薬剤情報
後発品
薬効分類冠血管拡張薬 > αβ遮断薬 血圧降下薬 > αβ遮断薬 抗不整脈薬 > αβ遮断薬
一般名アロチノロール塩酸塩錠
薬価14.8
メーカー住友ファーマ
最終更新2023年10月改訂(第1版)

用法・用量

〈本態性高血圧症(軽症〜中等症)、狭心症、頻脈性不整脈〉

通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として、1日20mgを2回に分けて経口投与する。

なお、年齢・症状等により適宜増減することとするが、効果不十分な場合は、1日30mgまで増量することができる。

〈本態性振戦〉

通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として、1日量10mgから開始し、効果不十分な場合は、1日20mgを維持量として2回に分けて経口投与する。

なお、年齢・症状等により適宜増減するが1日30mgを超えないこととする。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者には、本剤を単独で投与しないこと(褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者に投与する場合には、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること)〔2.7、9.1.1参照〕。

効能・効果

1). 本態性高血圧症<軽症〜中等症>。

2). 狭心症。

3). 頻脈性不整脈。

4). 本態性振戦。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

〈本態性振戦〉十分な観察、診断により類似の振戦を生ずる他の疾患との区別を行い、本態性振戦と鑑別された症例のみに投与すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 心不全、房室ブロック、洞房ブロック、洞不全症候群(いずれも0.1%未満)、徐脈(0.1〜5%未満)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 循環器:(0.1〜5%未満)胸痛・胸部不快感、めまい・ふらつき、立ちくらみ、低血圧、(0.1%未満)心房細動、末梢循環障害(レイノー症状、冷感等)、動悸・息切れ。

2). 精神神経系:(0.1〜5%未満)脱力感・倦怠感、頭痛・頭重、眠気、(0.1%未満)抑うつ、不眠。

3). 消化器:(0.1〜5%未満)軟便・下痢、腹部不快感、腹痛、悪心・嘔吐、(0.1%未満)食欲不振、消化不良、腹部膨満感、便秘。

4). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、(0.1%未満)ALP上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。

5). 呼吸器:(0.1%未満)気管支痙攣、喘鳴、咳嗽。

6). 泌尿・生殖器:(0.1%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇、(頻度不明)インポテンス。

7). 眼:(0.1%未満)霧視、眼精疲労。

8). 過敏症:(0.1%未満)発疹、じん麻疹、そう痒、灼熱感。

9). その他:(0.1〜5%未満)中性脂肪値上昇、尿酸値上昇、(0.1%未満)総コレステロール上昇、空腹時血糖値上昇、CK上昇、白血球増多、浮腫、しびれ、心胸郭比増大、筋肉痛、口渇、(頻度不明)脱毛。

発現頻度は使用成績調査を含む。

禁忌

2.1. 高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2・3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある]。

2.2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある]。

2.3. 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[気管支を収縮させ喘息症状の誘発、悪化を起こすおそれがある]。

2.4. 心原性ショックのある患者[心機能を抑制し症状が悪化するおそれがある]。

2.5. 肺高血圧による右心不全のある患者[心機能を抑制し症状が悪化するおそれがある]。

2.6. うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し症状が悪化するおそれがある]。

2.7. 未治療の褐色細胞腫又は未治療のパラガングリオーマの患者〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.1.1参照〕。

2.8. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

2.9. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉投与が長期間にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止すること(また、必要に応じアトロピンを使用すること)。

なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

8.2. 〈効能共通〉類似化合物(プロプラノロール)使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。

また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること〔9.8高齢者の項参照〕。

8.3. 〈効能共通〉手術前48時間は投与しないことが望ましい。

8.4. 〈効能共通〉めまい・ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させること。

8.5. 〈本態性振戦〉徐脈、めまい、低血圧等が高血圧患者に投与した時にくらべ、多くみられることがあるので観察を十分に行い症状が認められた場合は減量又は中止するなどの適切な処置を行うこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:本剤投与により急激に血圧が上昇するおそれがある〔2.7、7.用法及び用量に関連する注意の項参照〕。

9.1.2. うっ血性心不全のおそれのある患者:観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること(心機能を抑制しうっ血性心不全の症状が悪化するおそれがある)。

9.1.3. 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者:血糖値に注意すること(低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい)。

9.1.4. 低血圧、徐脈、房室ブロック<1度>のある患者:症状が悪化するおそれがある。

9.1.5. 末梢循環障害(レイノー症候群、間欠性跛行症等)を有する患者:末梢血管の拡張を抑制し症状が悪化するおそれがある。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:薬物の排泄が影響をうける可能性がある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:薬物の代謝が影響をうける可能性がある。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過剰の抑制を来すことがあるので、減量するなど慎重に投与すること(レセルピン等の交感神経抑制作用と本剤のβ遮断作用が相加的に作用する可能性がある)]。

2). 血糖降下剤[血糖降下作用が増強されることがある(血糖回復作用が本剤のβ遮断作用により妨げられる可能性があり、また、低血糖時の頻脈等の症状を本剤のβ遮断作用がマスクすることがある)]。

3). カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム等)[相互に作用が増強されることがある(両剤の陰性変力作用及び房室伝導抑制作用を相加的に増強する可能性がある)]。

4). クロニジン[クロニジンの投与中止後のリバウンド現象を増強し血圧が上昇する可能性がある(クロニジンはα2受容体に選択的に作用してノルアドレナリンの遊離を抑制しているため、急激な中止により血中ノルアドレナリンが上昇するが、β遮断作用が存在するとノルアドレナリンのα受容体刺激作用のみが働くため、急激な血圧上昇が発現する可能性がある)]。

5). クラス1抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド等)、アミオダロン、ソタロール[過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(両剤の心機能抑制作用を相加的に増強する可能性がある)]。

6). ジギタリス製剤[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>があらわれることがあるので、心機能に注意し、減量するなど慎重に投与すること(両剤の作用(心刺激伝導抑制作用)を相加的に増強する可能性がある)]。

7). フィンゴリモド[フィンゴリモドの投与開始時に併用すると徐脈が増強されることがある(ともに徐脈を引き起こすおそれがある)]。

8). 非ステロイド性抗炎症剤[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する)]。

9). 降圧作用を有する薬剤[降圧作用が増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(両剤の降圧作用を相加的に増強する可能性がある)]。

高齢者

次の点に注意し、少量(例えば5mg)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

・ 一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。

・ 過度の血圧低下や徐脈等が起こりやすい(心機能等が低下していることが多い)。

・ 休薬を要する場合は、徐々に減量する〔8.2参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット(Wistar系)における器官形成期投与試験において、臨床用量の250倍(100mg/kg)以上で腎盂拡大が、また600倍(250mg/kg)で視神経欠損の自然発生頻度の増加が報告されている〔2.8参照〕。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で母乳中への移行が、乳母哺育試験(ラット)で母体を介した生後発育の遅れが認められた)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等があらわれる可能性がある。

13.2. 処置

次のような処置を行うこと。

・ 過量投与時の徐脈、完全房室ブロック:アトロピン、イソプレナリン等の投与や心臓ペーシングを適用すること。

・ 過量投与時の心不全、低血圧:強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用すること。

・ 過量投与時の気管支痙攣:β2刺激剤の静注又はアミノフィリンの静注等の投与や補助呼吸を適用すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

アロチノロール塩酸塩錠10mg「DSP」
アロチノロール塩酸塩錠10mg「DSP」

アロチノロール塩酸塩錠10mg「DSP」

冠血管拡張薬 > αβ遮断薬 血圧降下薬 > αβ遮断薬 抗不整脈薬 > αβ遮断薬
2023年10月改訂(第1版)
薬剤情報
後発品
薬効分類冠血管拡張薬 > αβ遮断薬 血圧降下薬 > αβ遮断薬 抗不整脈薬 > αβ遮断薬
一般名アロチノロール塩酸塩錠
薬価14.8
メーカー住友ファーマ
最終更新2023年10月改訂(第1版)

用法・用量

〈本態性高血圧症(軽症〜中等症)、狭心症、頻脈性不整脈〉

通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として、1日20mgを2回に分けて経口投与する。

なお、年齢・症状等により適宜増減することとするが、効果不十分な場合は、1日30mgまで増量することができる。

〈本態性振戦〉

通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として、1日量10mgから開始し、効果不十分な場合は、1日20mgを維持量として2回に分けて経口投与する。

なお、年齢・症状等により適宜増減するが1日30mgを超えないこととする。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者には、本剤を単独で投与しないこと(褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者に投与する場合には、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること)〔2.7、9.1.1参照〕。

効能・効果

1). 本態性高血圧症<軽症〜中等症>。

2). 狭心症。

3). 頻脈性不整脈。

4). 本態性振戦。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

〈本態性振戦〉十分な観察、診断により類似の振戦を生ずる他の疾患との区別を行い、本態性振戦と鑑別された症例のみに投与すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 心不全、房室ブロック、洞房ブロック、洞不全症候群(いずれも0.1%未満)、徐脈(0.1〜5%未満)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 循環器:(0.1〜5%未満)胸痛・胸部不快感、めまい・ふらつき、立ちくらみ、低血圧、(0.1%未満)心房細動、末梢循環障害(レイノー症状、冷感等)、動悸・息切れ。

2). 精神神経系:(0.1〜5%未満)脱力感・倦怠感、頭痛・頭重、眠気、(0.1%未満)抑うつ、不眠。

3). 消化器:(0.1〜5%未満)軟便・下痢、腹部不快感、腹痛、悪心・嘔吐、(0.1%未満)食欲不振、消化不良、腹部膨満感、便秘。

4). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、(0.1%未満)ALP上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。

5). 呼吸器:(0.1%未満)気管支痙攣、喘鳴、咳嗽。

6). 泌尿・生殖器:(0.1%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇、(頻度不明)インポテンス。

7). 眼:(0.1%未満)霧視、眼精疲労。

8). 過敏症:(0.1%未満)発疹、じん麻疹、そう痒、灼熱感。

9). その他:(0.1〜5%未満)中性脂肪値上昇、尿酸値上昇、(0.1%未満)総コレステロール上昇、空腹時血糖値上昇、CK上昇、白血球増多、浮腫、しびれ、心胸郭比増大、筋肉痛、口渇、(頻度不明)脱毛。

発現頻度は使用成績調査を含む。

禁忌

2.1. 高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2・3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある]。

2.2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある]。

2.3. 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[気管支を収縮させ喘息症状の誘発、悪化を起こすおそれがある]。

2.4. 心原性ショックのある患者[心機能を抑制し症状が悪化するおそれがある]。

2.5. 肺高血圧による右心不全のある患者[心機能を抑制し症状が悪化するおそれがある]。

2.6. うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し症状が悪化するおそれがある]。

2.7. 未治療の褐色細胞腫又は未治療のパラガングリオーマの患者〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.1.1参照〕。

2.8. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

2.9. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉投与が長期間にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止すること(また、必要に応じアトロピンを使用すること)。

なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

8.2. 〈効能共通〉類似化合物(プロプラノロール)使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。

また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること〔9.8高齢者の項参照〕。

8.3. 〈効能共通〉手術前48時間は投与しないことが望ましい。

8.4. 〈効能共通〉めまい・ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させること。

8.5. 〈本態性振戦〉徐脈、めまい、低血圧等が高血圧患者に投与した時にくらべ、多くみられることがあるので観察を十分に行い症状が認められた場合は減量又は中止するなどの適切な処置を行うこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:本剤投与により急激に血圧が上昇するおそれがある〔2.7、7.用法及び用量に関連する注意の項参照〕。

9.1.2. うっ血性心不全のおそれのある患者:観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること(心機能を抑制しうっ血性心不全の症状が悪化するおそれがある)。

9.1.3. 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者:血糖値に注意すること(低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい)。

9.1.4. 低血圧、徐脈、房室ブロック<1度>のある患者:症状が悪化するおそれがある。

9.1.5. 末梢循環障害(レイノー症候群、間欠性跛行症等)を有する患者:末梢血管の拡張を抑制し症状が悪化するおそれがある。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:薬物の排泄が影響をうける可能性がある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:薬物の代謝が影響をうける可能性がある。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過剰の抑制を来すことがあるので、減量するなど慎重に投与すること(レセルピン等の交感神経抑制作用と本剤のβ遮断作用が相加的に作用する可能性がある)]。

2). 血糖降下剤[血糖降下作用が増強されることがある(血糖回復作用が本剤のβ遮断作用により妨げられる可能性があり、また、低血糖時の頻脈等の症状を本剤のβ遮断作用がマスクすることがある)]。

3). カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム等)[相互に作用が増強されることがある(両剤の陰性変力作用及び房室伝導抑制作用を相加的に増強する可能性がある)]。

4). クロニジン[クロニジンの投与中止後のリバウンド現象を増強し血圧が上昇する可能性がある(クロニジンはα2受容体に選択的に作用してノルアドレナリンの遊離を抑制しているため、急激な中止により血中ノルアドレナリンが上昇するが、β遮断作用が存在するとノルアドレナリンのα受容体刺激作用のみが働くため、急激な血圧上昇が発現する可能性がある)]。

5). クラス1抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド等)、アミオダロン、ソタロール[過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(両剤の心機能抑制作用を相加的に増強する可能性がある)]。

6). ジギタリス製剤[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>があらわれることがあるので、心機能に注意し、減量するなど慎重に投与すること(両剤の作用(心刺激伝導抑制作用)を相加的に増強する可能性がある)]。

7). フィンゴリモド[フィンゴリモドの投与開始時に併用すると徐脈が増強されることがある(ともに徐脈を引き起こすおそれがある)]。

8). 非ステロイド性抗炎症剤[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する)]。

9). 降圧作用を有する薬剤[降圧作用が増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(両剤の降圧作用を相加的に増強する可能性がある)]。

高齢者

次の点に注意し、少量(例えば5mg)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

・ 一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。

・ 過度の血圧低下や徐脈等が起こりやすい(心機能等が低下していることが多い)。

・ 休薬を要する場合は、徐々に減量する〔8.2参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット(Wistar系)における器官形成期投与試験において、臨床用量の250倍(100mg/kg)以上で腎盂拡大が、また600倍(250mg/kg)で視神経欠損の自然発生頻度の増加が報告されている〔2.8参照〕。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で母乳中への移行が、乳母哺育試験(ラット)で母体を介した生後発育の遅れが認められた)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等があらわれる可能性がある。

13.2. 処置

次のような処置を行うこと。

・ 過量投与時の徐脈、完全房室ブロック:アトロピン、イソプレナリン等の投与や心臓ペーシングを適用すること。

・ 過量投与時の心不全、低血圧:強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用すること。

・ 過量投与時の気管支痙攣:β2刺激剤の静注又はアミノフィリンの静注等の投与や補助呼吸を適用すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

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