薬効分類 | 抗真菌薬 > トリアゾール系抗菌薬 |
一般名 | フルコナゾール50mgカプセル |
薬価 | 103.3円 |
メーカー | 日医工 |
最終更新 | 2023年05月改訂(第10版) |
1.成人:
1).カンジダ症:フルコナゾールとして50〜100mgを1日1回経口投与する。
2).クリプトコッカス症:フルコナゾールとして50〜200mgを1日1回経口投与する。
なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として400mgまで増量できる。
3).造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:フルコナゾールとして400mgを1日1回経口投与する。
4).カンジダ属に起因する膣炎及び外陰膣炎:フルコナゾールとして150mgを1回経口投与する。
2.小児:
1).カンジダ症:小児にはフルコナゾールとして3mg/kgを1日1回経口投与する。
2).クリプトコッカス症:小児にはフルコナゾールとして3〜6mg/kgを1日1回経口投与する。
なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として12mg/kgまで増量できる。
3).造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:小児には、フルコナゾールとして12mg/kgを1日1回経口投与する。
なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
但し、1日量として400mgを超えない。
3.新生児:
1).生後14日までの新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を72時間毎に投与する。
2).生後15日以降の新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を48時間毎に投与する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:
1).造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防は、好中球減少症が予想される数日前から投与を開始することが望ましい。
2).造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防は、好中球数が1000/mm3を超えてから7日間投与することが望ましい。
2.カンジダ属に起因する膣炎及び外陰膣炎:本剤の効果判定は投与後4〜7日目を目安に行い、効果が認められない場合には、他の薬剤の投与を行うなど適切な処置を行う。
1.カンジダ属及びクリプトコッカス属による次記感染症:真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎。
2.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防。
3.カンジダ属に起因する膣炎及びカンジダ属に起因する外陰膣炎。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(血管浮腫、顔面浮腫、そう痒等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3).薬剤性過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)。
4).血液障害:無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血等の重篤な血液障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5).急性腎障害:急性腎障害等の重篤な腎障害が報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
6).肝障害:黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されているが、これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない(本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している)、投与にあたっては、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
7).意識障害:錯乱、見当識障害等の意識障害が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
8).痙攣:痙攣等の神経障害が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
9).高カリウム血症:高カリウム血症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行う。
10).心室頻拍、QT延長、不整脈:心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等が現れることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
11).間質性肺炎:間質性肺炎が現れることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
12).偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎(初期症状:発熱、腹痛、頻回の下痢)が現れることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行う。
1).肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇、黄疸。
2).皮膚:(頻度不明)発疹[発現した場合には投与を中止する]、剥脱性皮膚炎。
3).消化器:(頻度不明)悪心、しゃっくり、食欲不振、下痢、腹部不快感、腹痛、口渇、嘔吐、消化不良、鼓腸放屁。
4).精神・神経系:(頻度不明)頭痛、手指のこわばり、眩暈、傾眠、振戦。
5).腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇、乏尿。
6).代謝異常:(頻度不明)低カリウム血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血糖。
7).血液:(頻度不明)好酸球増多、好中球減少。
8).その他:(頻度不明)浮腫、*発熱[*:発現した場合には投与を中止する]、倦怠感、熱感、脱毛、味覚倒錯、副腎機能不全。
1.次の薬剤を投与中の患者:トリアゾラム投与中、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中、ジヒドロエルゴタミン投与中、キニジン投与中、ピモジド投与中、アスナプレビル投与中、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル投与中、アゼルニジピン投与中、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン投与中、ロミタピド投与中、ブロナンセリン投与中、ルラシドン投与中。
2.本剤に対して過敏症の既往歴のある患者。
3.妊婦又は妊娠している可能性のある患者。
1.薬物過敏症の既往歴のある患者。
2.腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用する]。
3.肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある]。
4.心疾患又は電解質異常のある患者[心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等が現れることがある]。
5.ワルファリン投与中の患者。
(重要な基本的注意)
1.腎障害のある患者に投与する場合は、投与前にクレアチニンクリアランス試験を行い、投与量及び投与間隔に十分注意する。
2.本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇を来した症例が報告されているので、本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与する。
3.本剤の投与に際しては適宜、血液検査、腎機能・肝機能検査、血中電解質検査等を行うことが望ましい。
4.本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行う。
本剤は、CYP2C9、2C19及び3A4を阻害する。
1.併用禁忌:
1).トリアゾラム<ハルシオン等>[トリアゾラムの代謝遅滞による血中濃度の上昇・作用の増強及び作用時間延長の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
2).エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミン[アゾール系抗真菌剤等のCYP3A4を阻害する薬剤とエルゴタミンとの併用により、エルゴタミンの血中濃度が上昇し血管攣縮等の副作用を起こす恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
3).キニジン(キニジン硫酸塩)、ピモジド[これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、Torsade de Pointesを発現する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
4).アスナプレビル<スンベプラ>、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル<ジメンシー配合錠>[これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより肝胆道系の副作用が発現しまた重症化する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
5).アゼルニジピン<カルブロック>、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン<レザルタス配合錠>[イトラコナゾールとの併用によりアゼルニジピンのAUCが上昇することが報告されている(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
6).ロミタピド<ジャクスタピッド>[ロミタピドの血中濃度が著しく上昇する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
7).ブロナンセリン<ロナセン>、ルラシドン<ラツーダ>[これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
2.併用注意:
1).ワルファリン[プロトロンビン時間の延長、著しいINR上昇及び出血傾向<挫傷・鼻出血・消化管出血・血尿・下血等>の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
2).フェニトイン、イブプロフェン、フルルビプロフェン[これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
3).セレコキシブ[セレコキシブの血中濃度が上昇することがあるので、本剤を使用中の患者にはセレコキシブの投与を低用量から開始する(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
4).ロサルタン[ロサルタンの血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度減少の報告がある(本剤はロサルタンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用により活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度が減少することがある)]。
5).HMG−CoA還元酵素阻害薬:
(1).HMG−CoA還元酵素阻害薬(フルバスタチン)[これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある(本剤はフルバスタチンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりフルバスタチンの血中濃度が上昇することがある)]。
(2).HMG−CoA還元酵素阻害薬(アトルバスタチン、シンバスタチン等)[これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
6).カルバマゼピン[カルバマゼピンの血中濃度が上昇し悪心・嘔吐・眩暈・複視等が発現したとの報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
7).ミダゾラム、エプレレノン、メサドン[これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
8).カルシウム拮抗薬<アゼルニジピンは併用禁忌>(ニフェジピン等)、ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬(ビンクリスチン、ビンブラスチン)、エリスロマイシン[これらの薬剤の血中濃度上昇の恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
9).タクロリムス水和物、シクロスポリン[これらの薬剤の血中濃度上昇の報告があり、また、併用により腎障害の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
10).リファブチン[リファブチンのAUC上昇の報告があり、リファブチンの作用が増強する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
11).リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビル[リトナビルのAUC上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
12).ニルマトレルビル・リトナビル[ニルマトレルビル・リトナビルの血中濃度上昇の恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
13).オキシコドン[オキシコドンのAUC上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
14).トルバプタン[トルバプタンの血中濃度上昇の報告があり、トルバプタンの作用が増強する恐れがあるので、やむを得ず併用する際は、トルバプタンを減量あるいは低用量から開始する(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
15).イブルチニブ、ラロトレクチニブ[これらの薬剤の副作用が増強される恐れがあるので、やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察する(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
16).レンボレキサント[レンボレキサントの血中濃度上昇の報告があり傾眠等の副作用が増強される恐れがあるので、本剤とレンボレキサントの併用にあたっては、患者の状態を慎重に観察した上で、レンボレキサント投与の可否を判断する(なお、併用する際はレンボレキサントを1日1回2.5mgとする)(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
17).バレメトスタット[バレメトスタットの副作用が増強される恐れがあるので、患者の状態を慎重に観察する(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
18).フェンタニル[フェンタニルの血中濃度上昇の恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある)]。
19).リバーロキサバン[リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある)]。
20).テオフィリン[テオフィリンの血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
21).経口避妊薬[エチニルエストラジオール、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
22).スルホニル尿素系血糖降下薬(クロルプロパミド、グリベンクラミド等)[スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告があり、また、併用により低血糖の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
23).ナテグリニド[ナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
24).トレチノイン[中枢神経系の副作用が発現する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
25).ジアゼパム[ジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
26).トファシチニブ[トファシチニブのAUCが79%・Cmaxが27%増加したとの報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
27).シクロホスファミド[ビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある(本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある)]。
28).アブロシチニブ[アブロシチニブの作用が増強する恐れがあるので、可能な限り本剤を他の類薬に変更する、又は本剤を休薬する等を考慮する(本剤はアブロシチニブの代謝酵素であるCYP2C19を阻害するので、併用によりアブロシチニブの血中濃度が上昇することがある)]。
29).アミトリプチリン、ノルトリプチリン[これらの薬剤の作用が増強する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
30).ジドブジン[ジドブジンの血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
31).リファンピシン[本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある(リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導し、その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる)]。
32).三酸化二ヒ素[QT延長、心室頻拍<Torsade de Pointesを含む>を起こす恐れがある(本剤及び三酸化二ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)を起こすことがある)]。
(高齢者への投与)
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続する恐れがあるので、用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.催奇形性を疑う症例報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない。
2.母乳中に移行することが認められているので、授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせる。
(小児等への投与)
新生児においては、腎機能が未熟なため血中濃度半減期が延長することから、投与間隔に留意する。
1.症状:
1).外国の癌患者での過量投与(フルコナゾール1200〜2000mg/日、経口投与)の症例報告では、フルコナゾール1600mg/日投与例において、肝機能検査値上昇がみられ、また、2000mg/日投与例において、中枢神経系障害(錯乱、嗜眠、見当識障害、不眠、悪夢、幻覚)、多形性紅斑、悪心・嘔吐、肝機能検査値上昇等がみられたとの報告がある。
2).フルコナゾール8200mg経口摂取後、幻覚、妄想行動の症状が現れ、48時間の経過観察が行われた結果、症状は回復したとの報告がある(自殺企図例)。
2.処置:過量投与時、1)、2)とも対症療法を行う(フルコナゾールは、大部分が腎から排泄されるので、3時間の血液透析により、約50%が血清より除去される)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
安定性試験:長期保存試験の結果より、フルコナゾールカプセル50mg「日医工」及びフルコナゾールカプセル100mg「日医工」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
気密容器。
薬効分類 | 抗真菌薬 > トリアゾール系抗菌薬 |
一般名 | フルコナゾール50mgカプセル |
薬価 | 103.3円 |
メーカー | 日医工 |
最終更新 | 2023年05月改訂(第10版) |
1.成人:
1).カンジダ症:フルコナゾールとして50〜100mgを1日1回経口投与する。
2).クリプトコッカス症:フルコナゾールとして50〜200mgを1日1回経口投与する。
なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として400mgまで増量できる。
3).造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:フルコナゾールとして400mgを1日1回経口投与する。
4).カンジダ属に起因する膣炎及び外陰膣炎:フルコナゾールとして150mgを1回経口投与する。
2.小児:
1).カンジダ症:小児にはフルコナゾールとして3mg/kgを1日1回経口投与する。
2).クリプトコッカス症:小児にはフルコナゾールとして3〜6mg/kgを1日1回経口投与する。
なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として12mg/kgまで増量できる。
3).造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:小児には、フルコナゾールとして12mg/kgを1日1回経口投与する。
なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
但し、1日量として400mgを超えない。
3.新生児:
1).生後14日までの新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を72時間毎に投与する。
2).生後15日以降の新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を48時間毎に投与する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:
1).造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防は、好中球減少症が予想される数日前から投与を開始することが望ましい。
2).造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防は、好中球数が1000/mm3を超えてから7日間投与することが望ましい。
2.カンジダ属に起因する膣炎及び外陰膣炎:本剤の効果判定は投与後4〜7日目を目安に行い、効果が認められない場合には、他の薬剤の投与を行うなど適切な処置を行う。
1.カンジダ属及びクリプトコッカス属による次記感染症:真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎。
2.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防。
3.カンジダ属に起因する膣炎及びカンジダ属に起因する外陰膣炎。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(血管浮腫、顔面浮腫、そう痒等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3).薬剤性過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)。
4).血液障害:無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血等の重篤な血液障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5).急性腎障害:急性腎障害等の重篤な腎障害が報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
6).肝障害:黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されているが、これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない(本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している)、投与にあたっては、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
7).意識障害:錯乱、見当識障害等の意識障害が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
8).痙攣:痙攣等の神経障害が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
9).高カリウム血症:高カリウム血症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行う。
10).心室頻拍、QT延長、不整脈:心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等が現れることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
11).間質性肺炎:間質性肺炎が現れることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
12).偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎(初期症状:発熱、腹痛、頻回の下痢)が現れることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行う。
1).肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇、黄疸。
2).皮膚:(頻度不明)発疹[発現した場合には投与を中止する]、剥脱性皮膚炎。
3).消化器:(頻度不明)悪心、しゃっくり、食欲不振、下痢、腹部不快感、腹痛、口渇、嘔吐、消化不良、鼓腸放屁。
4).精神・神経系:(頻度不明)頭痛、手指のこわばり、眩暈、傾眠、振戦。
5).腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇、乏尿。
6).代謝異常:(頻度不明)低カリウム血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血糖。
7).血液:(頻度不明)好酸球増多、好中球減少。
8).その他:(頻度不明)浮腫、*発熱[*:発現した場合には投与を中止する]、倦怠感、熱感、脱毛、味覚倒錯、副腎機能不全。
1.次の薬剤を投与中の患者:トリアゾラム投与中、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中、ジヒドロエルゴタミン投与中、キニジン投与中、ピモジド投与中、アスナプレビル投与中、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル投与中、アゼルニジピン投与中、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン投与中、ロミタピド投与中、ブロナンセリン投与中、ルラシドン投与中。
2.本剤に対して過敏症の既往歴のある患者。
3.妊婦又は妊娠している可能性のある患者。
1.薬物過敏症の既往歴のある患者。
2.腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用する]。
3.肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある]。
4.心疾患又は電解質異常のある患者[心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等が現れることがある]。
5.ワルファリン投与中の患者。
(重要な基本的注意)
1.腎障害のある患者に投与する場合は、投与前にクレアチニンクリアランス試験を行い、投与量及び投与間隔に十分注意する。
2.本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇を来した症例が報告されているので、本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与する。
3.本剤の投与に際しては適宜、血液検査、腎機能・肝機能検査、血中電解質検査等を行うことが望ましい。
4.本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行う。
本剤は、CYP2C9、2C19及び3A4を阻害する。
1.併用禁忌:
1).トリアゾラム<ハルシオン等>[トリアゾラムの代謝遅滞による血中濃度の上昇・作用の増強及び作用時間延長の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
2).エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミン[アゾール系抗真菌剤等のCYP3A4を阻害する薬剤とエルゴタミンとの併用により、エルゴタミンの血中濃度が上昇し血管攣縮等の副作用を起こす恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
3).キニジン(キニジン硫酸塩)、ピモジド[これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、Torsade de Pointesを発現する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
4).アスナプレビル<スンベプラ>、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル<ジメンシー配合錠>[これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより肝胆道系の副作用が発現しまた重症化する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
5).アゼルニジピン<カルブロック>、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン<レザルタス配合錠>[イトラコナゾールとの併用によりアゼルニジピンのAUCが上昇することが報告されている(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
6).ロミタピド<ジャクスタピッド>[ロミタピドの血中濃度が著しく上昇する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
7).ブロナンセリン<ロナセン>、ルラシドン<ラツーダ>[これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
2.併用注意:
1).ワルファリン[プロトロンビン時間の延長、著しいINR上昇及び出血傾向<挫傷・鼻出血・消化管出血・血尿・下血等>の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
2).フェニトイン、イブプロフェン、フルルビプロフェン[これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
3).セレコキシブ[セレコキシブの血中濃度が上昇することがあるので、本剤を使用中の患者にはセレコキシブの投与を低用量から開始する(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
4).ロサルタン[ロサルタンの血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度減少の報告がある(本剤はロサルタンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用により活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度が減少することがある)]。
5).HMG−CoA還元酵素阻害薬:
(1).HMG−CoA還元酵素阻害薬(フルバスタチン)[これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある(本剤はフルバスタチンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりフルバスタチンの血中濃度が上昇することがある)]。
(2).HMG−CoA還元酵素阻害薬(アトルバスタチン、シンバスタチン等)[これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
6).カルバマゼピン[カルバマゼピンの血中濃度が上昇し悪心・嘔吐・眩暈・複視等が発現したとの報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
7).ミダゾラム、エプレレノン、メサドン[これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
8).カルシウム拮抗薬<アゼルニジピンは併用禁忌>(ニフェジピン等)、ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬(ビンクリスチン、ビンブラスチン)、エリスロマイシン[これらの薬剤の血中濃度上昇の恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
9).タクロリムス水和物、シクロスポリン[これらの薬剤の血中濃度上昇の報告があり、また、併用により腎障害の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
10).リファブチン[リファブチンのAUC上昇の報告があり、リファブチンの作用が増強する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
11).リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビル[リトナビルのAUC上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
12).ニルマトレルビル・リトナビル[ニルマトレルビル・リトナビルの血中濃度上昇の恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
13).オキシコドン[オキシコドンのAUC上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
14).トルバプタン[トルバプタンの血中濃度上昇の報告があり、トルバプタンの作用が増強する恐れがあるので、やむを得ず併用する際は、トルバプタンを減量あるいは低用量から開始する(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
15).イブルチニブ、ラロトレクチニブ[これらの薬剤の副作用が増強される恐れがあるので、やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察する(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
16).レンボレキサント[レンボレキサントの血中濃度上昇の報告があり傾眠等の副作用が増強される恐れがあるので、本剤とレンボレキサントの併用にあたっては、患者の状態を慎重に観察した上で、レンボレキサント投与の可否を判断する(なお、併用する際はレンボレキサントを1日1回2.5mgとする)(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
17).バレメトスタット[バレメトスタットの副作用が増強される恐れがあるので、患者の状態を慎重に観察する(本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
18).フェンタニル[フェンタニルの血中濃度上昇の恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある)]。
19).リバーロキサバン[リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある)]。
20).テオフィリン[テオフィリンの血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
21).経口避妊薬[エチニルエストラジオール、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
22).スルホニル尿素系血糖降下薬(クロルプロパミド、グリベンクラミド等)[スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告があり、また、併用により低血糖の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
23).ナテグリニド[ナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
24).トレチノイン[中枢神経系の副作用が発現する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
25).ジアゼパム[ジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
26).トファシチニブ[トファシチニブのAUCが79%・Cmaxが27%増加したとの報告がある(本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
27).シクロホスファミド[ビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある(本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある)]。
28).アブロシチニブ[アブロシチニブの作用が増強する恐れがあるので、可能な限り本剤を他の類薬に変更する、又は本剤を休薬する等を考慮する(本剤はアブロシチニブの代謝酵素であるCYP2C19を阻害するので、併用によりアブロシチニブの血中濃度が上昇することがある)]。
29).アミトリプチリン、ノルトリプチリン[これらの薬剤の作用が増強する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
30).ジドブジン[ジドブジンの血中濃度上昇の報告がある(本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある)]。
31).リファンピシン[本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある(リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導し、その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる)]。
32).三酸化二ヒ素[QT延長、心室頻拍<Torsade de Pointesを含む>を起こす恐れがある(本剤及び三酸化二ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)を起こすことがある)]。
(高齢者への投与)
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続する恐れがあるので、用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.催奇形性を疑う症例報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない。
2.母乳中に移行することが認められているので、授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせる。
(小児等への投与)
新生児においては、腎機能が未熟なため血中濃度半減期が延長することから、投与間隔に留意する。
1.症状:
1).外国の癌患者での過量投与(フルコナゾール1200〜2000mg/日、経口投与)の症例報告では、フルコナゾール1600mg/日投与例において、肝機能検査値上昇がみられ、また、2000mg/日投与例において、中枢神経系障害(錯乱、嗜眠、見当識障害、不眠、悪夢、幻覚)、多形性紅斑、悪心・嘔吐、肝機能検査値上昇等がみられたとの報告がある。
2).フルコナゾール8200mg経口摂取後、幻覚、妄想行動の症状が現れ、48時間の経過観察が行われた結果、症状は回復したとの報告がある(自殺企図例)。
2.処置:過量投与時、1)、2)とも対症療法を行う(フルコナゾールは、大部分が腎から排泄されるので、3時間の血液透析により、約50%が血清より除去される)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
安定性試験:長期保存試験の結果より、フルコナゾールカプセル50mg「日医工」及びフルコナゾールカプセル100mg「日医工」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
気密容器。
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