薬剤情報
後発品
薬効分類下垂体後葉ホルモン > 抗利尿ホルモン
一般名デスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠
薬価132.9
メーカーフェリング・ファーマ
最終更新2023年11月改訂(第3版)

用法・用量

〈尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症〉

通常、1日1回就寝前にデスモプレシンとして120μgから経口投与し、効果不十分な場合は、1日1回就寝前にデスモプレシンとして240μgに増量することができる。

〈中枢性尿崩症〉

通常、デスモプレシンとして1回60〜120μgを1日1〜3回経口投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減するが、1回投与量は240μgまでとし、1日投与量は720μgを超えないこと。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉低ナトリウム血症の発現を防止するため、低用量から本剤の投与を開始し、また、投与量の増量は慎重に行うこと〔11.1.1参照〕。

7.2. 〈効能共通〉本剤を食後投与から食前投与に変更した場合、投与後に血漿中デスモプレシン濃度が高くなり有害事象の発現リスクが上昇する可能性があることに留意して、患者ごとに本剤の投与と食事のタイミングを検討すること〔16.2.1参照〕。

7.3. 〈効能共通〉食直後投与では目的とする有効性が得られない可能性があるため、食直後の投与は避けることが望ましい〔16.2.1参照〕。

7.4. 〈効能共通〉夜尿症及び中枢性尿崩症の治療における水分摂取管理の重要性を考慮し、本剤は水なしで飲む(なお、本剤は口の中(舌下)に入れると速やかに溶ける)。

7.5. 〈夜尿症〉本疾患は年齢とともに自然に軽快、治癒する傾向がみられるので、定期的(3ヵ月前後)に治療を1〜2週間中止して患者の夜尿状況を観察するなど、漫然と本剤の投与を継続しないこと。

7.6. 〈中枢性尿崩症〉小児の中枢性尿崩症の治療において本剤60μg投与で過量投与が懸念される場合は、デスモプレシン経鼻製剤の使用を考慮すること〔9.7小児等の項参照〕。

効能・効果

1). 中枢性尿崩症。

2). 尿浸透圧の低下に伴う夜尿症あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈夜尿症〉本剤は原則として6歳以上の患者に使用すること〔9.7小児等の項、17.1.1参照〕。

5.2. 〈夜尿症〉夜尿症の場合、本剤使用前に観察期を設け、起床時尿を採取し、夜尿翌朝尿浸透圧の平均値が800mOsm/L以下あるいは尿比重の平均値が1.022以下を目安とし尿浸透圧あるいは尿比重が低下していることを確認すること〔17.1.1参照〕。

5.3. 〈中枢性尿崩症〉多飲・多尿・低比重尿を示す疾患として中枢性尿崩症(バソプレシン感受性尿崩症)・心因性多飲症・腎性尿崩症・高カルシウム血症に基づく多尿症があるので、これら各種疾患に基づく多尿を鑑別し、バソプレシン欠乏による尿崩症のみに使用すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 脳浮腫、昏睡、痙攣等を伴う重篤な水中毒(頻度不明):異常が認められた場合には投与を中止して、水分摂取を制限し、必要な場合は対症療法を行うなど、患者の状況に応じて処置すること〔1.警告の項、2.1−2.4、7.1、8.1、8.2、8.4、8.5、9.1.2、10.2参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 代謝:(10%以上)低ナトリウム血症、(頻度不明)浮腫。

2). 精神神経系:(1〜2%未満)頭痛、(頻度不明)強直性痙攣、眠気、めまい、不眠、情動障害、攻撃性、悪夢、異常行動。

3). 過敏症:(頻度不明)全身そう痒感、発疹、顔面浮腫、じん麻疹。

4). 消化器:(1〜2%未満)腹痛、(頻度不明)悪心・嘔吐、食欲不振。

5). 循環器:(頻度不明)顔面蒼白、のぼせ。

6). その他:(1〜2%未満)全身倦怠感、口渇、肝機能異常、(頻度不明)発汗、発熱。

警告

デスモプレシン酢酸塩水和物を夜尿症に対し使用した患者で重篤な低ナトリウム血症による痙攣が報告されていることから、患者及びその家族に対して、水中毒(低ナトリウム血症)が発現する場合があること、水分摂取管理の重要性について十分説明・指導すること〔8.1、8.2、11.1.1参照〕。

禁忌

2.1. 低ナトリウム血症の患者[低ナトリウム血症を増悪させるおそれがある]〔11.1.1参照〕。

2.2. 習慣性多飲症又は心因性多飲症の患者(尿生成量が40mL/kg/24時間を超える)[低ナトリウム血症が発現しやすい]〔11.1.1参照〕。

2.3. 心不全の既往歴又はその疑いがあり利尿薬による治療を要する患者[低ナトリウム血症が発現しやすい]〔11.1.1参照〕。

2.4. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の患者[低ナトリウム血症が発現しやすい]〔11.1.1参照〕。

2.5. 中等度以上の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満)〔9.2.1参照〕。

2.6. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 〈夜尿症〉本剤投与中に水中毒症状を来すことがあるので、次の点に注意すること〔1.警告の項、11.1.1参照〕。

・ 〈夜尿症〉過度の飲水を避け、点滴・輸液による水分摂取にも注意すること。

・ 〈夜尿症〉本剤による治療を1週間以上続ける場合には、血漿浸透圧及び血清ナトリウム値の検査を実施すること。

・ 〈夜尿症〉本剤投与中は定期的(1ヵ月毎)に患者の状態を観察し、水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)の発現に十分注意すること。

8.2. 〈夜尿症〉水中毒の発現を予防するために患者及びその家族に次の点について十分説明・指導すること〔1.警告の項、11.1.1参照〕。

・ 〈夜尿症〉夜尿症の場合、投与の2〜3時間前(夕食後)より翌朝迄の飲水は極力避けること。過度に飲水してしまった場合は本剤の投与を行わないこと。夜尿症で水分や電解質のバランスが崩れ、水分補給が必要となる急性疾患(全身性感染症、発熱、胃腸炎等)を合併している場合は本剤の投与を中止すること。

・ 〈夜尿症〉夜尿症の場合、就眠前の排尿を徹底し、指示された投与量を厳守すること。

・ 〈夜尿症〉水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)があらわれた場合には直ちに投与を中断し、速やかに医師に連絡すること。

・ 〈夜尿症〉他院や他科を受診する際には、本剤投与中である旨を担当医師に報告すること。

8.3. 〈中枢性尿崩症〉口渇中枢異常を伴う症候性尿崩症の患者では水出納のバランスがくずれやすいので、本剤投与中は血清ナトリウム値に十分注意すること。

8.4. 〈中枢性尿崩症〉本剤投与中に水中毒症状を来すことがあるので、次の点に注意すること〔11.1.1参照〕。

・ 〈中枢性尿崩症〉過度の飲水を避け、点滴・輸液による水分摂取にも注意すること。

・ 〈中枢性尿崩症〉適正な飲水量及び適正な用法の習得並びに維持量を決定するまで、入院するなど必要な処置をとることが望ましい。

・ 〈中枢性尿崩症〉本剤投与中は患者の状態を観察し、水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)の発現に十分注意すること。

8.5. 〈中枢性尿崩症〉水中毒の発現を予防するために患者及びその家族に次の点について十分説明・指導すること〔11.1.1参照〕。

・ 〈中枢性尿崩症〉中枢性尿崩症の場合、指示された飲水量、用法・用量を厳守すること。

・ 〈中枢性尿崩症〉過度に飲水してしまった場合は本剤の投与を行わないこと(発熱、喘息等の飲水が増加する疾患を合併している場合は特に注意すること)。

・ 〈中枢性尿崩症〉水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)があらわれた場合には直ちに投与を中断し、速やかに医師に連絡すること。

・ 〈中枢性尿崩症〉他院や他科を受診する際には、本剤投与中である旨を担当医師に報告すること。

8.6. 〈中枢性尿崩症〉中枢性尿崩症の場合、尿量が自然に減少する患者がいるので観察を十分にし、漫然と投与しないこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 高血圧を伴う循環器疾患、高度動脈硬化症、冠動脈血栓症、狭心症の患者:血圧上昇により症状を悪化させるおそれがある。

9.1.2. 下垂体前葉不全を伴う患者:低ナトリウム血症が発現しやすい〔11.1.1参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 中等度以上の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満):投与しないこと(血中半減期の延長、血中濃度の増加が認められる)〔2.5、16.6.1参照〕。

9.2.2. 軽度腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50〜80mL/分):血中半減期の延長、血中濃度の増加が認められる〔16.6.1参照〕。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミンマレイン酸塩等)、その他の抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を惹起する薬剤(クロルプロマジン、カルバマゼピン、クロルプロパミド等)〔11.1.1参照〕[低ナトリウム血症性の痙攣発作の報告があるので、血清ナトリウム、血漿浸透圧等をモニターすること(抗利尿ホルモンを分泌し、水分貯留のリスクを増すことがある)]。

2). 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)〔11.1.1参照〕[水中毒が発現しやすい可能性があるため、浮腫等の発現に注意すること(水分貯留のリスクを増すことがある)]。

3). ロペラミド塩酸塩〔11.1.1、16.7参照〕[本剤の血中濃度が増加し薬効が延長する可能性がある(抗利尿作用が持続することで、水分貯留/低ナトリウム血症のリスクを増す可能性がある)]。

4). 低ナトリウム血症を起こすおそれがある薬剤(チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)、チアジド系類似剤(インダパミド等)、ループ利尿剤(フロセミド等)、スピロノラクトン、オメプラゾール等)〔11.1.1参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある)]。

高齢者

症状を観察しながら慎重に投与すること(生理機能が低下している)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中の投与に関する観察研究において、新生児1例に奇形が認められ、また、文献報告にて、新生児6例に本剤投与と直接的な影響は考えにくいが低出生体重児・先天性奇形等の異常が認められている)。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中へ移行することが報告されている)。

小児等

低出生体重児、新生児、乳児及び6歳未満の幼児を対象とした国内臨床試験は実施していない〔5.1、7.6参照〕。

過量投与

13.1. 症状

過量投与(用法・用量を超える量)により水分貯留並びに低ナトリウム血症のリスクが高まり、頭痛、冷感、悪心、痙攣、意識喪失等があらわれることがある。

13.2. 処置

過量投与時には、投与を中止して、水分摂取を制限し、必要な場合は対症療法を行うなど、患者の状況に応じて処置し、また、症状の改善がみられない場合には専門的な知識を有する医師による治療を考慮すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. 本剤はブリスターシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.1.2. 本剤は開封したとき水分と光に不安定なため、使用直前にブリスターシートから取り出すこと。

14.1.3. ブリスターシートから取り出す際、裏面のシートを剥がした後ゆっくりと指の腹で押し出し、欠けや割れが生じた場合は全量服用する(錠剤に比べてやわらかい為シートを剥がさずに押し出そうとすると割れることがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

夜間頻尿を対象とした経鼻製剤の海外臨床試験において、因果関係は明らかではないが、血清ナトリウム値125mmol/L以下となった5例のうち4例に副腎皮質ステロイド剤が併用されていたとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

動物実験(ラット)で泌乳低下(母乳の出が悪くなる)の可能性が示唆されている。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

ミニリンメルトOD錠120μg
後発品はありません
ミニリンメルトOD錠120μg
ミニリンメルトOD錠120μg

ミニリンメルトOD錠120μg

下垂体後葉ホルモン > 抗利尿ホルモン
2023年11月改訂(第3版)
薬剤情報
後発品
薬効分類下垂体後葉ホルモン > 抗利尿ホルモン
一般名デスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠
薬価132.9
メーカーフェリング・ファーマ
最終更新2023年11月改訂(第3版)

用法・用量

〈尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症〉

通常、1日1回就寝前にデスモプレシンとして120μgから経口投与し、効果不十分な場合は、1日1回就寝前にデスモプレシンとして240μgに増量することができる。

〈中枢性尿崩症〉

通常、デスモプレシンとして1回60〜120μgを1日1〜3回経口投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減するが、1回投与量は240μgまでとし、1日投与量は720μgを超えないこと。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉低ナトリウム血症の発現を防止するため、低用量から本剤の投与を開始し、また、投与量の増量は慎重に行うこと〔11.1.1参照〕。

7.2. 〈効能共通〉本剤を食後投与から食前投与に変更した場合、投与後に血漿中デスモプレシン濃度が高くなり有害事象の発現リスクが上昇する可能性があることに留意して、患者ごとに本剤の投与と食事のタイミングを検討すること〔16.2.1参照〕。

7.3. 〈効能共通〉食直後投与では目的とする有効性が得られない可能性があるため、食直後の投与は避けることが望ましい〔16.2.1参照〕。

7.4. 〈効能共通〉夜尿症及び中枢性尿崩症の治療における水分摂取管理の重要性を考慮し、本剤は水なしで飲む(なお、本剤は口の中(舌下)に入れると速やかに溶ける)。

7.5. 〈夜尿症〉本疾患は年齢とともに自然に軽快、治癒する傾向がみられるので、定期的(3ヵ月前後)に治療を1〜2週間中止して患者の夜尿状況を観察するなど、漫然と本剤の投与を継続しないこと。

7.6. 〈中枢性尿崩症〉小児の中枢性尿崩症の治療において本剤60μg投与で過量投与が懸念される場合は、デスモプレシン経鼻製剤の使用を考慮すること〔9.7小児等の項参照〕。

効能・効果

1). 中枢性尿崩症。

2). 尿浸透圧の低下に伴う夜尿症あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈夜尿症〉本剤は原則として6歳以上の患者に使用すること〔9.7小児等の項、17.1.1参照〕。

5.2. 〈夜尿症〉夜尿症の場合、本剤使用前に観察期を設け、起床時尿を採取し、夜尿翌朝尿浸透圧の平均値が800mOsm/L以下あるいは尿比重の平均値が1.022以下を目安とし尿浸透圧あるいは尿比重が低下していることを確認すること〔17.1.1参照〕。

5.3. 〈中枢性尿崩症〉多飲・多尿・低比重尿を示す疾患として中枢性尿崩症(バソプレシン感受性尿崩症)・心因性多飲症・腎性尿崩症・高カルシウム血症に基づく多尿症があるので、これら各種疾患に基づく多尿を鑑別し、バソプレシン欠乏による尿崩症のみに使用すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 脳浮腫、昏睡、痙攣等を伴う重篤な水中毒(頻度不明):異常が認められた場合には投与を中止して、水分摂取を制限し、必要な場合は対症療法を行うなど、患者の状況に応じて処置すること〔1.警告の項、2.1−2.4、7.1、8.1、8.2、8.4、8.5、9.1.2、10.2参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 代謝:(10%以上)低ナトリウム血症、(頻度不明)浮腫。

2). 精神神経系:(1〜2%未満)頭痛、(頻度不明)強直性痙攣、眠気、めまい、不眠、情動障害、攻撃性、悪夢、異常行動。

3). 過敏症:(頻度不明)全身そう痒感、発疹、顔面浮腫、じん麻疹。

4). 消化器:(1〜2%未満)腹痛、(頻度不明)悪心・嘔吐、食欲不振。

5). 循環器:(頻度不明)顔面蒼白、のぼせ。

6). その他:(1〜2%未満)全身倦怠感、口渇、肝機能異常、(頻度不明)発汗、発熱。

警告

デスモプレシン酢酸塩水和物を夜尿症に対し使用した患者で重篤な低ナトリウム血症による痙攣が報告されていることから、患者及びその家族に対して、水中毒(低ナトリウム血症)が発現する場合があること、水分摂取管理の重要性について十分説明・指導すること〔8.1、8.2、11.1.1参照〕。

禁忌

2.1. 低ナトリウム血症の患者[低ナトリウム血症を増悪させるおそれがある]〔11.1.1参照〕。

2.2. 習慣性多飲症又は心因性多飲症の患者(尿生成量が40mL/kg/24時間を超える)[低ナトリウム血症が発現しやすい]〔11.1.1参照〕。

2.3. 心不全の既往歴又はその疑いがあり利尿薬による治療を要する患者[低ナトリウム血症が発現しやすい]〔11.1.1参照〕。

2.4. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の患者[低ナトリウム血症が発現しやすい]〔11.1.1参照〕。

2.5. 中等度以上の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満)〔9.2.1参照〕。

2.6. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 〈夜尿症〉本剤投与中に水中毒症状を来すことがあるので、次の点に注意すること〔1.警告の項、11.1.1参照〕。

・ 〈夜尿症〉過度の飲水を避け、点滴・輸液による水分摂取にも注意すること。

・ 〈夜尿症〉本剤による治療を1週間以上続ける場合には、血漿浸透圧及び血清ナトリウム値の検査を実施すること。

・ 〈夜尿症〉本剤投与中は定期的(1ヵ月毎)に患者の状態を観察し、水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)の発現に十分注意すること。

8.2. 〈夜尿症〉水中毒の発現を予防するために患者及びその家族に次の点について十分説明・指導すること〔1.警告の項、11.1.1参照〕。

・ 〈夜尿症〉夜尿症の場合、投与の2〜3時間前(夕食後)より翌朝迄の飲水は極力避けること。過度に飲水してしまった場合は本剤の投与を行わないこと。夜尿症で水分や電解質のバランスが崩れ、水分補給が必要となる急性疾患(全身性感染症、発熱、胃腸炎等)を合併している場合は本剤の投与を中止すること。

・ 〈夜尿症〉夜尿症の場合、就眠前の排尿を徹底し、指示された投与量を厳守すること。

・ 〈夜尿症〉水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)があらわれた場合には直ちに投与を中断し、速やかに医師に連絡すること。

・ 〈夜尿症〉他院や他科を受診する際には、本剤投与中である旨を担当医師に報告すること。

8.3. 〈中枢性尿崩症〉口渇中枢異常を伴う症候性尿崩症の患者では水出納のバランスがくずれやすいので、本剤投与中は血清ナトリウム値に十分注意すること。

8.4. 〈中枢性尿崩症〉本剤投与中に水中毒症状を来すことがあるので、次の点に注意すること〔11.1.1参照〕。

・ 〈中枢性尿崩症〉過度の飲水を避け、点滴・輸液による水分摂取にも注意すること。

・ 〈中枢性尿崩症〉適正な飲水量及び適正な用法の習得並びに維持量を決定するまで、入院するなど必要な処置をとることが望ましい。

・ 〈中枢性尿崩症〉本剤投与中は患者の状態を観察し、水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)の発現に十分注意すること。

8.5. 〈中枢性尿崩症〉水中毒の発現を予防するために患者及びその家族に次の点について十分説明・指導すること〔11.1.1参照〕。

・ 〈中枢性尿崩症〉中枢性尿崩症の場合、指示された飲水量、用法・用量を厳守すること。

・ 〈中枢性尿崩症〉過度に飲水してしまった場合は本剤の投与を行わないこと(発熱、喘息等の飲水が増加する疾患を合併している場合は特に注意すること)。

・ 〈中枢性尿崩症〉水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)があらわれた場合には直ちに投与を中断し、速やかに医師に連絡すること。

・ 〈中枢性尿崩症〉他院や他科を受診する際には、本剤投与中である旨を担当医師に報告すること。

8.6. 〈中枢性尿崩症〉中枢性尿崩症の場合、尿量が自然に減少する患者がいるので観察を十分にし、漫然と投与しないこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 高血圧を伴う循環器疾患、高度動脈硬化症、冠動脈血栓症、狭心症の患者:血圧上昇により症状を悪化させるおそれがある。

9.1.2. 下垂体前葉不全を伴う患者:低ナトリウム血症が発現しやすい〔11.1.1参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 中等度以上の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満):投与しないこと(血中半減期の延長、血中濃度の増加が認められる)〔2.5、16.6.1参照〕。

9.2.2. 軽度腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50〜80mL/分):血中半減期の延長、血中濃度の増加が認められる〔16.6.1参照〕。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミンマレイン酸塩等)、その他の抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を惹起する薬剤(クロルプロマジン、カルバマゼピン、クロルプロパミド等)〔11.1.1参照〕[低ナトリウム血症性の痙攣発作の報告があるので、血清ナトリウム、血漿浸透圧等をモニターすること(抗利尿ホルモンを分泌し、水分貯留のリスクを増すことがある)]。

2). 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)〔11.1.1参照〕[水中毒が発現しやすい可能性があるため、浮腫等の発現に注意すること(水分貯留のリスクを増すことがある)]。

3). ロペラミド塩酸塩〔11.1.1、16.7参照〕[本剤の血中濃度が増加し薬効が延長する可能性がある(抗利尿作用が持続することで、水分貯留/低ナトリウム血症のリスクを増す可能性がある)]。

4). 低ナトリウム血症を起こすおそれがある薬剤(チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)、チアジド系類似剤(インダパミド等)、ループ利尿剤(フロセミド等)、スピロノラクトン、オメプラゾール等)〔11.1.1参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある)]。

高齢者

症状を観察しながら慎重に投与すること(生理機能が低下している)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中の投与に関する観察研究において、新生児1例に奇形が認められ、また、文献報告にて、新生児6例に本剤投与と直接的な影響は考えにくいが低出生体重児・先天性奇形等の異常が認められている)。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中へ移行することが報告されている)。

小児等

低出生体重児、新生児、乳児及び6歳未満の幼児を対象とした国内臨床試験は実施していない〔5.1、7.6参照〕。

過量投与

13.1. 症状

過量投与(用法・用量を超える量)により水分貯留並びに低ナトリウム血症のリスクが高まり、頭痛、冷感、悪心、痙攣、意識喪失等があらわれることがある。

13.2. 処置

過量投与時には、投与を中止して、水分摂取を制限し、必要な場合は対症療法を行うなど、患者の状況に応じて処置し、また、症状の改善がみられない場合には専門的な知識を有する医師による治療を考慮すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. 本剤はブリスターシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.1.2. 本剤は開封したとき水分と光に不安定なため、使用直前にブリスターシートから取り出すこと。

14.1.3. ブリスターシートから取り出す際、裏面のシートを剥がした後ゆっくりと指の腹で押し出し、欠けや割れが生じた場合は全量服用する(錠剤に比べてやわらかい為シートを剥がさずに押し出そうとすると割れることがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

夜間頻尿を対象とした経鼻製剤の海外臨床試験において、因果関係は明らかではないが、血清ナトリウム値125mmol/L以下となった5例のうち4例に副腎皮質ステロイド剤が併用されていたとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

動物実験(ラット)で泌乳低下(母乳の出が悪くなる)の可能性が示唆されている。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

後発品はありません
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