薬剤情報
後発品
薬効分類非定型抗精神病薬 > MARTA
一般名オランザピン筋注用
薬価1641
メーカーチェプラファーム
最終更新
2024年11月改訂(第3版)
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用法・用量

通常、成人にはオランザピンとして1回10mgを筋肉内注射する。

効果不十分な場合には、1回10mgまでを追加投与できるが、前回の投与から2時間以上あけること。また、投与回数は、追加投与を含め1日2回までとすること。

年齢、症状に応じて減量を考慮すること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

本剤の追加投与により、過鎮静等の副作用が発現するおそれがあるので、追加投与の必要性を慎重に判断し、追加投与後は患者の状態を十分に観察すること。

経口抗精神病薬等による管理が可能になった場合には、速やかに本剤の投与を終了すること(国内外臨床試験において、3日間を超えて連用した経験はない)。

効能・効果

統合失調症における精神運動興奮。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

急激な精神運動興奮等で緊急を要する場合に用いること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 高血糖(頻度不明)、糖尿病性ケトアシドーシス(頻度不明)、糖尿病性昏睡(頻度不明):高血糖があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的経過をたどることがあるので、血糖値の測定や、口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと〔1.1、1.2、8.1、8.3、9.1.1参照〕。

11.1.2. 低血糖(頻度不明):脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと〔8.2、8.3参照〕。

11.1.3. 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明):無動緘黙、強度筋強剛、脈拍変動及び血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、水分補給、体冷却等の全身管理とともに、適切な処置を行うこと(本症発症時には、血清CK上昇や白血球増加がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下に注意すること)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。

11.1.4. 肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.1.5. 痙攣(頻度不明):痙攣(強直間代性痙攣、部分発作、ミオクロヌス発作等)があらわれることがある。

11.1.6. 遅発性ジスキネジア(頻度不明):長期投与により、不随意運動(特に口周部不随意運動)があらわれ、投与中止後も持続することがある。

11.1.7. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

11.1.8. 麻痺性イレウス(頻度不明):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1.9. 無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)。

11.1.10. 肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明):肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔9.1.6参照〕。

11.1.11. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 精神神経系:(5%以上)傾眠、(1〜5%)浮動性めまい、(頻度不明)健忘、下肢静止不能症候群、吃音。

2). 錐体外路症状:(頻度不明)アカシジア。

3). 循環器:(1〜5%)起立性低血圧、(頻度不明)低血圧、頻脈、徐脈。

4). 消化器:(1〜5%)口渇、(頻度不明)食欲亢進、便秘、膵炎、腹部膨満、流涎過多。

5). 血液:(頻度不明)白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症、好酸球増加症。

6). 内分泌:(頻度不明)プロラクチン上昇。

7). 肝臓:(頻度不明)ALT上昇、AST上昇、Al−P上昇、総ビリルビン上昇、肝炎、γ−GTP上昇。

8). 泌尿器:(頻度不明)尿失禁、尿閉。

9). 過敏症:(頻度不明)発疹、光線過敏症、アレルギー反応。

10). 代謝異常:(頻度不明)末梢性浮腫、尿糖、尿酸値上昇、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症。

11). その他:(頻度不明)体重増加、疲労、無力症、離脱反応、CK上昇、脱毛症、持続勃起症、関節痛、鼻出血、発熱。

警告

1.1. 著しい血糖値上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、投与前に血糖値の測定等を行い、糖尿病又はその既往のある患者あるいは糖尿病の危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は投与しないこと。また、投与前に血糖値の測定等が困難な場合には、投与後に血糖値をモニタリングするなど観察を十分に行うこと〔11.1.1参照〕。

1.2. 投与にあたっては、可能な限り投与前に、前記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明すること。また、口渇、多飲、多尿、頻尿等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう、指導すること〔8.1、8.3、9.1.1、11.1.1参照〕。

禁忌

2.1. 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある]。

2.2. バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される]。

2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.4. アドレナリン投与中<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く>の患者〔10.1、13.2参照〕。

重要な基本的注意

8.1. オランザピンの投与により、著しい血糖値上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の致命的経過をたどることがあるので、口渇、多飲、多尿、頻尿等の高血糖症状に注意するとともに、血糖値をモニタリングするなど観察を十分に行うこと(特に、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者では、血糖値上昇し、代謝状態を急激に悪化させるおそれがあるので、注意すること)〔1.2、8.3、9.1.1、11.1.1参照〕。

8.2. オランザピンの投与により、低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値をモニタリングするなど観察を十分に行うこと〔8.3、11.1.2参照〕。

8.3. 本剤の投与に際し、可能な限り投与前に、著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡及び低血糖の副作用が発現する場合があることを患者及びその家族に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、医師の診察を受けるよう、指導すること〔1.2、8.1、8.2、9.1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。

8.4. 非経口ベンゾジアゼピン製剤との併用投与は、過鎮静や心肺機能抑制を来すおそれがあるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は併用しないこと(やむを得ず併用する場合には、本剤の投与と十分な間隔をあけ、患者の状態を十分に観察すること)本剤と非経口ベンゾジアゼピン製剤との併用投与後の死亡例が報告されている〔10.2参照〕。

8.5. めまい、起立性低血圧、徐脈、低換気が認められることがあるので、これらの徴候があらわれた場合には、横臥位にさせ、観察を十分に行うこと〔9.1.2、10.2参照〕。

8.6. 本剤投与後に抗精神病薬を投与する場合には、適切な投与間隔をあけ、投与後は患者の状態を十分に観察すること。

8.7. オランザピンの投与により体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。

8.8. オランザピンは制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕在化することがあるので注意すること。

8.9. 傾眠、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、高所での作業あるいは自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者、糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者〔1.2、8.1、8.3、11.1.1参照〕。

9.1.2. 重篤な心血管疾患を有する患者:低血圧、徐脈、低換気が認められることがある〔8.5参照〕。

9.1.3. 尿閉、麻痺性イレウス、閉塞隅角緑内障のある患者:抗コリン作用により症状を悪化させることがある。

9.1.4. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させることがある。

9.1.5. 本剤のクリアランスを低下させる要因を併せ持つ(非喫煙者、女性、高齢者)患者:本剤の血漿中濃度が増加することがある〔9.8高齢者の項参照〕。

9.1.6. 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者〔11.1.10参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 肝障害のある患者又は肝毒性のある薬剤による治療中の患者:肝障害を悪化させることがある。

相互作用

本剤の代謝には肝薬物代謝酵素CYP1A2が関与している。また、CYP2D6も関与していると考えられている〔16.4.1参照〕。

10.1. 併用禁忌:

アドレナリン<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く><ボスミン>〔2.4、13.2参照〕[アドレナリンの作用を逆転させ重篤な血圧降下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α、β−受容体の刺激剤であり、本剤のα−受容体遮断作用によりβ−受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される)]。

10.2. 併用注意:

1). 非経口ベンゾジアゼピン製剤(非経口フルニトラゼパム、非経口ジアゼパム、非経口ミダゾラム等)〔8.4参照〕[過鎮静や心肺機能抑制を来すおそれがあるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は併用しないこと(やむを得ず併用する場合には、本剤の投与と十分な間隔をあけ、患者の状態を十分に観察すること)(本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する)]。

2). 中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体、経口ベンゾジアゼピン製剤等)[適切な投与間隔をあける、減量するなど注意すること(本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する)]。

3). 低血圧を引き起こす薬剤、徐脈を引き起こす薬剤、呼吸抑制を引き起こす薬剤、中枢神経抑制を引き起こす薬剤〔8.5参照〕[低血圧、徐脈、低換気が認められることがある(併用によりこれらの事象のリスクが増加するおそれがある)]。

4). アルコール[相互に作用を増強することがある(アルコールは中枢神経抑制作用を有する)]。

5). 抗コリン作用を有する薬剤(抗コリン性抗パーキンソン剤、フェノチアジン系化合物、三環系抗うつ剤等)[腸管麻痺等の重篤な抗コリン性の毒性が強くあらわれることがある(本剤及びこれらの薬剤は抗コリン作用を有する)]。

6). ドパミン作動薬、レボドパ製剤[これらの薬剤のドパミン作動性の作用が減弱することがある(ドパミン作動性神経において、本剤がこれらの薬剤の作用に拮抗することによる)]。

7). フルボキサミン〔16.7.1参照〕[本剤の血漿中濃度を増加させるので、本剤を減量するなど注意すること(これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)阻害作用を有するため本剤のクリアランスを低下させる)]。

8). シプロフロキサシン[本剤の血漿中濃度を増加させる可能性がある(これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)阻害作用を有するため本剤のクリアランスを低下させる)]。

9). カルバマゼピン〔16.7.2参照〕[本剤の血漿中濃度を低下させる(これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)を誘導するため本剤のクリアランスを増加させる)]。

10). オメプラゾール、リファンピシン[本剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある(これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)を誘導するため本剤のクリアランスを増加させる)]。

11). 喫煙[本剤の血漿中濃度を低下させる(喫煙は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)を誘導するため本剤のクリアランスを増加させる)]。

12). アドレナリン含有歯科麻酔剤(リドカイン・アドレナリン歯科麻酔剤)[重篤な血圧降下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α、β−受容体の刺激剤であり、本剤のα−受容体遮断作用によりβ−受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある)]。

高齢者

2.5〜5mgの少量での投与等を検討し、投与以降は患者の状態を十分に観察すること。また、他の本剤のクリアランスを低下させる要因を併せ持つ高齢者(高齢者の非喫煙者、高齢者の女性等)では、特に注意すること。高齢者では、一般的に生理機能が低下しており、オランザピンのクリアランスが低下する可能性がある〔9.1.5参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(ヒト母乳中への移行が報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

オランザピンの過量投与時に、頻脈、激越/攻撃性、構語障害、種々の錐体外路症状、及び鎮静から昏睡に至る意識障害が一般的な症状(頻度10%以上)としてあらわれることが報告されており、また他の重大な症状として、譫妄、痙攣、悪性症候群様症状、呼吸抑制、誤嚥、高血圧あるいは低血圧、不整脈(頻度2%以下)及び心肺停止があらわれることがある。オランザピン経口剤において、450mg程度の急性過量投与による死亡例の報告があるが、2gの急性過量投与での生存例も報告されている。

13.2. 処置

過量投与時、アドレナリン、ドパミン、あるいは他のβ−受容体アゴニスト活性を有する薬剤は低血圧を更に悪化させる可能性があるので使用してはならない〔2.4、10.1参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 2.1mLの日局注射用水で溶解する。

14.1.2. 本剤溶解時、溶液は黄色澄明を呈する。

14.1.3. 溶解後、速やかに使用すること。

14.1.4. 溶解した残液は使用しないこと。

14.1.5. ジアゼパムの注射剤と混合すると沈殿が起こるため混合しないこと。

14.1.6. ハロペリドールの注射剤と混合するとpHが低下し本剤が分解されるため混合しないこと。

14.1.7. 投与量を調整する場合は次の用量を参考にすること。

1). 用量10.0mg:投与量バイアル内溶解液全量。

2). 用量7.5mg:投与量1.5mL。

3). 用量5.0mg:投与量1.0mL。

4). 用量2.5mg:投与量0.5mL。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 投与前には異物がないか目視にて確認すること。

14.2.2. 筋肉内注射にのみ使用し、静脈内投与又は皮下投与は行わないこと。

(取扱い上の注意)

凍結しないこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. オランザピンによる治療中、原因不明の突然死が報告されている。

15.1.2. 外国で実施された高齢認知症患者を対象とした17の臨床試験において、オランザピン経口剤を含む非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。なお、オランザピン経口剤の5試験では、死亡及び脳血管障害(脳卒中、一過性脳虚血発作等)の発現頻度がプラセボと比較して高く、その死亡の危険因子として、年齢(80歳以上)、高齢で鎮静状態、高齢でベンゾジアゼピン系薬物の併用、高齢で呼吸器疾患が報告されている。脳血管障害を発現した患者においては、高齢で脳血管障害・高齢で一過性脳虚血発作・高齢で高血圧の既往又は合併、高齢で喫煙等の危険因子を有していたことが報告されている。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率上昇に関与するとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

がん原性試験において、雌マウス(8mg/kg/日以上、21ヵ月)及び雌ラット(2.5/4mg/kg/日以上、21ヵ月、投与211日に増量)で乳腺腫瘍の発生頻度の上昇が報告されている。これらの所見は、プロラクチンに関連した変化として、げっ歯類ではよく知られている。臨床試験及び疫学的調査において、ヒトにおけるオランザピンあるいは類薬の長期投与と腫瘍発生との間に明確な関係は示唆されていない。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

ジプレキサ筋注用10mg
後発品はありません
ジプレキサ筋注用10mg
ジプレキサ筋注用10mg

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一般名オランザピン筋注用
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用法・用量

通常、成人にはオランザピンとして1回10mgを筋肉内注射する。

効果不十分な場合には、1回10mgまでを追加投与できるが、前回の投与から2時間以上あけること。また、投与回数は、追加投与を含め1日2回までとすること。

年齢、症状に応じて減量を考慮すること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

本剤の追加投与により、過鎮静等の副作用が発現するおそれがあるので、追加投与の必要性を慎重に判断し、追加投与後は患者の状態を十分に観察すること。

経口抗精神病薬等による管理が可能になった場合には、速やかに本剤の投与を終了すること(国内外臨床試験において、3日間を超えて連用した経験はない)。

効能・効果

統合失調症における精神運動興奮。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

急激な精神運動興奮等で緊急を要する場合に用いること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 高血糖(頻度不明)、糖尿病性ケトアシドーシス(頻度不明)、糖尿病性昏睡(頻度不明):高血糖があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的経過をたどることがあるので、血糖値の測定や、口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと〔1.1、1.2、8.1、8.3、9.1.1参照〕。

11.1.2. 低血糖(頻度不明):脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと〔8.2、8.3参照〕。

11.1.3. 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明):無動緘黙、強度筋強剛、脈拍変動及び血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、水分補給、体冷却等の全身管理とともに、適切な処置を行うこと(本症発症時には、血清CK上昇や白血球増加がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下に注意すること)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。

11.1.4. 肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.1.5. 痙攣(頻度不明):痙攣(強直間代性痙攣、部分発作、ミオクロヌス発作等)があらわれることがある。

11.1.6. 遅発性ジスキネジア(頻度不明):長期投与により、不随意運動(特に口周部不随意運動)があらわれ、投与中止後も持続することがある。

11.1.7. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

11.1.8. 麻痺性イレウス(頻度不明):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1.9. 無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)。

11.1.10. 肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明):肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔9.1.6参照〕。

11.1.11. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 精神神経系:(5%以上)傾眠、(1〜5%)浮動性めまい、(頻度不明)健忘、下肢静止不能症候群、吃音。

2). 錐体外路症状:(頻度不明)アカシジア。

3). 循環器:(1〜5%)起立性低血圧、(頻度不明)低血圧、頻脈、徐脈。

4). 消化器:(1〜5%)口渇、(頻度不明)食欲亢進、便秘、膵炎、腹部膨満、流涎過多。

5). 血液:(頻度不明)白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症、好酸球増加症。

6). 内分泌:(頻度不明)プロラクチン上昇。

7). 肝臓:(頻度不明)ALT上昇、AST上昇、Al−P上昇、総ビリルビン上昇、肝炎、γ−GTP上昇。

8). 泌尿器:(頻度不明)尿失禁、尿閉。

9). 過敏症:(頻度不明)発疹、光線過敏症、アレルギー反応。

10). 代謝異常:(頻度不明)末梢性浮腫、尿糖、尿酸値上昇、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症。

11). その他:(頻度不明)体重増加、疲労、無力症、離脱反応、CK上昇、脱毛症、持続勃起症、関節痛、鼻出血、発熱。

警告

1.1. 著しい血糖値上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、投与前に血糖値の測定等を行い、糖尿病又はその既往のある患者あるいは糖尿病の危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は投与しないこと。また、投与前に血糖値の測定等が困難な場合には、投与後に血糖値をモニタリングするなど観察を十分に行うこと〔11.1.1参照〕。

1.2. 投与にあたっては、可能な限り投与前に、前記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明すること。また、口渇、多飲、多尿、頻尿等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう、指導すること〔8.1、8.3、9.1.1、11.1.1参照〕。

禁忌

2.1. 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある]。

2.2. バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される]。

2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.4. アドレナリン投与中<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く>の患者〔10.1、13.2参照〕。

重要な基本的注意

8.1. オランザピンの投与により、著しい血糖値上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の致命的経過をたどることがあるので、口渇、多飲、多尿、頻尿等の高血糖症状に注意するとともに、血糖値をモニタリングするなど観察を十分に行うこと(特に、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者では、血糖値上昇し、代謝状態を急激に悪化させるおそれがあるので、注意すること)〔1.2、8.3、9.1.1、11.1.1参照〕。

8.2. オランザピンの投与により、低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値をモニタリングするなど観察を十分に行うこと〔8.3、11.1.2参照〕。

8.3. 本剤の投与に際し、可能な限り投与前に、著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡及び低血糖の副作用が発現する場合があることを患者及びその家族に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、医師の診察を受けるよう、指導すること〔1.2、8.1、8.2、9.1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。

8.4. 非経口ベンゾジアゼピン製剤との併用投与は、過鎮静や心肺機能抑制を来すおそれがあるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は併用しないこと(やむを得ず併用する場合には、本剤の投与と十分な間隔をあけ、患者の状態を十分に観察すること)本剤と非経口ベンゾジアゼピン製剤との併用投与後の死亡例が報告されている〔10.2参照〕。

8.5. めまい、起立性低血圧、徐脈、低換気が認められることがあるので、これらの徴候があらわれた場合には、横臥位にさせ、観察を十分に行うこと〔9.1.2、10.2参照〕。

8.6. 本剤投与後に抗精神病薬を投与する場合には、適切な投与間隔をあけ、投与後は患者の状態を十分に観察すること。

8.7. オランザピンの投与により体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。

8.8. オランザピンは制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕在化することがあるので注意すること。

8.9. 傾眠、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、高所での作業あるいは自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者、糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者〔1.2、8.1、8.3、11.1.1参照〕。

9.1.2. 重篤な心血管疾患を有する患者:低血圧、徐脈、低換気が認められることがある〔8.5参照〕。

9.1.3. 尿閉、麻痺性イレウス、閉塞隅角緑内障のある患者:抗コリン作用により症状を悪化させることがある。

9.1.4. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させることがある。

9.1.5. 本剤のクリアランスを低下させる要因を併せ持つ(非喫煙者、女性、高齢者)患者:本剤の血漿中濃度が増加することがある〔9.8高齢者の項参照〕。

9.1.6. 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者〔11.1.10参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 肝障害のある患者又は肝毒性のある薬剤による治療中の患者:肝障害を悪化させることがある。

相互作用

本剤の代謝には肝薬物代謝酵素CYP1A2が関与している。また、CYP2D6も関与していると考えられている〔16.4.1参照〕。

10.1. 併用禁忌:

アドレナリン<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く><ボスミン>〔2.4、13.2参照〕[アドレナリンの作用を逆転させ重篤な血圧降下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α、β−受容体の刺激剤であり、本剤のα−受容体遮断作用によりβ−受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される)]。

10.2. 併用注意:

1). 非経口ベンゾジアゼピン製剤(非経口フルニトラゼパム、非経口ジアゼパム、非経口ミダゾラム等)〔8.4参照〕[過鎮静や心肺機能抑制を来すおそれがあるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は併用しないこと(やむを得ず併用する場合には、本剤の投与と十分な間隔をあけ、患者の状態を十分に観察すること)(本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する)]。

2). 中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体、経口ベンゾジアゼピン製剤等)[適切な投与間隔をあける、減量するなど注意すること(本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する)]。

3). 低血圧を引き起こす薬剤、徐脈を引き起こす薬剤、呼吸抑制を引き起こす薬剤、中枢神経抑制を引き起こす薬剤〔8.5参照〕[低血圧、徐脈、低換気が認められることがある(併用によりこれらの事象のリスクが増加するおそれがある)]。

4). アルコール[相互に作用を増強することがある(アルコールは中枢神経抑制作用を有する)]。

5). 抗コリン作用を有する薬剤(抗コリン性抗パーキンソン剤、フェノチアジン系化合物、三環系抗うつ剤等)[腸管麻痺等の重篤な抗コリン性の毒性が強くあらわれることがある(本剤及びこれらの薬剤は抗コリン作用を有する)]。

6). ドパミン作動薬、レボドパ製剤[これらの薬剤のドパミン作動性の作用が減弱することがある(ドパミン作動性神経において、本剤がこれらの薬剤の作用に拮抗することによる)]。

7). フルボキサミン〔16.7.1参照〕[本剤の血漿中濃度を増加させるので、本剤を減量するなど注意すること(これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)阻害作用を有するため本剤のクリアランスを低下させる)]。

8). シプロフロキサシン[本剤の血漿中濃度を増加させる可能性がある(これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)阻害作用を有するため本剤のクリアランスを低下させる)]。

9). カルバマゼピン〔16.7.2参照〕[本剤の血漿中濃度を低下させる(これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)を誘導するため本剤のクリアランスを増加させる)]。

10). オメプラゾール、リファンピシン[本剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある(これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)を誘導するため本剤のクリアランスを増加させる)]。

11). 喫煙[本剤の血漿中濃度を低下させる(喫煙は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)を誘導するため本剤のクリアランスを増加させる)]。

12). アドレナリン含有歯科麻酔剤(リドカイン・アドレナリン歯科麻酔剤)[重篤な血圧降下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α、β−受容体の刺激剤であり、本剤のα−受容体遮断作用によりβ−受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある)]。

高齢者

2.5〜5mgの少量での投与等を検討し、投与以降は患者の状態を十分に観察すること。また、他の本剤のクリアランスを低下させる要因を併せ持つ高齢者(高齢者の非喫煙者、高齢者の女性等)では、特に注意すること。高齢者では、一般的に生理機能が低下しており、オランザピンのクリアランスが低下する可能性がある〔9.1.5参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(ヒト母乳中への移行が報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

オランザピンの過量投与時に、頻脈、激越/攻撃性、構語障害、種々の錐体外路症状、及び鎮静から昏睡に至る意識障害が一般的な症状(頻度10%以上)としてあらわれることが報告されており、また他の重大な症状として、譫妄、痙攣、悪性症候群様症状、呼吸抑制、誤嚥、高血圧あるいは低血圧、不整脈(頻度2%以下)及び心肺停止があらわれることがある。オランザピン経口剤において、450mg程度の急性過量投与による死亡例の報告があるが、2gの急性過量投与での生存例も報告されている。

13.2. 処置

過量投与時、アドレナリン、ドパミン、あるいは他のβ−受容体アゴニスト活性を有する薬剤は低血圧を更に悪化させる可能性があるので使用してはならない〔2.4、10.1参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 2.1mLの日局注射用水で溶解する。

14.1.2. 本剤溶解時、溶液は黄色澄明を呈する。

14.1.3. 溶解後、速やかに使用すること。

14.1.4. 溶解した残液は使用しないこと。

14.1.5. ジアゼパムの注射剤と混合すると沈殿が起こるため混合しないこと。

14.1.6. ハロペリドールの注射剤と混合するとpHが低下し本剤が分解されるため混合しないこと。

14.1.7. 投与量を調整する場合は次の用量を参考にすること。

1). 用量10.0mg:投与量バイアル内溶解液全量。

2). 用量7.5mg:投与量1.5mL。

3). 用量5.0mg:投与量1.0mL。

4). 用量2.5mg:投与量0.5mL。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 投与前には異物がないか目視にて確認すること。

14.2.2. 筋肉内注射にのみ使用し、静脈内投与又は皮下投与は行わないこと。

(取扱い上の注意)

凍結しないこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. オランザピンによる治療中、原因不明の突然死が報告されている。

15.1.2. 外国で実施された高齢認知症患者を対象とした17の臨床試験において、オランザピン経口剤を含む非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。なお、オランザピン経口剤の5試験では、死亡及び脳血管障害(脳卒中、一過性脳虚血発作等)の発現頻度がプラセボと比較して高く、その死亡の危険因子として、年齢(80歳以上)、高齢で鎮静状態、高齢でベンゾジアゼピン系薬物の併用、高齢で呼吸器疾患が報告されている。脳血管障害を発現した患者においては、高齢で脳血管障害・高齢で一過性脳虚血発作・高齢で高血圧の既往又は合併、高齢で喫煙等の危険因子を有していたことが報告されている。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率上昇に関与するとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

がん原性試験において、雌マウス(8mg/kg/日以上、21ヵ月)及び雌ラット(2.5/4mg/kg/日以上、21ヵ月、投与211日に増量)で乳腺腫瘍の発生頻度の上昇が報告されている。これらの所見は、プロラクチンに関連した変化として、げっ歯類ではよく知られている。臨床試験及び疫学的調査において、ヒトにおけるオランザピンあるいは類薬の長期投与と腫瘍発生との間に明確な関係は示唆されていない。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

後発品はありません
薬剤情報

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