薬効分類 | 制酸薬 塩類下剤 |
一般名 | 酸化マグネシウム |
薬価 | 10円 |
メーカー | 日本ジェネリック |
最終更新 | 2023年08月改訂(第1版) |
制酸剤として使用する場合:
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.5〜1.0gを数回に分割経口投与する。
緩下剤として使用する場合:
酸化マグネシウムとして、通常成人1日2gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1回投与する。
尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合:
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2〜0.6gを多量の水とともに経口投与する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
1). 次記疾患における制酸作用と症状の改善:胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃炎(急性胃炎・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)。
2). 便秘症。
3). 尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高マグネシウム血症(頻度不明):呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがあるので、悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うこと〔8.1、9.8高齢者の項、13.1、13.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(頻度不明)下痢等。
2). 電解質:(頻度不明)血清マグネシウム値上昇。
8.1. 本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれることがある。特に、便秘症の患者では、腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な転帰をたどる例が報告されているので、次の点に留意すること〔9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。
8.1.1. 必要最小限の使用にとどめること。
8.1.2. 長期投与又は高齢者へ投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること。
8.1.3. 嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、直ちに受診するよう患者に指導すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 心機能障害のある患者:徐脈を起こし、症状が悪化するおそれがある。
9.1.2. 下痢のある患者:症状が悪化するおそれがある。
9.1.3. 高マグネシウム血症の患者:症状が悪化するおそれがある。
(腎機能障害患者)
腎機能障害患者:高マグネシウム血症を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
10.2. 併用注意:
本剤は吸着作用、制酸作用等を有しているので、他の薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。
1). テトラサイクリン系抗生物質<服用>(テトラサイクリン<服用>、ミノサイクリン<服用>等)、ニューキノロン系抗菌剤<服用>(シプロフロキサシン<服用>、トスフロキサシン<服用>等)、ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤<服用>(エチドロン酸二ナトリウム<服用>、リセドロン酸ナトリウム<服用>等)、抗ウイルス剤(ラルテグラビル<服用>、EVG・COBI・FTC・TDF<服用>(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)等)[これらの薬剤の吸収が低下し効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること(マグネシウムと難溶性のキレートを形成し、薬剤の吸収が阻害される)]。
2). セフジニル<服用>、セフポドキシム プロキセチル<服用>、ミコフェノール酸 モフェチル<服用>、ペニシラミン<服用>[これらの薬剤の吸収が低下し効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること(機序不明)]。
3). アジスロマイシン、セレコキシブ、ロスバスタチン、ラベプラゾール、ガバペンチン[これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある(機序不明)]。
4). ジギタリス製剤<服用>(ジゴキシン<服用>、ジギトキシン<服用>等)、鉄剤<服用>、フェキソフェナジン<服用>[これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、服用間隔をあけるなど注意すること(マグネシウムの吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇によると考えられる)]。
5). ポリカルボフィルカルシウム<服用>[ポリカルボフィルカルシウムの作用が減弱するおそれがある(ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、本剤の胃内pH上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される)]。
6). 高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤(ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)[これらの薬剤の効果が減弱するおそれがあり、また、併用によりアルカローシスがあらわれたとの報告がある(マグネシウムがこれらの薬剤の陽イオンと交換するためと考えられる)]。
7). 活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール等)[高マグネシウム血症を起こすおそれがある(マグネシウムの消化管吸収及び腎尿細管からの再吸収が促進するためと考えられる)]。
8). 活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール等)、大量の牛乳、カルシウム製剤[milk−alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること(<機序>代謝性アルカローシスが持続することにより、尿細管でのカルシウム再吸収が増加する<危険因子>高カルシウム血症、代謝性アルカローシス、腎機能障害のある患者)]。
9). リオシグアト<服用>[本剤との併用によりリオシグアトの血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤はリオシグアト投与後1時間以上経過してから服用させること(消化管内pHの上昇によりリオシグアトのバイオアベイラビリティが低下する)]。
10). ロキサデュスタット、バダデュスタット[これらの薬剤と併用した場合、これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある(機序不明)]。
11). 炭酸リチウム[高マグネシウム血症を起こすおそれがある(機序不明)]。
12). H2受容体拮抗薬(ファモチジン、ラニチジン、ラフチジン等)、プロトンポンプインヒビター(オメプラゾール、ランソプラゾール、エソメプラゾール等)[本剤の緩下作用が減弱するおそれがある(胃内のpH上昇により本剤の溶解度が低下するためと考えられる)]。
13). ミソプロストール[下痢が発現しやすくなる(ミソプロストールは小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を生じさせるが、本剤には緩下作用があるので、両者の併用で下痢が発現しやすくなる)]。
投与量を減量するとともに定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど観察を十分に行い、慎重に投与すること(高マグネシウム血症を起こし、重篤な転帰をたどる例が報告されている)〔8.1、11.1.1参照〕。
(妊婦)
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
13.1. 症状
過量投与時、血清マグネシウム濃度が高値になるにつれ、深部腱反射消失、呼吸抑制、意識障害、房室ブロックや伝導障害等の不整脈、心停止等があらわれることがある〔11.1.1参照〕。
13.2. 処置
過量投与時、大量服用後の間もない場合には、催吐並びに胃洗浄を行う。過量投与による中毒症状があらわれた場合には、心電図並びに血清マグネシウム濃度の測定等により患者の状態を十分に観察し、症状に応じて適切な処置を行うこと(治療にはグルコン酸カルシウム静注が有効であるとの報告がある)。なお、過量投与時、マグネシウムを除去するために血液透析が有効である〔11.1.1参照〕。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
本薬は調剤用薬品中では吸湿性の少ないものに属し、他薬と混合してその吸湿による変化を防ぐ作用がある。また本薬にでんぷんを混ぜると著しく粉体としての流動性を増す性質がある。
15.1. 臨床使用に基づく情報
長期・大量投与により胃結石・腸管内結石を形成し、腸閉塞を起こしたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 制酸薬 塩類下剤 |
一般名 | 酸化マグネシウム |
薬価 | 10円 |
メーカー | 日本ジェネリック |
最終更新 | 2023年08月改訂(第1版) |
制酸剤として使用する場合:
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.5〜1.0gを数回に分割経口投与する。
緩下剤として使用する場合:
酸化マグネシウムとして、通常成人1日2gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1回投与する。
尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合:
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2〜0.6gを多量の水とともに経口投与する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
1). 次記疾患における制酸作用と症状の改善:胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃炎(急性胃炎・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)。
2). 便秘症。
3). 尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高マグネシウム血症(頻度不明):呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがあるので、悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うこと〔8.1、9.8高齢者の項、13.1、13.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(頻度不明)下痢等。
2). 電解質:(頻度不明)血清マグネシウム値上昇。
8.1. 本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれることがある。特に、便秘症の患者では、腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な転帰をたどる例が報告されているので、次の点に留意すること〔9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。
8.1.1. 必要最小限の使用にとどめること。
8.1.2. 長期投与又は高齢者へ投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること。
8.1.3. 嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、直ちに受診するよう患者に指導すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 心機能障害のある患者:徐脈を起こし、症状が悪化するおそれがある。
9.1.2. 下痢のある患者:症状が悪化するおそれがある。
9.1.3. 高マグネシウム血症の患者:症状が悪化するおそれがある。
(腎機能障害患者)
腎機能障害患者:高マグネシウム血症を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
10.2. 併用注意:
本剤は吸着作用、制酸作用等を有しているので、他の薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。
1). テトラサイクリン系抗生物質<服用>(テトラサイクリン<服用>、ミノサイクリン<服用>等)、ニューキノロン系抗菌剤<服用>(シプロフロキサシン<服用>、トスフロキサシン<服用>等)、ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤<服用>(エチドロン酸二ナトリウム<服用>、リセドロン酸ナトリウム<服用>等)、抗ウイルス剤(ラルテグラビル<服用>、EVG・COBI・FTC・TDF<服用>(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)等)[これらの薬剤の吸収が低下し効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること(マグネシウムと難溶性のキレートを形成し、薬剤の吸収が阻害される)]。
2). セフジニル<服用>、セフポドキシム プロキセチル<服用>、ミコフェノール酸 モフェチル<服用>、ペニシラミン<服用>[これらの薬剤の吸収が低下し効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること(機序不明)]。
3). アジスロマイシン、セレコキシブ、ロスバスタチン、ラベプラゾール、ガバペンチン[これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある(機序不明)]。
4). ジギタリス製剤<服用>(ジゴキシン<服用>、ジギトキシン<服用>等)、鉄剤<服用>、フェキソフェナジン<服用>[これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、服用間隔をあけるなど注意すること(マグネシウムの吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇によると考えられる)]。
5). ポリカルボフィルカルシウム<服用>[ポリカルボフィルカルシウムの作用が減弱するおそれがある(ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、本剤の胃内pH上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される)]。
6). 高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤(ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)[これらの薬剤の効果が減弱するおそれがあり、また、併用によりアルカローシスがあらわれたとの報告がある(マグネシウムがこれらの薬剤の陽イオンと交換するためと考えられる)]。
7). 活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール等)[高マグネシウム血症を起こすおそれがある(マグネシウムの消化管吸収及び腎尿細管からの再吸収が促進するためと考えられる)]。
8). 活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール等)、大量の牛乳、カルシウム製剤[milk−alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること(<機序>代謝性アルカローシスが持続することにより、尿細管でのカルシウム再吸収が増加する<危険因子>高カルシウム血症、代謝性アルカローシス、腎機能障害のある患者)]。
9). リオシグアト<服用>[本剤との併用によりリオシグアトの血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤はリオシグアト投与後1時間以上経過してから服用させること(消化管内pHの上昇によりリオシグアトのバイオアベイラビリティが低下する)]。
10). ロキサデュスタット、バダデュスタット[これらの薬剤と併用した場合、これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある(機序不明)]。
11). 炭酸リチウム[高マグネシウム血症を起こすおそれがある(機序不明)]。
12). H2受容体拮抗薬(ファモチジン、ラニチジン、ラフチジン等)、プロトンポンプインヒビター(オメプラゾール、ランソプラゾール、エソメプラゾール等)[本剤の緩下作用が減弱するおそれがある(胃内のpH上昇により本剤の溶解度が低下するためと考えられる)]。
13). ミソプロストール[下痢が発現しやすくなる(ミソプロストールは小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を生じさせるが、本剤には緩下作用があるので、両者の併用で下痢が発現しやすくなる)]。
投与量を減量するとともに定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど観察を十分に行い、慎重に投与すること(高マグネシウム血症を起こし、重篤な転帰をたどる例が報告されている)〔8.1、11.1.1参照〕。
(妊婦)
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
13.1. 症状
過量投与時、血清マグネシウム濃度が高値になるにつれ、深部腱反射消失、呼吸抑制、意識障害、房室ブロックや伝導障害等の不整脈、心停止等があらわれることがある〔11.1.1参照〕。
13.2. 処置
過量投与時、大量服用後の間もない場合には、催吐並びに胃洗浄を行う。過量投与による中毒症状があらわれた場合には、心電図並びに血清マグネシウム濃度の測定等により患者の状態を十分に観察し、症状に応じて適切な処置を行うこと(治療にはグルコン酸カルシウム静注が有効であるとの報告がある)。なお、過量投与時、マグネシウムを除去するために血液透析が有効である〔11.1.1参照〕。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
本薬は調剤用薬品中では吸湿性の少ないものに属し、他薬と混合してその吸湿による変化を防ぐ作用がある。また本薬にでんぷんを混ぜると著しく粉体としての流動性を増す性質がある。
15.1. 臨床使用に基づく情報
長期・大量投与により胃結石・腸管内結石を形成し、腸閉塞を起こしたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
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