血圧降下薬 > アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬
薬効分類 | 血圧降下薬 > アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬 |
一般名 | アラセプリル50mg錠 |
薬価 | 9.8円 |
メーカー | 日医工 |
最終更新 | 2023年05月改訂(第5版) |
アラセプリルとして1日25〜75mgを1〜2回に分割経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。なお、重症例においても1日最大投与量は100mgまでとする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
重篤な腎機能障害のある患者では、活性代謝物の血中濃度が上昇し、過度の血圧低下、腎機能悪化が起こる恐れがあるので、血清クレアチニン値が3mg/dLを超える場合には、投与量を減らすか又は投与間隔を延ばすなど慎重に投与する。
本態性高血圧症、腎性高血圧症。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).血管浮腫:呼吸困難を伴う顔面腫脹、舌腫脹、声門腫脹、喉頭腫脹を症状とする血管浮腫が現れることがあるので、このような場合には、直ちに投与を中止し、気道の確保など適切な処置を行う。
2).無顆粒球症:無顆粒球症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
3).天疱瘡様症状:天疱瘡様症状が現れることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
4).高カリウム血症:重篤な高カリウム血症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行う。
2.類薬による重大な副作用
汎血球減少、急性腎障害、膵炎:他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤(カプトプリル又はエナラプリル)で、これらの副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
3.その他の副作用(頻度不明)
1).腎臓:BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う]。
2).血液:白血球減少、貧血、血小板減少、好酸球増多[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う]。
3).過敏症:発疹、そう痒感[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う]。
4).循環器:起立性低血圧、胸部不快感、動悸。
5).呼吸器:咳嗽、咽喉頭異物感、喀痰増加。
6).精神神経系:眩暈、ふらつき感、頭痛、頭重、眠気、浮遊感、四肢しびれ感、口内しびれ感。
7).消化器:悪心、下痢、食欲不振、胃部不快感、胸やけ、口渇、口内炎。
8).味覚:味覚異常[このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う(通常、味覚異常は可逆的である)]。
9).肝臓:ALT上昇(GPT上昇)、AST上昇(GOT上昇)、γ−GTP上昇、Al−P上昇、黄疸。
10).その他:全身倦怠感、浮腫、顔面ほてり、血清カリウム値上昇、抗核抗体陽性例、低血糖。
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物投与中又はサクビトリルバルサルタンナトリウム水和物投与中止から36時間以内の患者[血管浮腫のリスクを増加させる可能性がある]。
3.血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある]。
4.デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中、トリプトファン固定化PVAを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中(PVA:ポリビニルアルコール)又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中の患者[ショックを起こすことがある]。
5.アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた血液透析施行中(AN69を用いた血液透析施行中)の患者[アナフィラキシーが発現することがある]。
6.妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
7.アリスキレン投与中の糖尿病患者(但し、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている]。
1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者。
2.高カリウム血症の患者。
3.重篤な腎機能障害のある患者。
4.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能悪化させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。
2.高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現する恐れがあるので、血清カリウム値に注意する。
3.アリスキレンを併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。なお、eGFRが60mL/分/1.73㎡未満の腎機能障害でアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける。
4.腎機能障害のある患者及び腎疾患の既往歴のある患者に投与する場合には、投与は少量かつ1日1回投与より開始し、増量を必要とする場合は、患者の状態を十分に観察しながら徐々に行う。
5.本剤の投与により次の患者では、初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、投与は少量より開始し、増量する場合は、患者の状態を十分に観察しながら徐々に行う:1)重症高血圧症患者、2)血液透析中の患者、3)利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)、4)厳重な減塩療法中の患者。
6.降圧作用に基づく眩暈、ふらつきが現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
7.手術前24時間は投与しないことが望ましい。
1.併用禁忌:
1).サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物<エンレスト>[血管浮腫が現れる恐れがあるので、サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物が投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止し、また、本剤投与終了後にサクビトリルバルサルタンナトリウム水和物を投与する場合は、本剤の最終投与から36時間後までは投与しない(併用により相加的にブラジキニンの分解が抑制される可能性がある)]。
2).デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシス施行<リポソーバー、セレソーブ>、トリプトファン固定化PVAを用いた吸着器によるアフェレーシス施行<イムソーバTR>(PVA:ポリビニルアルコール)又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシス施行<セルソーバ>[ショックを起こすことがある(陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートにより血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている)]。
3).アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析<AN69>[アナフィラキシーを発現することがある(多価イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている)]。
2.併用注意:
1).カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、カリウム補給剤(塩化カリウム<補給剤>等)[血清カリウム値が上昇することがある(本剤によりアンジオテンシン2が低下してアルドステロンの分泌減少を来し、カリウム排泄量が少なくなるので、特に腎機能障害のある患者では注意する)]。
2).アリスキレン[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)、なお、eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける(併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
3).アンジオテンシン2受容体拮抗剤[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
4).カリジノゲナーゼ製剤[本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある(カリジノゲナーゼによるキニン産生作用とアンジオテンシン変換酵素阻害剤のキニン分解抑制作用により、キニン系が亢進し、血管平滑筋の弛緩が増強されると考えられる)]。
5).利尿降圧剤(チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)、ループ利尿剤等)、減塩療法、血液透析の治療[本剤を初めて併用する場合、降圧作用が増強する恐れがあるので、減量するなど慎重に投与する(利尿降圧剤の投与中や減塩療法、血液透析の治療中には血漿レニン活性が上昇しており、本剤の投与により急激な血圧低下を来す)]。
6).リチウム[他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用によりリチウム中毒(カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル)が報告されているので、本剤においても血中のリチウム濃度に注意する(リチウムとナトリウムは近位尿細管で競合的に再吸収されており、本剤によるナトリウム排泄作用によりリチウムの再吸収が促進される)]。
7).アロプリノール[過敏症状<Stevens−Johnson症候群・関節痛等>が発現したとの報告があるので、患者の状態を注意深く観察し、発熱を伴う発疹等の過敏症状が発現した場合には直ちに両剤の投与を中止する(機序は不明であるが、特に腎機能障害のある患者では注意する)]。
8).非ステロイド性消炎鎮痛剤:
(1).非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、本剤のプロスタグランジンを介した降圧作用が減弱される)]。
(2).非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[腎機能低下している患者では、更に腎機能が悪化する恐れがある(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる)]。
(高齢者への投与)
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する[高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しない。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する[妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢拘縮、頭蓋顔面変形、肺低形成等が現れたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある]。
2.妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意する。
1).本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認する。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する。
2).次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明する。また、投与中も必要に応じ説明する。
(1).妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがある。
(2).妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談する。
(3).妊娠を計画する場合は、担当医に相談する。
[妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を使用し、胎児への影響・新生児への影響(腎不全、頭蓋形成不全・肺形成不全・腎形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている]。
3.授乳中の女性に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
尿中ケトン(アセトン)が偽陽性を呈することがある。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
安定性試験:本品につき加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、本品は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより低血糖が起こりやすいとの報告がある。
気密容器。
薬効分類 | 血圧降下薬 > アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬 |
一般名 | アラセプリル50mg錠 |
薬価 | 9.8円 |
メーカー | 日医工 |
最終更新 | 2023年05月改訂(第5版) |
アラセプリルとして1日25〜75mgを1〜2回に分割経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。なお、重症例においても1日最大投与量は100mgまでとする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
重篤な腎機能障害のある患者では、活性代謝物の血中濃度が上昇し、過度の血圧低下、腎機能悪化が起こる恐れがあるので、血清クレアチニン値が3mg/dLを超える場合には、投与量を減らすか又は投与間隔を延ばすなど慎重に投与する。
本態性高血圧症、腎性高血圧症。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).血管浮腫:呼吸困難を伴う顔面腫脹、舌腫脹、声門腫脹、喉頭腫脹を症状とする血管浮腫が現れることがあるので、このような場合には、直ちに投与を中止し、気道の確保など適切な処置を行う。
2).無顆粒球症:無顆粒球症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
3).天疱瘡様症状:天疱瘡様症状が現れることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
4).高カリウム血症:重篤な高カリウム血症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行う。
2.類薬による重大な副作用
汎血球減少、急性腎障害、膵炎:他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤(カプトプリル又はエナラプリル)で、これらの副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
3.その他の副作用(頻度不明)
1).腎臓:BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う]。
2).血液:白血球減少、貧血、血小板減少、好酸球増多[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う]。
3).過敏症:発疹、そう痒感[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う]。
4).循環器:起立性低血圧、胸部不快感、動悸。
5).呼吸器:咳嗽、咽喉頭異物感、喀痰増加。
6).精神神経系:眩暈、ふらつき感、頭痛、頭重、眠気、浮遊感、四肢しびれ感、口内しびれ感。
7).消化器:悪心、下痢、食欲不振、胃部不快感、胸やけ、口渇、口内炎。
8).味覚:味覚異常[このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う(通常、味覚異常は可逆的である)]。
9).肝臓:ALT上昇(GPT上昇)、AST上昇(GOT上昇)、γ−GTP上昇、Al−P上昇、黄疸。
10).その他:全身倦怠感、浮腫、顔面ほてり、血清カリウム値上昇、抗核抗体陽性例、低血糖。
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物投与中又はサクビトリルバルサルタンナトリウム水和物投与中止から36時間以内の患者[血管浮腫のリスクを増加させる可能性がある]。
3.血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある]。
4.デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中、トリプトファン固定化PVAを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中(PVA:ポリビニルアルコール)又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中の患者[ショックを起こすことがある]。
5.アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた血液透析施行中(AN69を用いた血液透析施行中)の患者[アナフィラキシーが発現することがある]。
6.妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
7.アリスキレン投与中の糖尿病患者(但し、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている]。
1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者。
2.高カリウム血症の患者。
3.重篤な腎機能障害のある患者。
4.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能悪化させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。
2.高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現する恐れがあるので、血清カリウム値に注意する。
3.アリスキレンを併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。なお、eGFRが60mL/分/1.73㎡未満の腎機能障害でアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける。
4.腎機能障害のある患者及び腎疾患の既往歴のある患者に投与する場合には、投与は少量かつ1日1回投与より開始し、増量を必要とする場合は、患者の状態を十分に観察しながら徐々に行う。
5.本剤の投与により次の患者では、初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、投与は少量より開始し、増量する場合は、患者の状態を十分に観察しながら徐々に行う:1)重症高血圧症患者、2)血液透析中の患者、3)利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)、4)厳重な減塩療法中の患者。
6.降圧作用に基づく眩暈、ふらつきが現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
7.手術前24時間は投与しないことが望ましい。
1.併用禁忌:
1).サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物<エンレスト>[血管浮腫が現れる恐れがあるので、サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物が投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止し、また、本剤投与終了後にサクビトリルバルサルタンナトリウム水和物を投与する場合は、本剤の最終投与から36時間後までは投与しない(併用により相加的にブラジキニンの分解が抑制される可能性がある)]。
2).デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシス施行<リポソーバー、セレソーブ>、トリプトファン固定化PVAを用いた吸着器によるアフェレーシス施行<イムソーバTR>(PVA:ポリビニルアルコール)又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシス施行<セルソーバ>[ショックを起こすことがある(陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートにより血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている)]。
3).アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析<AN69>[アナフィラキシーを発現することがある(多価イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている)]。
2.併用注意:
1).カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、カリウム補給剤(塩化カリウム<補給剤>等)[血清カリウム値が上昇することがある(本剤によりアンジオテンシン2が低下してアルドステロンの分泌減少を来し、カリウム排泄量が少なくなるので、特に腎機能障害のある患者では注意する)]。
2).アリスキレン[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)、なお、eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける(併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
3).アンジオテンシン2受容体拮抗剤[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
4).カリジノゲナーゼ製剤[本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある(カリジノゲナーゼによるキニン産生作用とアンジオテンシン変換酵素阻害剤のキニン分解抑制作用により、キニン系が亢進し、血管平滑筋の弛緩が増強されると考えられる)]。
5).利尿降圧剤(チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)、ループ利尿剤等)、減塩療法、血液透析の治療[本剤を初めて併用する場合、降圧作用が増強する恐れがあるので、減量するなど慎重に投与する(利尿降圧剤の投与中や減塩療法、血液透析の治療中には血漿レニン活性が上昇しており、本剤の投与により急激な血圧低下を来す)]。
6).リチウム[他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用によりリチウム中毒(カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル)が報告されているので、本剤においても血中のリチウム濃度に注意する(リチウムとナトリウムは近位尿細管で競合的に再吸収されており、本剤によるナトリウム排泄作用によりリチウムの再吸収が促進される)]。
7).アロプリノール[過敏症状<Stevens−Johnson症候群・関節痛等>が発現したとの報告があるので、患者の状態を注意深く観察し、発熱を伴う発疹等の過敏症状が発現した場合には直ちに両剤の投与を中止する(機序は不明であるが、特に腎機能障害のある患者では注意する)]。
8).非ステロイド性消炎鎮痛剤:
(1).非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、本剤のプロスタグランジンを介した降圧作用が減弱される)]。
(2).非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[腎機能低下している患者では、更に腎機能が悪化する恐れがある(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる)]。
(高齢者への投与)
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する[高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しない。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する[妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢拘縮、頭蓋顔面変形、肺低形成等が現れたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある]。
2.妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意する。
1).本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認する。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する。
2).次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明する。また、投与中も必要に応じ説明する。
(1).妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがある。
(2).妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談する。
(3).妊娠を計画する場合は、担当医に相談する。
[妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を使用し、胎児への影響・新生児への影響(腎不全、頭蓋形成不全・肺形成不全・腎形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている]。
3.授乳中の女性に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
尿中ケトン(アセトン)が偽陽性を呈することがある。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
安定性試験:本品につき加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、本品は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより低血糖が起こりやすいとの報告がある。
気密容器。
薬剤写真、用法用量、効能効果や後発品の情報が一度に参照でき、関連情報へ簡単にアクセスができます。
一般名、製品名どちらでも検索可能!
※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。