:初回投与量600mg、2回目以降の投与量600mg、2回目以降の投与間隔4週。
3). 体重20kg以上30kg未満:初回投与量900mg、2回目以降の投与量2100mg、2回目以降の投与間隔8週。
4). 体重30kg以上40kg未満:初回投与量1200mg、2回目以降の投与量2700mg、2回目以降の投与間隔8週。
5). 体重40kg以上60kg未満:初回投与量2400mg、2回目以降の投与量3000mg、2回目以降の投与間隔8週。
6). 体重60kg以上100kg未満:初回投与量2700mg、2回目以降の投与量3300mg、2回目以降の投与間隔8週。
7). 体重100kg以上:初回投与量3000mg、2回目以降の投与量3600mg、2回目以降の投与間隔8週。
7.4. 〈全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)〉1回あたりの本剤の投与量は、次を参考にすること。
[1回あたりの本剤の投与量]
1). 体重40kg以上60kg未満:初回投与量2400mg、2回目以降の投与量3000mg。
2). 体重60kg以上100kg未満:初回投与量2700mg、2回目以降の投与量3300mg。
3). 体重100kg以上:初回投与量3000mg、2回目以降の投与量3600mg。
7.5. 〈全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)〉本剤の全身型重症筋無力症患者を対象とした臨床試験では、ほとんどの治療反応例で投与開始18週後までに症状の改善が得られたため、投与開始18週後までに症状の改善が認められない患者では、リスクベネフィットを考慮し、本剤の投与中止を検討すること。
7.6. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉1回あたりの本剤の投与量は、次を参考にすること。
[1回あたりの本剤の投与量]
1). 体重40kg以上60kg未満:初回投与量2400mg、2回目以降の投与量3000mg。
2). 体重60kg以上100kg未満:初回投与量2700mg、2回目以降の投与量3300mg。
3). 体重100kg以上:初回投与量3000mg、2回目以降の投与量3600mg。
7.7. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉本剤の血中濃度低下により再発のおそれがあるため、投与間隔を遵守すること。
7.8. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉本剤を一定期間投与後、再発の頻度について検討し、再発の頻度の減少が認められない患者では、本剤の投与中止を検討すること。
7.9. 〈効能共通〉免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法(透析を除く)の施行により、本剤の血清中濃度が低下するので、次を参考に本剤の補充投与を考慮し、補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること[1)体重40kg以上60kg未満で直近の本剤投与量2400mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1200mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、2)体重40kg以上60kg未満で直近の本剤投与量3000mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1500mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、3)体重60kg以上100kg未満で直近の本剤投与量2700mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1500mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、4)体重60kg以上100kg未満で直近の本剤投与量3300mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1800mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、5)体重100kg以上で直近の本剤投与量3000mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1500mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、6)体重100kg以上で直近の本剤投与量3600mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1800mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与]〔10.2参照〕。
7.10. 〈効能共通〉新鮮凍結血漿輸注の施行により、本剤の有効性が減弱するおそれがある。
1). 発作性夜間ヘモグロビン尿症。
2). 非典型溶血性尿毒症症候群。
3). 全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)。
4). 視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤は、補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b−9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。また、本剤投与に際しては、緊急治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。特に小児への本剤投与に際しては、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型に対するワクチンの接種状況を確認し、未接種の場合にはそれぞれのワクチンの接種を検討すること〔1.1、1.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2、17.1.1−17.1.6参照〕。
5.2. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉本剤は、フローサイトメトリー法等により、発作性夜間ヘモグロビン尿症と確定診断された患者に使用すること。
5.3. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉本剤投与によりPNH赤血球クローンが蓄積しているため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が生じるおそれがあることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与が適切と考えられる患者に使用すること〔8.1参照〕。
5.4. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉補体制御異常による非典型溶血性尿毒症症候群(「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2023」(日本腎臓学会・日本小児科学会・日本血液学会・日本補体学会・日本移植学会)を参考にすること)の患者に使用すること。
5.5. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉二次性血栓性微小血管症の患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。
5.6. 〈全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)〉本剤は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者に使用すること。
5.7. 〈全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)〉本剤は、ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分奏効しない場合次の患者への投与を考慮する[1)免疫グロブリン大量静注療法・血液浄化療法を施行しても症状管理が困難な患者、2)合併症や副作用等で免疫グロブリン大量静注療法・血液浄化療法施行が困難な患者]。
5.8. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉本剤は、視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)(「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023」(日本神経学会)を参考にすること)の患者に使用すること。
5.9. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉抗アクアポリン4抗体陽性の患者に投与すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 髄膜炎菌感染症(0.4%):髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化することがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと(髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと)。髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例が認められており、死亡に至るおそれもある〔1.1、1.2、5.1、9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.2. 重篤な感染症(1.9%):播種性淋菌感染症、肺炎球菌感染、インフルエンザ菌感染等の重篤な感染症があらわれることがある〔5.1、9.1.2参照〕。
11.1.3. infusion reaction(頻度不明):ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(1%以上10%未満)悪心、下痢、嘔吐、(1%未満)消化不良、腹痛。
2). 一般・全身障害および投与部位の状態:(1%以上10%未満)疲労、発熱、(1%未満)インフルエンザ様疾患、悪寒、(頻度不明)無力症。
3). 感染症および寄生虫症:(1%以上10%未満)上気道感染、上咽頭炎、尿路感染、(頻度不明)ナイセリア感染(淋菌感染等)。
4). 傷害、中毒および処置合併症:(1%以上10%未満)注入に伴う反応。
5). 筋骨格系および結合組織障害:(1%以上10%未満)関節痛、四肢痛、(1%未満)筋肉痛、筋痙縮、背部痛。
6). 神経系障害:(10%以上)頭痛、(1%以上10%未満)浮動性めまい。
7). 皮膚および皮下組織障害:(1%以上10%未満)皮膚そう痒症、発疹、(1%未満)蕁麻疹。
1.1. 本剤の投与により髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡に至るおそれもあるため、次の点に十分注意すること〔5.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
1.1.1. 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
1.1.2. 緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること(必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること)。
1.1.3. 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
1.1.4. 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、髄膜炎菌感染症に関連する症状が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
1.2. 本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症、非典型溶血性尿毒症症候群、全身型重症筋無力症あるいは視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること〔5.1、11.1.1参照〕。
2.1. 髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある]。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉本剤投与によりPNH赤血球クローンが蓄積しているため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがあり、本剤の投与を中止した患者に対しては、最低16週間、血管内溶血及びそれに付随する臨床症状の変化を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと〔5.3参照〕。
8.2. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉本剤投与開始後は血小板数等を定期的にモニタリングし、改善傾向が認められない場合は、本剤の投与継続の要否を検討すること。
8.3. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉本剤を中止した場合に重度血栓性微小血管障害が発現するおそれがあるため、本剤の投与を中止した患者に対しては、患者の状態を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 髄膜炎菌感染症の既往のある患者:本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある〔1.1、5.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 感染症の患者又は感染症が疑われる患者:特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある〔5.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 人免疫グロブリン製剤(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等)〔7.9参照〕[人免疫グロブリン製剤との併用投与によって本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用する場合には、本剤の補充投与を考慮すること(人免疫グロブリン製剤との継続的な併用投与により、本剤の血清中濃度が低下する可能性がある)]。
2). エフガルチギモド アルファ<遺伝子組換え>[本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤による治療を開始する場合には、エフガルチギモド アルファのサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい(エフガルチギモド アルファにより、本剤を含む胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する薬剤の血清中濃度が低下する可能性がある)]。
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7.1. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症、全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉体重5kg未満の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 希釈前に、変色、微粒子、沈殿等がないことを目視にて確認し、異常が認められた場合は使用しないこと。
14.1.2. 滅菌シリンジでバイアルから必要量を抜き取り、日局生理食塩液を用い、点滴バッグ等で本剤を希釈する。本剤1バイアルの希釈に必要な日局生理食塩液の量及び希釈後の本剤の濃度は次を参考にすること。
[本剤1バイアルの希釈に必要な日局生理食塩液の量及び希釈後の本剤の濃度]
1). ユルトミリスHI点滴静注300mg/3mL(1バイアル)3mL:希釈に必要な日局生理食塩液(1バイアルあたり)3mL、希釈後の本剤の濃度50mg/mL。
2). ユルトミリスHI点滴静注1100mg/11mL(1バイアル)11mL:希釈に必要な日局生理食塩液(1バイアルあたり)11mL、希釈後の本剤の濃度50mg/mL。
14.1.3. 希釈液は穏やかに混合し、振盪しないこと。
14.1.4. 調製後、変色、微粒子、沈殿等がないことを目視にて確認し、異常が認められた場合は使用しないこと。
14.1.5. 調製後は速やかに投与すること。
14.1.6. 本剤のバイアルは1回使い切りである。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。
14.1.7. 調製した溶液を直ちに使用しない場合は、2〜8℃での保存では24時間以内に、常温保存では4時間以内に使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 0.2又は0.22ミクロンのフィルターを通して投与すること。本剤は独立したラインより投与するものとし、他の注射剤<日局生理食塩液を除く>、輸液<日局生理食塩液を除く>等と混合しないこと。
14.2.2. 本剤の投与中に副作用が発現した場合は、医師の判断で投与速度を遅くする又は投与を中止し、投与終了後、患者の症状が安定するまで慎重に観察すること。
14.2.3. 希釈した液の投与速度は、次の最大投与速度を超えないようにし、急速投与は行わないこと。
[初回及び2回目以降投与時の最大投与速度]
1). 体重5kg以上10kg未満:(最大投与速度)初回投与時8mL/時、2回目以降の投与時8mL/時。
2). 体重10kg以上20kg未満:(最大投与速度)初回投与時16mL/時、2回目以降の投与時16mL/時。
3). 体重20kg以上30kg未満:(最大投与速度)初回投与時30mL/時、2回目以降の投与時33mL/時。
4). 体重30kg以上40kg未満:(最大投与速度)初回投与時46mL/時、2回目以降の投与時49mL/時。
5). 体重40kg以上60kg未満:(最大投与速度)初回投与時64mL/時、2回目以降の投与時65mL/時。
6). 体重60kg以上100kg未満:(最大投与速度)初回投与時92mL/時、2回目以降の投与時98mL/時。
7). 体重100kg以上:(最大投与速度)初回投与時144mL/時、2回目以降の投与時144mL/時。
[補充投与時の最大投与速度]
1). 体重40kg以上60kg未満、補充用量600mg:最大投与速度48mL/時。
2). 体重40kg以上60kg未満、補充用量1200mg:最大投与速度57mL/時。
3). 体重40kg以上60kg未満、補充用量1500mg:最大投与速度60mL/時。
4). 体重60kg以上100kg未満、補充用量600mg:最大投与速度60mL/時。
5). 体重60kg以上100kg未満、補充用量1500mg:最大投与速度83mL/時。
6). 体重60kg以上100kg未満、補充用量1800mg:最大投与速度86mL/時。
7). 体重100kg以上、補充用量600mg:最大投与速度71mL/時。
8). 体重100kg以上、補充用量1500mg:最大投与速度120mL/時。
9). 体重100kg以上、補充用量1800mg:最大投与速度127mL/時。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
国際共同第3相試験において、患者数は限られているが本剤に対する抗体産生が報告されている〔17.3.1参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
マウスの胚・胎仔発生試験(60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において、網膜形成異常が認められた。
(保管上の注意)
凍結を避け、2〜8℃で保存。
薬効分類 | 造血薬 > 抗補体 (C5) モノクローナル抗体 |
一般名 | ラブリズマブ (遺伝子組換え) 注射液 |
薬価 | 2419945円 |
メーカー | アレクシオンファーマ |
最終更新 | 2024年09月改訂(第9版) |
〈発作性夜間ヘモグロビン尿症、全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
通常、成人には、ラブリズマブ(遺伝子組換え)として、患者の体重を考慮し、1回2400〜3000mgを開始用量とし、初回投与2週後に1回3000〜3600mg、以降8週ごとに1回3000〜3600mgを点滴静注する。
〈非典型溶血性尿毒症症候群〉
通常、ラブリズマブ(遺伝子組換え)として、患者の体重を考慮し、1回600〜3000mgを開始用量とし、初回投与2週後に1回300〜3600mg、以降4週又は8週ごとに1回300〜3600mgを点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉1回あたりの本剤の投与量は、次を参考にすること。
[1回あたりの本剤の投与量]
1). 体重40kg以上60kg未満:初回投与量2400mg、2回目以降の投与量3000mg。
2). 体重60kg以上100kg未満:初回投与量2700mg、2回目以降の投与量3300mg。
3). 体重100kg以上:初回投与量3000mg、2回目以降の投与量3600mg。
7.2. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉初回投与2週後までに血清中乳酸脱水素酵素<LDH>活性が低下していない場合には、本剤の投与継続の要否を検討すること。
7.3. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉1回あたりの本剤の投与量及び投与間隔は、次を参考にすること。
[1回あたりの本剤の投与量及び投与間隔]
1). 体重5kg以上10kg未満:初回投与量600mg、2回目以降の投与量300mg、2回目以降の投与間隔4週。
2). 体重10kg以上20kg未満:初回投与量600mg、2回目以降の投与量600mg、2回目以降の投与間隔4週。
3). 体重20kg以上30kg未満:初回投与量900mg、2回目以降の投与量2100mg、2回目以降の投与間隔8週。
4). 体重30kg以上40kg未満:初回投与量1200mg、2回目以降の投与量2700mg、2回目以降の投与間隔8週。
5). 体重40kg以上60kg未満:初回投与量2400mg、2回目以降の投与量3000mg、2回目以降の投与間隔8週。
6). 体重60kg以上100kg未満:初回投与量2700mg、2回目以降の投与量3300mg、2回目以降の投与間隔8週。
7). 体重100kg以上:初回投与量3000mg、2回目以降の投与量3600mg、2回目以降の投与間隔8週。
7.4. 〈全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)〉1回あたりの本剤の投与量は、次を参考にすること。
[1回あたりの本剤の投与量]
1). 体重40kg以上60kg未満:初回投与量2400mg、2回目以降の投与量3000mg。
2). 体重60kg以上100kg未満:初回投与量2700mg、2回目以降の投与量3300mg。
3). 体重100kg以上:初回投与量3000mg、2回目以降の投与量3600mg。
7.5. 〈全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)〉本剤の全身型重症筋無力症患者を対象とした臨床試験では、ほとんどの治療反応例で投与開始18週後までに症状の改善が得られたため、投与開始18週後までに症状の改善が認められない患者では、リスクベネフィットを考慮し、本剤の投与中止を検討すること。
7.6. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉1回あたりの本剤の投与量は、次を参考にすること。
[1回あたりの本剤の投与量]
1). 体重40kg以上60kg未満:初回投与量2400mg、2回目以降の投与量3000mg。
2). 体重60kg以上100kg未満:初回投与量2700mg、2回目以降の投与量3300mg。
3). 体重100kg以上:初回投与量3000mg、2回目以降の投与量3600mg。
7.7. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉本剤の血中濃度低下により再発のおそれがあるため、投与間隔を遵守すること。
7.8. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉本剤を一定期間投与後、再発の頻度について検討し、再発の頻度の減少が認められない患者では、本剤の投与中止を検討すること。
7.9. 〈効能共通〉免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法(透析を除く)の施行により、本剤の血清中濃度が低下するので、次を参考に本剤の補充投与を考慮し、補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること[1)体重40kg以上60kg未満で直近の本剤投与量2400mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1200mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、2)体重40kg以上60kg未満で直近の本剤投与量3000mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1500mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、3)体重60kg以上100kg未満で直近の本剤投与量2700mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1500mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、4)体重60kg以上100kg未満で直近の本剤投与量3300mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1800mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、5)体重100kg以上で直近の本剤投与量3000mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1500mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与、6)体重100kg以上で直近の本剤投与量3600mg:血液浄化療法施行後4時間以内に1800mg、免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内に600mgを補充投与]〔10.2参照〕。
7.10. 〈効能共通〉新鮮凍結血漿輸注の施行により、本剤の有効性が減弱するおそれがある。
1). 発作性夜間ヘモグロビン尿症。
2). 非典型溶血性尿毒症症候群。
3). 全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)。
4). 視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤は、補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b−9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。また、本剤投与に際しては、緊急治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。特に小児への本剤投与に際しては、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型に対するワクチンの接種状況を確認し、未接種の場合にはそれぞれのワクチンの接種を検討すること〔1.1、1.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2、17.1.1−17.1.6参照〕。
5.2. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉本剤は、フローサイトメトリー法等により、発作性夜間ヘモグロビン尿症と確定診断された患者に使用すること。
5.3. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉本剤投与によりPNH赤血球クローンが蓄積しているため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が生じるおそれがあることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与が適切と考えられる患者に使用すること〔8.1参照〕。
5.4. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉補体制御異常による非典型溶血性尿毒症症候群(「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2023」(日本腎臓学会・日本小児科学会・日本血液学会・日本補体学会・日本移植学会)を参考にすること)の患者に使用すること。
5.5. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉二次性血栓性微小血管症の患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。
5.6. 〈全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)〉本剤は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者に使用すること。
5.7. 〈全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)〉本剤は、ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分奏効しない場合次の患者への投与を考慮する[1)免疫グロブリン大量静注療法・血液浄化療法を施行しても症状管理が困難な患者、2)合併症や副作用等で免疫グロブリン大量静注療法・血液浄化療法施行が困難な患者]。
5.8. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉本剤は、視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)(「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023」(日本神経学会)を参考にすること)の患者に使用すること。
5.9. 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉抗アクアポリン4抗体陽性の患者に投与すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 髄膜炎菌感染症(0.4%):髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化することがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと(髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと)。髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例が認められており、死亡に至るおそれもある〔1.1、1.2、5.1、9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.2. 重篤な感染症(1.9%):播種性淋菌感染症、肺炎球菌感染、インフルエンザ菌感染等の重篤な感染症があらわれることがある〔5.1、9.1.2参照〕。
11.1.3. infusion reaction(頻度不明):ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(1%以上10%未満)悪心、下痢、嘔吐、(1%未満)消化不良、腹痛。
2). 一般・全身障害および投与部位の状態:(1%以上10%未満)疲労、発熱、(1%未満)インフルエンザ様疾患、悪寒、(頻度不明)無力症。
3). 感染症および寄生虫症:(1%以上10%未満)上気道感染、上咽頭炎、尿路感染、(頻度不明)ナイセリア感染(淋菌感染等)。
4). 傷害、中毒および処置合併症:(1%以上10%未満)注入に伴う反応。
5). 筋骨格系および結合組織障害:(1%以上10%未満)関節痛、四肢痛、(1%未満)筋肉痛、筋痙縮、背部痛。
6). 神経系障害:(10%以上)頭痛、(1%以上10%未満)浮動性めまい。
7). 皮膚および皮下組織障害:(1%以上10%未満)皮膚そう痒症、発疹、(1%未満)蕁麻疹。
1.1. 本剤の投与により髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡に至るおそれもあるため、次の点に十分注意すること〔5.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
1.1.1. 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
1.1.2. 緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること(必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること)。
1.1.3. 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
1.1.4. 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、髄膜炎菌感染症に関連する症状が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
1.2. 本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症、非典型溶血性尿毒症症候群、全身型重症筋無力症あるいは視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること〔5.1、11.1.1参照〕。
2.1. 髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある]。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉本剤投与によりPNH赤血球クローンが蓄積しているため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがあり、本剤の投与を中止した患者に対しては、最低16週間、血管内溶血及びそれに付随する臨床症状の変化を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと〔5.3参照〕。
8.2. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉本剤投与開始後は血小板数等を定期的にモニタリングし、改善傾向が認められない場合は、本剤の投与継続の要否を検討すること。
8.3. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉本剤を中止した場合に重度血栓性微小血管障害が発現するおそれがあるため、本剤の投与を中止した患者に対しては、患者の状態を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 髄膜炎菌感染症の既往のある患者:本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある〔1.1、5.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 感染症の患者又は感染症が疑われる患者:特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある〔5.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 人免疫グロブリン製剤(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等)〔7.9参照〕[人免疫グロブリン製剤との併用投与によって本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用する場合には、本剤の補充投与を考慮すること(人免疫グロブリン製剤との継続的な併用投与により、本剤の血清中濃度が低下する可能性がある)]。
2). エフガルチギモド アルファ<遺伝子組換え>[本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤による治療を開始する場合には、エフガルチギモド アルファのサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい(エフガルチギモド アルファにより、本剤を含む胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する薬剤の血清中濃度が低下する可能性がある)]。
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7.1. 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症、全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 〈非典型溶血性尿毒症症候群〉体重5kg未満の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 希釈前に、変色、微粒子、沈殿等がないことを目視にて確認し、異常が認められた場合は使用しないこと。
14.1.2. 滅菌シリンジでバイアルから必要量を抜き取り、日局生理食塩液を用い、点滴バッグ等で本剤を希釈する。本剤1バイアルの希釈に必要な日局生理食塩液の量及び希釈後の本剤の濃度は次を参考にすること。
[本剤1バイアルの希釈に必要な日局生理食塩液の量及び希釈後の本剤の濃度]
1). ユルトミリスHI点滴静注300mg/3mL(1バイアル)3mL:希釈に必要な日局生理食塩液(1バイアルあたり)3mL、希釈後の本剤の濃度50mg/mL。
2). ユルトミリスHI点滴静注1100mg/11mL(1バイアル)11mL:希釈に必要な日局生理食塩液(1バイアルあたり)11mL、希釈後の本剤の濃度50mg/mL。
14.1.3. 希釈液は穏やかに混合し、振盪しないこと。
14.1.4. 調製後、変色、微粒子、沈殿等がないことを目視にて確認し、異常が認められた場合は使用しないこと。
14.1.5. 調製後は速やかに投与すること。
14.1.6. 本剤のバイアルは1回使い切りである。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。
14.1.7. 調製した溶液を直ちに使用しない場合は、2〜8℃での保存では24時間以内に、常温保存では4時間以内に使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 0.2又は0.22ミクロンのフィルターを通して投与すること。本剤は独立したラインより投与するものとし、他の注射剤<日局生理食塩液を除く>、輸液<日局生理食塩液を除く>等と混合しないこと。
14.2.2. 本剤の投与中に副作用が発現した場合は、医師の判断で投与速度を遅くする又は投与を中止し、投与終了後、患者の症状が安定するまで慎重に観察すること。
14.2.3. 希釈した液の投与速度は、次の最大投与速度を超えないようにし、急速投与は行わないこと。
[初回及び2回目以降投与時の最大投与速度]
1). 体重5kg以上10kg未満:(最大投与速度)初回投与時8mL/時、2回目以降の投与時8mL/時。
2). 体重10kg以上20kg未満:(最大投与速度)初回投与時16mL/時、2回目以降の投与時16mL/時。
3). 体重20kg以上30kg未満:(最大投与速度)初回投与時30mL/時、2回目以降の投与時33mL/時。
4). 体重30kg以上40kg未満:(最大投与速度)初回投与時46mL/時、2回目以降の投与時49mL/時。
5). 体重40kg以上60kg未満:(最大投与速度)初回投与時64mL/時、2回目以降の投与時65mL/時。
6). 体重60kg以上100kg未満:(最大投与速度)初回投与時92mL/時、2回目以降の投与時98mL/時。
7). 体重100kg以上:(最大投与速度)初回投与時144mL/時、2回目以降の投与時144mL/時。
[補充投与時の最大投与速度]
1). 体重40kg以上60kg未満、補充用量600mg:最大投与速度48mL/時。
2). 体重40kg以上60kg未満、補充用量1200mg:最大投与速度57mL/時。
3). 体重40kg以上60kg未満、補充用量1500mg:最大投与速度60mL/時。
4). 体重60kg以上100kg未満、補充用量600mg:最大投与速度60mL/時。
5). 体重60kg以上100kg未満、補充用量1500mg:最大投与速度83mL/時。
6). 体重60kg以上100kg未満、補充用量1800mg:最大投与速度86mL/時。
7). 体重100kg以上、補充用量600mg:最大投与速度71mL/時。
8). 体重100kg以上、補充用量1500mg:最大投与速度120mL/時。
9). 体重100kg以上、補充用量1800mg:最大投与速度127mL/時。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
国際共同第3相試験において、患者数は限られているが本剤に対する抗体産生が報告されている〔17.3.1参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
マウスの胚・胎仔発生試験(60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において、網膜形成異常が認められた。
(保管上の注意)
凍結を避け、2〜8℃で保存。
薬剤写真、用法用量、効能効果や後発品の情報が一度に参照でき、関連情報へ簡単にアクセスができます。
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※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。