薬効分類 | 骨吸収抑制薬 > 選択的エストロゲン受容体モジュレーター (SERM) |
一般名 | ラロキシフェン塩酸塩錠 |
薬価 | 23.9円 |
メーカー | シオノケミカル |
最終更新 | 2023年08月改訂(第1版) |
通常、ラロキシフェン塩酸塩として、1日1回60mgを経口投与する。
閉経後骨粗鬆症。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 静脈血栓塞栓症(頻度不明):深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症があらわれることがあるので、下肢疼痛・下肢浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等の症状が認められた場合には投与を中止すること〔2.1、8.1参照〕。
11.1.2. 肝機能障害(頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγ−GTP上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(頻度不明)ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板数減少。
2). 内分泌・代謝系:(2%未満)血中Al−P減少、(頻度不明)血清総蛋白減少、血中アルブミン減少、血清リン減少、血中カルシウム減少。
3). 消化器:(2%未満)嘔気、(頻度不明)腹部膨満、おくび。
4). 肝臓:(頻度不明)γ−GTP上昇。
5). 皮膚:(2〜5%未満)皮膚炎、皮膚そう痒症。
6). 生殖器:(2%未満)膣分泌物、(頻度不明)良性の子宮内腔液増加。
7). 乳房:(2〜5%未満)乳房緊満。
8). その他:(2〜5%未満)下肢痙攣、ほてり、(2%未満)多汗、(頻度不明)感覚減退、末梢性浮腫、表在性血栓性静脈炎、体重増加。
2.1. 深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者[これらの症状が増悪することがある]〔8.1、11.1.1参照〕。
2.2. 長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者〔8.2参照〕。
2.3. 抗リン脂質抗体症候群の患者[静脈血栓塞栓症を起こしやすいとの報告がある]。
2.4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦〔9.5妊婦、9.6授乳婦の項参照〕。
2.5. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤の服用により、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)があらわれることがあるので、患者に対しては、下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等のような症状が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること〔2.1、11.1.1参照〕。
8.2. 静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)のリスクが上昇するため、長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)に入る3日前には本剤の服用を中止し、完全に歩行可能になるまでは投与を再開しないこと〔2.2参照〕。
8.3. 患者のカルシウム及び/又はビタミンDの摂取量が十分でない場合は、カルシウム及び/又はビタミンDをそれぞれ補給すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 経口エストロゲン療法にて顕著な高トリグリセリド血症[>500mg/dL]の既往歴のある患者:血清トリグリセリド値のモニターを行うこと(本剤の服用により血清トリグリセリド上昇があらわれることがある)。
(腎機能障害患者)
腎機能障害患者:国内臨床試験では除外されている〔16.6.1参照〕。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:国内臨床試験では除外されている〔16.6.2参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 陰イオン交換樹脂<経口>(コレスチラミン<経口>)〔16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が低下する(本剤がコレスチラミンに吸着され、消化管内からの吸収量が低下することが知られており、その他の陰イオン交換樹脂についても同様の可能性が考えられる)]。
2). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[プロトロンビン時間の減少が報告されており、本剤による治療の開始あるいは終了の際、プロトロンビン時間を注意深くモニターする必要がある(機序は不明である)]。
3). アンピシリン〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が低下するおそれがある(アンピシリンにより腸内細菌叢が減少することにより本剤の腸肝循環が低下するためと考えられる)]。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(妊婦に本剤を投与した場合、胎児に悪影響を及ぼすおそれがあり、ウサギでは、流産及び低頻度で胎仔心奇形(胎仔心室中隔欠損)が認められ、ラットでは、胎仔発達遅延及び胎仔発育異常(胎仔波状肋骨、胎仔腎盂拡張)あるいは分娩遅延又は分娩困難、出生仔生存率低下、身体発育分化の変化、発育分化抑制や下垂体ホルモン変化、出生仔におけるリンパ球組織減少といった所見が認められ、また、高用量では、分娩困難による母動物死亡及び産仔死亡の報告がある)〔2.4参照〕。
(授乳婦)
授乳中の女性には投与しないこと(本剤がヒト乳汁中へ移行するかどうかは不明である)〔2.4参照〕。
13.1. 症状
1回120mg以上を服用した成人で下肢痙攣、浮動性めまいが報告されている。2歳未満の小児において180mgまで誤って服用したとの報告があり、失調、浮動性めまい、嘔吐、発疹、下痢、振戦、潮紅、Al−P上昇が報告されている。
13.2. 処置
過量投与時の特異的解毒剤はない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 外国における骨粗鬆症治療(骨折)試験において、本剤投与群はプラセボ群に比べわずかな子宮内膜厚増加を示したとの報告があり、臨床的に意味のある子宮内膜増殖であるとはされていないが、本剤治療中に子宮内膜異常(原因不明の子宮出血・性器出血、子宮内膜増殖等)が認められた場合には症状に応じて詳しい検査を行うこと。
15.1.2. 外国において、本剤と経口エストロゲン製剤併用中の閉経後女性で子宮内膜厚増加したとの報告がある。
15.1.3. 本剤投与により、対照群に比べ乳癌のリスクの上昇は認められていないが、本剤治療中に乳房に原因不明の異常が認められた場合には症状に応じて詳しい検査を行うこと。
15.1.4. 外国で実施された冠動脈疾患がある閉経後女性又は冠動脈疾患のリスクが高い閉経後女性を対象*とした試験において、本剤投与群において脳卒中による死亡率が高かったとの報告がある。脳卒中による死亡率はプラセボ投与群で1.5/1000人/年に対して本剤投与群で2.2/1000人/年であった。
*:本剤の承認された効能又は効果は閉経後骨粗鬆症である。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
雌ラット及びマウスにおけるがん原性試験の結果、卵巣腫瘍の発生が認められたとの報告があり、これらの所見は卵胞機能及び性ホルモンバランスの不均衡に起因する変化である可能性が高いと考えられ、げっ歯類に特異的な変化であることが知られている。長期臨床試験において、卵巣機能が低下した閉経後女性における本剤の投与と腫瘍発生との間に明確な関係は示唆されていない。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 骨吸収抑制薬 > 選択的エストロゲン受容体モジュレーター (SERM) |
一般名 | ラロキシフェン塩酸塩錠 |
薬価 | 23.9円 |
メーカー | シオノケミカル |
最終更新 | 2023年08月改訂(第1版) |
通常、ラロキシフェン塩酸塩として、1日1回60mgを経口投与する。
閉経後骨粗鬆症。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 静脈血栓塞栓症(頻度不明):深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症があらわれることがあるので、下肢疼痛・下肢浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等の症状が認められた場合には投与を中止すること〔2.1、8.1参照〕。
11.1.2. 肝機能障害(頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγ−GTP上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(頻度不明)ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板数減少。
2). 内分泌・代謝系:(2%未満)血中Al−P減少、(頻度不明)血清総蛋白減少、血中アルブミン減少、血清リン減少、血中カルシウム減少。
3). 消化器:(2%未満)嘔気、(頻度不明)腹部膨満、おくび。
4). 肝臓:(頻度不明)γ−GTP上昇。
5). 皮膚:(2〜5%未満)皮膚炎、皮膚そう痒症。
6). 生殖器:(2%未満)膣分泌物、(頻度不明)良性の子宮内腔液増加。
7). 乳房:(2〜5%未満)乳房緊満。
8). その他:(2〜5%未満)下肢痙攣、ほてり、(2%未満)多汗、(頻度不明)感覚減退、末梢性浮腫、表在性血栓性静脈炎、体重増加。
2.1. 深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者[これらの症状が増悪することがある]〔8.1、11.1.1参照〕。
2.2. 長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者〔8.2参照〕。
2.3. 抗リン脂質抗体症候群の患者[静脈血栓塞栓症を起こしやすいとの報告がある]。
2.4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦〔9.5妊婦、9.6授乳婦の項参照〕。
2.5. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤の服用により、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)があらわれることがあるので、患者に対しては、下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等のような症状が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること〔2.1、11.1.1参照〕。
8.2. 静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)のリスクが上昇するため、長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)に入る3日前には本剤の服用を中止し、完全に歩行可能になるまでは投与を再開しないこと〔2.2参照〕。
8.3. 患者のカルシウム及び/又はビタミンDの摂取量が十分でない場合は、カルシウム及び/又はビタミンDをそれぞれ補給すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 経口エストロゲン療法にて顕著な高トリグリセリド血症[>500mg/dL]の既往歴のある患者:血清トリグリセリド値のモニターを行うこと(本剤の服用により血清トリグリセリド上昇があらわれることがある)。
(腎機能障害患者)
腎機能障害患者:国内臨床試験では除外されている〔16.6.1参照〕。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:国内臨床試験では除外されている〔16.6.2参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 陰イオン交換樹脂<経口>(コレスチラミン<経口>)〔16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が低下する(本剤がコレスチラミンに吸着され、消化管内からの吸収量が低下することが知られており、その他の陰イオン交換樹脂についても同様の可能性が考えられる)]。
2). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[プロトロンビン時間の減少が報告されており、本剤による治療の開始あるいは終了の際、プロトロンビン時間を注意深くモニターする必要がある(機序は不明である)]。
3). アンピシリン〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が低下するおそれがある(アンピシリンにより腸内細菌叢が減少することにより本剤の腸肝循環が低下するためと考えられる)]。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(妊婦に本剤を投与した場合、胎児に悪影響を及ぼすおそれがあり、ウサギでは、流産及び低頻度で胎仔心奇形(胎仔心室中隔欠損)が認められ、ラットでは、胎仔発達遅延及び胎仔発育異常(胎仔波状肋骨、胎仔腎盂拡張)あるいは分娩遅延又は分娩困難、出生仔生存率低下、身体発育分化の変化、発育分化抑制や下垂体ホルモン変化、出生仔におけるリンパ球組織減少といった所見が認められ、また、高用量では、分娩困難による母動物死亡及び産仔死亡の報告がある)〔2.4参照〕。
(授乳婦)
授乳中の女性には投与しないこと(本剤がヒト乳汁中へ移行するかどうかは不明である)〔2.4参照〕。
13.1. 症状
1回120mg以上を服用した成人で下肢痙攣、浮動性めまいが報告されている。2歳未満の小児において180mgまで誤って服用したとの報告があり、失調、浮動性めまい、嘔吐、発疹、下痢、振戦、潮紅、Al−P上昇が報告されている。
13.2. 処置
過量投与時の特異的解毒剤はない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 外国における骨粗鬆症治療(骨折)試験において、本剤投与群はプラセボ群に比べわずかな子宮内膜厚増加を示したとの報告があり、臨床的に意味のある子宮内膜増殖であるとはされていないが、本剤治療中に子宮内膜異常(原因不明の子宮出血・性器出血、子宮内膜増殖等)が認められた場合には症状に応じて詳しい検査を行うこと。
15.1.2. 外国において、本剤と経口エストロゲン製剤併用中の閉経後女性で子宮内膜厚増加したとの報告がある。
15.1.3. 本剤投与により、対照群に比べ乳癌のリスクの上昇は認められていないが、本剤治療中に乳房に原因不明の異常が認められた場合には症状に応じて詳しい検査を行うこと。
15.1.4. 外国で実施された冠動脈疾患がある閉経後女性又は冠動脈疾患のリスクが高い閉経後女性を対象*とした試験において、本剤投与群において脳卒中による死亡率が高かったとの報告がある。脳卒中による死亡率はプラセボ投与群で1.5/1000人/年に対して本剤投与群で2.2/1000人/年であった。
*:本剤の承認された効能又は効果は閉経後骨粗鬆症である。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
雌ラット及びマウスにおけるがん原性試験の結果、卵巣腫瘍の発生が認められたとの報告があり、これらの所見は卵胞機能及び性ホルモンバランスの不均衡に起因する変化である可能性が高いと考えられ、げっ歯類に特異的な変化であることが知られている。長期臨床試験において、卵巣機能が低下した閉経後女性における本剤の投与と腫瘍発生との間に明確な関係は示唆されていない。
(保管上の注意)
室温保存。
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